5月23日は、日本初キスシーン登場『はたちの青春』という映画が公開された日で、キスの日だったということで。
銀さちがぶっちゅーとチューしてます。チューしかしてないけど、それ以上のことをやっているかのような会話満載です。
chinpoとは言ってないけど「舌チンコ」と言っている銀さんがいます。

オトナの青春

 いつも通りの朝に変わりはないのに、銀時は底知れぬ殺気を感じていた。
『ということ今日、キスの日の由来は日本ではじめてキスシーンが登場する映画が公開された日でした~』
 つけていたテレビには朝の情報番組が映し出されており、キスの日だということで司会者やゲストたちのはしゃいだ声が聞こえてくる。
 殺気の正体はコレか。あの納豆女、ぜってーキスしに来るぞ。つか、俺を殺してからキスするつもりじゃねーだろうな。アイツならやりかねねーな。よし、先手必勝だ。
 銀時はテーブルに置いていた空の茶碗を見下ろし、溜息をついた。
「毎朝、卵かけごはんとばっかキスしてねーで、たまには旅館朝ごはんみたいなのとキスしてーよなァ」
 そう呟いて茶碗を片付けようとソファから腰を浮かすと、天井から何者かが降り立ち、そのまま銀時の横へ座った。何者かと警戒することなく、銀時は目を細めた。あやめは胸の前で両手を組み、目を閉じて唇を窄めていた。
「なんのつもりだ」
「キスよ、銀さん。最近高級ホテルキスしてないでしょう?それなら私がしてあげる、高級ホテル朝ごはんの納豆のキスしてあげる」
 高級ホテルで納豆が出てくんのかよ、ったく、朝からムカつく顔してやがるぜ。
 頬を赤らめ、鼻の下を伸ばした間の抜けた表情を見ると、いつものようにどついてやりたくなる。たが、伸ばした右手をあやめの顎へ添えた。顎をそっとあげ、背を屈める。唇を寄せて、そのタコの真似をしているかのような唇を見て溜息をつく。顎へ添えていた手を離して言った。
「この口やめろ、萎える」
 両頬を指で摘まんで脇へと引っ張る。
「ひひゃい、ぎんひゃん、ひひゃい」
「処女じゃあるめーし固く閉じてんじゃねーよ、ちゃんと最初から濡らしとけよ、ホレ」
と、摘まんでいた頬を離す。
「え、濡らすって」
 赤面するあやめに、やれやれと息をつく。
「舌で唇濡らしとくんだよ。突っ込まれたかったら、ちゃんと入れたくなるような口してろ」
 あやめは、ほんの少し躊躇ったものの、舌を出して唇をなぞった。少し潤った唇をじっと見つめて促す。
「もっと濡らせ」
 言われるままあやめは繰り返した。先ほどよりも唾液で濡れた唇は、その唾液を舐めとりたくなるようにいやらしく開いている。
 銀時は口の片端を上げて笑うと、舌であやめの唇をなぞった。肩を揺らすあやめに、にやりと笑う。
「ちょっとなでただけで感じてんのか」
「ち、違っ」
 慌てて訂正するあやめの唇に、銀時は自分のそれを重ねた。柔らかい感触に、あやめの頬が熱くなる。重ねるだけの口づけを繰り返され、あやめの胸が銀時への想いでいっぱいになると、それは侵入してきた。
「んぅ、ふっ、ん」
 舌を絡めとられ、胸がきゅっと締まり、切なくなる。
「やっ、あ、ふぅ」
 あやめの舌を唇で包んで放す。
「オイ、何が嫌なんだよ」
 不機嫌な銀時にあやめは答えた。
「気持ちいいけど、いやらしいんだもの」
「はァ?普段あんだけ迫っといてぶってんじゃねーぞコラ」
 銀時は、あやめを抱いてソファに寝転がる。仰向けになる銀時を見下ろすあやめは自分の腰に銀時の腕があることを意識しながら窺った。
「え、あの、銀さん?」
「あんなんで俺が満足すると思ってんのか。舌チンコおったててやるから、そのやらしく濡れた口で奉仕しろ」
「えっ」
 銀時は舌を出し、促すように体を揺らす。あやめはおずおずと舌を出し、銀時のそれを舐める。
「っ……」
 空気にさらされた舌をあやめの舌に擽られ、眉根が寄る。遠慮勝ちだったあやめの舌の動きが大胆になるにつれ、あやめの唾液が滴り落ち、銀時は、もっと欲しそうに己の唾液とともに飲みこむ。
「ん、美味いな、さっちゃん、もっと濡らして俺に飲ませろよ」
 銀時は、あやめの腰を抱いていた片手を後頭部にやり、引き寄せる。あやめの唇に舌を差し込み、口内を犯す。面白いくらい溢れる唾液を啜っては舌を擽る。
「ん、ふっ、そんな、飲んじゃ、いや」
「じゃあ、おまえが俺の舌、咥えろよ」
と、銀時はあやめが跨ぐ右膝を軽く立てる。あやめは前のめりになり、目の前の銀時の赤い舌を見てどきりとした。戸惑うあやめを挑発する。
「ああ、下のお口に欲しいとか?いいぜ、舌チンコ食わせてやっても」
と、右膝であやめの体を揺する。
「ほら、こっちのお口、ナニかを食いたくなってんだろ?」
 いやらしく囁く銀時にあやめの羞恥が煽られる。
「なっ」
「これ、食いたい?」
 舌をちろりと出し、にやりと笑われ、あやめは顔を真っ赤にする。
「ああ、違うか、ここはニセモノじゃなくてホンモノが食いたいか」
 足を閉じたいが、銀時の右膝が完全に入り込んでいて叶わない。
「さっちゃんの卑猥な下のお口、気持ちいいだろーなァ、はァ、食われてーなァ」
 腰を抱いていた左手が下がり、あやめの丸い大きな膨らみをやんわりと手の平で覆われる。びくりとしたあやめは肩を震わせた。
「すげェ締まりよさそうだもんなァ」
 囁かれ、体の芯がきゅっと締まる。それを知っているかのように銀時の左手が動き、尻と内腿のきわどいところで指が止まった。
「な、何言ってるの、銀さん」
「とか慌てたふりして、ホントはもう涎垂らしてんじゃねーの?」
 指が離れ、内腿を這う。
「だ、だめ、心の準備ができてないの、はぁ、やっ、だめぇ」
 そこへ触れられてしまうのではないかと、あやめは身を硬くした。
「んじゃ、口吸えよ」
「ん、銀さんののどちんこ吸う……」
「待て、のどじゃねェ、舌だ、舌。舌出せよ、ほら」
 銀時を真似るようにあやめも舌を出した。舌と唾液が絡み、水音が鳴る。
「ふっ、ん、ふぁ……」
 や、銀さんの舌がやらしく私の舌に絡んで、感じちゃう。どうしてこんなに気持ちいいの。それに、私の涎を 銀さんが美味しそうに飲んで……。
「んぅ、銀さんの、飲みたい、はぁ……」
 銀時は舌を離して、ふっと笑った。
「俺の体液、飲みてーの?仕方ねーな」
 あやめを抱きかかえてソファに寝かせ、あやめの膝を割って片膝を突く。口づけ、舌を伝わせて唾液をあやめの口内へと注ぐ。喉を鳴らして飲みこんだあやめを見てにやりと笑った。
「こんな薄いのよか、もっと濃い白濁したやつ飲みたそうな顔してんじゃねーか、やっぱり下の口、涎垂らしまくってんだろ」
「そ、そんなことないわよ、キスしかしてないのに、そんなわけないじゃない」
「ふーん……」
「何よ、その疑ってる目は」
「服ひん剥いて確かめてやろうか?」
「えっ」
「たかだかキスのひとつやふたつで、だらしなく涎垂らしまくってヌレヌレになった襞でもなんでもひん剥いて確かめてやろうか?」
 言われて思わず想像してしまったあやめは、背中をぞくとさせて身震いした。が、はっとする。
「そ、そんなのダメに決まってるじゃない。もうすぐで新八君、来るんでしょ?それに神楽ちゃんも、もうそろそろ定春君の散歩から戻ってくる頃じゃない」
「それもそうだな」
 銀時はあっけなく自分の上からいなくなり、言ってしまったことを後悔する。しょぼくれながら体を起こすと、ソファの背もたれを掴んだ銀時の顔が近づき、びくりとする。反射的に背を逸らせたがソファの背もたれに当たり、銀時に唇を奪われた。先ほど何度もした口づけとは打って変わった甘く優しい口づけに、胸が震える。
 や、ウソ、銀さんがこんなキスするなんて……。
 唇の角度が変えられる僅かの隙にあやめの甘い吐息がこぼれる。涙が滲み、切なげな声が銀時の舌に伝う。
 あ、ダメ、もっと濡れちゃう、もう、身も心も蕩けちゃう……。
 銀時が唇を離すと、互いの吐息が唇にかかる。あやめは、目の前の唇にそっと指で触れる。
「はぁ……銀さんも、気持ち良かった……?」
 とろりとした眼差しで訊ねるあやめだったが、銀時は普段通りに答える。
「まあまあ」
「そっか、良かった、嬉しい」
と、唇を重ねるだけの口づけをして、力尽きたようにソファに体重を預ける。
「ねえ、銀さん、どうして今日はこんなにキスしてくれたの?」
「やっとかねーと、おまえ今日一日ずっといつも以上につきまとうだろ」
と、銀時はあやめの横へと座った。
「ふふ、バレてた?」
「やっぱ、そのつもりだったのかよ」
 あやめは微笑みながら視線を落とし、不意に見た銀時にぎょっとした。
 え。銀さんのソレってアレよね?
 口づけの余韻を吹き飛ばすほど衝撃的だったそれは幻ではなかろうかと銀時の顔を見て、また視線を下げた。
「あの、銀さん?」
「なんだよ」
 いつもと変わらない不貞腐れたような調子ではあるが、その下半身は紛れもなく平常ではない。
「銀さんの、ソレ、大丈夫?」
と、あやめに指を差されて、自らの下半身を見た。
 誰が見てもそうだとわかる不自然な膨らみを見た銀時は、慌てて両手で押さえた。
「ち、違うぞ、ぜってー違うぞ、そんなんじゃねーからな!これは生理現象なんだからな!別におまえがいいとかじゃねーから!誤解すんなよ!」
 顔を真っ赤にして憤慨する銀時に呆然としたあやめだったが、その慌てぶりが可笑しくなって堪えきれずに噴き出した。
「ふふっ、銀さん、かわいー、くっくっくっ」
 肩を震わせて笑いを押さえようとするあやめが面白くなくなり、自棄でもおこしたくなる。
「あーもう、クソ!こうなったら犯してやる!」
 銀時は、再びあやめをソファに押し倒し、手に余るほどの豊かなあやめの胸を掴んだ。
「や、ダメ、銀さんっ」
「何が、ダメだよ、さっきは散々、俺の舌チンコに感じまくってたクセによォ」
と、あやめの首に吸いつく。
「だ、ダメよ、ホントにダメなのっ」
「この期に及んでまだ言ってんのか。わかったわかった、ちゃんとイイとこ擦って突いてやるから、いい加減、観念しろや、さっちゃん」
 あやめの着物を力任せにはだけさせた。
「新八君と神楽ちゃんたちの足音聞こえたの、だからっ」
 あやめは、自分の胸に顔をうずめようとした銀時の顎を両手で力いっぱい押し上げた。
「ダメぇぇぇ!」
 その叫びと同時に部屋の戸が開いた。銀時が一方的にあやめを押し倒している現場を目撃した新八、神楽、定春は銀時を殴り蹴り飛ばす。体が浮遊し、意識が飛ぶ寸前、銀時は思った。
 さっちゃん、そういうことはもっと早く言ってよ……。
オトナの青春
Text by mimiko.
2012/05/31

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