近妙土えろです。近妙が致しているところに土が乱入しちゃったやつです。近妙大前提ですが、途中、妙土だったり土妙だったり土ミツだったり近土だったり土近だったりもします。近土ちゅーしてます。
原作の誠実な近藤さんはいませんまったくの別人です。不誠実すぎる下衆勲がいます。主導権握ってます。
原作の強気お妙さんはいませんまったくの別人です。近藤さんの愛玩具になりさがりお妙さんがいます。らめぇ!てよがってます。
原作の硬派な土方さんはいませんまったくの別人です。あの人の女に嫉妬しときながらやっぱり女子にもムラつくトシがいます。両刃使いです。近藤さんに調教されてすっかり忠犬くんですがミツバさん大好き。
近土えろ「一番目の男」、銀近えろ「二番目の男」、妙近妙えろ「三番目の女」ときて四話目にあたります。
いきなりお妙さんが近藤さんにおねだりしてる「三番目の女」終盤から続いてます。
ほもえろ前提ではありますが男性向けイメージなのでえろ度合もそれに傾向してます。
以上、ご注意を。
原作の誠実な近藤さんはいませんまったくの別人です。不誠実すぎる下衆勲がいます。主導権握ってます。
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原作の硬派な土方さんはいませんまったくの別人です。あの人の女に嫉妬しときながらやっぱり女子にもムラつくトシがいます。両刃使いです。近藤さんに調教されてすっかり忠犬くんですがミツバさん大好き。
近土えろ「一番目の男」、銀近えろ「二番目の男」、妙近妙えろ「三番目の女」ときて四話目にあたります。
いきなりお妙さんが近藤さんにおねだりしてる「三番目の女」終盤から続いてます。
ほもえろ前提ではありますが男性向けイメージなのでえろ度合もそれに傾向してます。
以上、ご注意を。
誰のものにもならない男
愛した兄が、愛した女が、逝ってしまって縋るものがあの人だけになった。だから、誰も俺からあの人を奪ってくれるな。頼みをきいてくれるなら、おまえが欲しがる不安のない生活を俺がくれてやる。だから、俺のあの人を奪ってくれるな。
「はぁ、私のいやらしいここに、近藤さんの、奥までください、んっ、おしりから刺激してるそこ、っぁ、前のところから入って……近藤さんの、かたくて大きいのでいっぱい突いてください……こんどうさぁんっ、はぁんっ」
障子の向こうで女の声がする。男女の情事を覗き見していた隊士たちは、土方にじろりと見下ろされ、音を立てずに慌てて散って行った。
屯所の自室をラブホ代わりにするのはやめろよ。
溜息をついて隙間が開いていた障子戸に手を掛けて引いた。部屋の中に入って障子を締める。
布団の上で男に突き上げられて達する女は声にならない嬌声を上げて体を痙攣させていた。
いきまくりかよ。近藤さんをああも邪険にしていたあの女がねえ……。
「え、トシ?」
土方に気づいた近藤は驚き、瞬きを繰り返している。
「お愉しみのところ悪いな、近藤さん。だが、俺もその女が好きなんだ」
言うと近藤は目を見開いた。
悪いな、近藤さん。もう、アンタと女を取り合いたくなんかないが、俺はその女にアンタを取られたくないんだ。
「そうだったのか……」
ぼそりと呟き、近藤は妙へと視線を戻す。腰を揺らしては自分のものを離さまいとする充血した粘膜を眺める。
「でも、もうおせェよ。お妙さんはこの通り、俺に夢中だもん」
と、根元まで押し進めた腰を揺らす。短く甘い声で啼く妙は、近藤の言うように彼に夢中だ。嬲って欲しそうに唇から舌を覗かせ、口づけをせがむ。混ざり合う唾液を啜りながら近藤が妙の舌を愛撫すると、再び妙は達する。
「んぁっ、こんどぅさんっ、はぁ、きもちいぃ、こんどぉさんのかたいおちんちん、奥に当たるの、すごくいぃのぉ」
近藤しか見えていない妙は、甘えた声で縋りつく。
「俺も、いいですよ、んっ、根元まで咥えこむお妙さんのいやらしいおまんこ、堪らないです、あぁ」
よがる妙は不意にすぐそば土方を見上げた。自分たちを見下ろすその視線に妙のいい声が鳴き止む。
「え、土方さん……?」
近藤は、静かに驚く妙の体をゆっくり回転させ、彼女の太腿を後ろから抱きかかえて土方のほうへ向いた。
「いや、近藤さんっ」
羞恥に歪む妙の顔は横へ向いた。普段結われている髪は下ろされ、細い首に汗で髪が張りついている。無駄な脂肪のない体は女性の象徴である胸さえも残念ながらありはしないが、その頂は綺麗な桜色の蕾が刺激を欲しそうに膨らんでいる。少年のような細身でありながら左右に開かれた足の間にはいやらしく濡れ光る紅い花が咲き、美味そうに肉棒を咥えこんでいる。垂らした涎は近藤の毛と袋まで濡らしていた。
「トシのやつがね、あなたに惚れているらしい」
と、近藤は妙の耳元で囁き、その耳に舌を差し込む。
「あなたのいき顔を見せてやろうかと思って……」
吐息をかけるように囁くと妙の肩が竦んだ。
「そんなの、いやです……」
「そう言わずに……。お妙さんのいいところをいっぱい擦ってあげますから、ね?」
近藤は妙の体を揺らし、硬い分身で内壁を擦った。
「あ、いや、やっ、近藤さんっ、そんなのしちゃ、ぃく、ぅあっ、そこ、おちんちん強くこすっちゃ、だめぇ、出ちゃう、ふいちゃう、んあっ、吹いていっちゃうの、だからだめ、土方さんいるのに、あふぅ、やっ、いく、だめなのにいっちゃうぅ……!あっ、あっ、やあぁんっ……!」
粟立つ肌が全身から快感をかき集め、繋がるそこで弾けた。体を弓なりにした妙のそこからは透明な液体がほとばしる。びくびくと痙攣する妙に構うことなく近藤は妙の腰を掴み直して最奥へと突き上げる。
「あっふっ、こんどぉさぁん、そんな奥ぅふかいのぉ、らぁめぇん、ふぁっ、あぁん、いいよぅ、んんっ」
突いたまま小刻みに揺らすと、その度に短い嬌声が上がり続ける。妙は完全に堕ちている。自分が姿を現すことによって僅かながら我に返ったが、すぐさま近藤に与えられる快楽に溺れた。あの梃子でも動かなかった女が、こうして目の前で痴態を晒している。
はは、やるじゃねェか、近藤さん。
こうも見せつけられては自分の出る幕はないと土方は溜息をついた。
「待て、トシ」
まだ何も発していないのに先回りされる。
「その状態で戻るのか」
「え?」
「それ」
と、顎で指された自分の下半身を見下ろす。
「俺じゃねーんだからそんなナリで屯所練り歩くなよ」
自嘲する近藤に土方は思わず鼻で笑った。
「練り歩くなと言われても、ここでアンタら眺めてても治まらないと思う。邪魔者は退散するのが筋だろ」
近藤は妙から分身を引き抜いた。妙は先程まで中に納まっていた分身を名残惜しそうに目で追う。
「邪魔なんて言ってねェよ、トシ。おまえも混ざれ」
「えっ!」
と、声をそろえる土方と妙に、近藤は笑みをこぼした。
「息ぴったりじゃねーか。実はおまえらのほうが仲いいんじゃねェのか」
「んなわけないだろ」
「そうですよ」
土方と妙は同じ表情をしている。いつだったかの市井巡廻時に出会った銀時と土方の息の合い方に同じことを言ったことがあるが、今とまったく同じ返答だった。同族嫌悪というものだろうか。
トシもお妙さんも万事屋もよく似てるところがあるからなァ。
声も控えめに笑う近藤に妙は断りを入れる。
「あの……私、土方さんとなんていやですよ……」
困惑顔の妙に近藤は頷いた。
「もちろん俺だっていやですよ、トシとお妙さんがやるのなんて絶対いやです」
「だったら混ざれだなんて……」
と、妙は土方を見やる。近藤は布団の上に腰を下ろした。開いた膝の間にこちらを向かせた妙に正座させ、軽く口づける。
「でも、お妙さんのいくとこ見てトシのやつカチカチですよ?ダメだって言いながらも目の前であんなによがって潮吹いちゃったら、さすがのトシも勃起くらいしますって」
深く口づけて妙の舌を蕩けさせて放すと、近藤は土方を呼ぶ。
「トシ」
突っ立っていた土方を見上げた視線は、妙の背後へと下がる。土方は、その目が言うまま妙の後ろで両膝を突いて腰を落とした。近づいた妙からは女の匂いがする。女を抱いたのはいつ振りだ。記憶もあやふやになるくらい前のことだ。これ以上近づくと忘れていた衝動を思い出してしまう。土方は意識しないように肩の力を抜いた。下手に動いて近藤の機嫌を損なわせてはいけないと頭の隅で思い、近藤と妙が口づけをかわす度に立てる水音をぼんやりとした視界で聞く。
俺はおあずけを食らった犬か。
時々、妙の白い背が揺れる。
「トシはお妙さんとキスすんのなしな」
妙の肩越しで念を押され、土方は溜息をついた。念を押されるまでもない。
「わァってるよ」
と、妙の背中を触れるか触れないかの微妙な距離で撫でる。びくりとした妙の尻が揺れた。妙の体を支えていた近藤の手が彼女の脇腹から下腹部へと下り、茂みを太い指が割り入る。土方の手が尻へと下りると指が尾てい骨の辺りに触れ、妙は声を上げた。
「ひぁっ!?」
妙は近藤にしがみつき、くすぐったいのかくすぐったくないのか微妙な愛撫に尻を揺らす。
「やめっ、土方さんっ」
胸と同じでそれほど豊満ではないが、柔らかそうな女の尻が左右へと揺れている。
なるほど。悪くないかもな。
土方は口の片端を上げた。
「こら、トシ。お妙さんの反応がかわいいからって遊んでんじゃねェぞ」
「よく言う……」
土方は鼻で笑って近藤と妙の顔の前に右手を差し込んだ。近藤たちの視界を遮るように指を開く。
「舐めて濡らしてくれよ。俺のが混ざるとアンタのお妙さんに悪いから」
ふたりきりの時にはない強気な土方の出方に近藤の片眉が上がったが、近藤は言われた通り土方の人差し指に舌を這わせた。倣って妙も小指に舌を這わせる。指を一本ずつ順番に舐めて行き、次に人差し指と中指を近藤が、薬指と小指を妙が口に含んだ。土方は、その右の手を妙の尻から前へとくぐらせた。涎を垂らす襞にふたりの唾液で濡れていた人差し指と中指の先をあてがい、上へと滑らせる。届いた先は、近藤の指によって露わにされていた小さな突起だった。土方はそれを指先でくすぐる。
「あぁんっ」
近藤が触れる時のようないい声が上がり、土方はくすりと笑った。
女はもういい。女はアイツだけでいい。なのに、俺は……。
妙の蜜は、土方の人差し指と中指の横から湧き出る。
近藤さん、アンタは大事な自分の女をどうしようって言うんだ。
ぬるついた粘膜に誘われるように土方の二本の指は蜜壺へ入った。指を動かすと、いやらしい水音が鳴る。もう一方の手で妙の左胸を覆うと、右胸を近藤の左手が覆った。近藤の指の腹は硬く尖った頂を転がし、もう片方の指は刺激を待っている敏感な突起をくすぐる。近藤とは違う触れ方の土方と、いつもの近藤の触れ方。どちらもいいと体が言っている。
「やぁあん」
切なげな女の声が上がった。腰はひとりでに揺れ、息を乱す。近藤が妙の左耳に舌を差し込むと、土方も妙の右の耳朶を甘噛みした。全身がざわつき、追い詰められる。妙はしがみついていた近藤の肩の上の指に力を入れた。
「いきそうですか?いっていいですよ」
優しく囁かれ、胸をときめかせた妙は甘い声を上げる。妙を探っていた土方の指が前後し、敏感なところを近藤の指に弄ばれ、妙は何度目かわからない絶頂を味わった。あられもない声を上げたような気がする。快感の余韻が引かずに思考もままならない。ただの雌に成り下がり、目の前にある二本の男根を代わる代わる咥えては舌で丁寧に愛撫する。頬を窄めて奥まで吸うと、土方は辛そうに息を詰まらせ先に果てた。
「悪い……大丈夫か?」
乱していた呼吸を整えようと、長く息をつく。謝罪と気遣う言葉には何も返さず、唇を薄く開いた。返事しようにも口が塞がっている。妙は白い液体が残る舌を覗かせながら近藤を受け入れた。呑みこみきれずに残っていた土方のものが妙の口端からあふれ出る。唾液と精液が混ざった液体を押し込むように鈴口を舌先で押し潰すと、口内で近藤が暴れた。先程よりも張りつめている。熱を持つ太いものを唇から離し、最後に舌を先端から離した。根元に触れていた右の手で力を失くした土方のものを支え、先端を舐めて濡らす。少しずつ力を取り戻す土方から一度舌を離すと、近藤の先からあふれ出る蜜をすくって土方のそこへ舌先を捩じ込んだ。そのまま鈴口をちろちろと舐めながら上目使いで見上げられ、土方は眉根を寄せた。こういうのが好きなのでしょうとでも言っているようだ。
この女……。
見透かされて悔しくはあるが、甘い溜息をつく。
俺はただ女を独占することしかできなかった。それでいいと思ってた。だが、近藤さん、アンタの女はすごいな。アンタから引き剥がそうと色目を使ってみたこともあったがなびかなかった。なのに、不本意であってもアンタの意向を汲んでる。アンタの不浄を包み込んでやがる。
すっかり勃たされた土方は正座する妙の顎下に手を伸ばした。土方のものを扱きながら近藤を咥えていた妙は顔を上げられ、近藤から離される。が、近藤はこれ以上、妙に触れられないように土方に口づけた。頭上で繰り広げられる濃厚な男同士の接吻に妙は溜息をつき、硬さを増した土方を口内で包んだ。無遠慮に唇を犯され、分身を温かい粘膜に愛撫され、腰が熱くなる。
「ふっ、んっ……やめっ、はぁ、んぅ……やめて、くれ、ぁあっ」
口づけの合間に抵抗するが、近藤と妙は構わずに土方のあふれ出る蜜を啜る。舌と分身を同時に優しく吸い上げられ、目尻から涙がこぼれた。舌は甘く痺れ、根元はきゅっと指で締められる。故意に振られる分身は射精を思い起こしてしまい、覚えている快感で思考はふやける。
「トシはお妙さんとキスすんのなしだからな」
再び念を押された。
「ああ、うん。わかってる」
素直に頷かれて拍子抜けはしたが、近藤は次を提案した。
「前はなしだからな。トシは後ろほぐしたげて」
と、腰を下ろし、妙を跨らせる。
「え、あの、近藤さん?」
「安心してください。前が俺で、後ろがトシですから」
どきりとした妙は再度確認する。
「だから、あの……」
戸惑う妙のそこに先をあてがい、ゆっくりと進ませる。突き進む太くて硬い近藤に妙は唇を開いたまま喘いだ。
「あんっ、また、おおきいの、はあぁ……」
いやらしく伸びる唾液は近藤の腹部に落ちた。奥まで届いて熱くなった膣は、急速に熱を上げる。後ろの窪みに土方の指が入ったのだ。
「ひあっ、ひ、土方さぁん、指そんな、深いのだめぇんっ」
「トシ、そこ、子宮の口あたり?」
「ああ、多分」
よがっているこちらを余所に普通に会話するふたりが恨めしい。後ろを探る指は気持ちがいいところを遠ざかり、余裕が出てきた妙は文句を言ってやろうと口を開いた。が、甘えた声が震える。
「ぁふ、やぁん、中で当たってるぅ」
近藤は気持ちよさそうな妙の顔に微笑む。
「中で?」
と、唇を重ねた。甘くねっとり口づけて唇を離すともう一度訊ねる。
「何が当たってるんですか?」
「かたいおちんちんと指ぃ」
吐息交じりに甘えた声で答える。近藤は満面の笑みを浮かべて妙の耳元で訊ねた。
「指、入ってるところにおちんちん入れてみたくないですか?おまんこにおちんちん入れて、後ろにもおちんちん。すごくいいはずですよ」
囁かれて妙はよがりながらも躊躇う。
「よくても、ぁっ、そんなの……こわい、です……んっ」
「大丈夫ですよ、トシは我慢できる奴ですから。女に無理強いなんぞしない。俺が言うのもなんだが、トシはいい男ですよ」
と、妙の肩越しに土方の目を見る。
「と言ってもあなたを渡しはしない。あなたは俺のものだ。そして俺はあなたのものだ」
近藤は視線を落とし、妙の首に口づける。
嘘ばっかり。どの口がそれを言うのよ。
自分の肩に触れる近藤の髭を感じながら妙は目を伏せた。
ずるい人。ただ、あなたは自分にとって都合のいい者をどちらも手放すことなく手元に置いておきたいだけじゃない。現に土方さんは、すでにそれを呑んでる。土方さんもずるいわよね。そんなの、こちらも呑まなきゃ負けたことになるじゃない。どうしてそんなに近藤さんのことが好きなんですか、土方さん?
妙は後ろの土方に振り返った。近藤の牽制に大人しくしていた土方は、飼い主に待てと命じられた犬のようだ。気の毒に思った妙は一息ついて土方を呼ぶ。
「土方さん、いいですよ。そんなに私のことを好きだっていうなら、あの……お尻でよかったら、どうぞ来てください」
いや、別にアンタのことは好きじゃないけど。近藤さんのためなら他の男に触られるのを許すばかりか、触ったり飲んだりできるくらいにはかなり好きなんだと見直しただけだけど。って、そんなことわかってるか。
「いいのか、近藤さん?」
「お妙さんもそう言ってることだし甘えとけ。それにお妙さんも満更でもないだろう。さっきから締めつけがすごいからな」
「満更でもって、どの程度なんだ?」
と、土方は妙の腰に触れた。背がびくりと揺れる。緊張した妙の体が強張ると近藤は息を詰まらせた。
「んっ、はぁ、お妙さん、力抜いて。そんなに体硬くしてたら入りませんよ。舌吸ってあげるから出して」
優しい声に誘われるように妙は素直に舌を覗かせた。柔らかい唇に優しく舌を食べられ、くぐもった妙の声が洩れる。妙の舌は容易く痺れ、繋がるそこも柔らかくなる。きゅっと締まっていた窪みは余分な力が抜け、土方は猛ったものをあてがった。が、すぐに離した。代わりに指を差し込む。そして近藤の裏の根元にものをあてがった。
「え、トシ?」
「滑りよくしたほうがいいかと思って。どうせアンタの玉袋までびしょびしょなんだろ?」
と、近藤の袋を濡らしている妙の愛液をすくうように突く。
「んちょっ、やめっ」
抵抗する近藤に土方は目を細めた。不意に近藤の窪みに分身をあてがう。
「じゃあ、こっちで濡らすか。こっちなら多少乱暴にしても平気だろ」
いやに落ち着いた声で言う土方に、近藤も落ち着いた声で返した。
「いや、ダメだし。そこはもうお妙さんしか受けつけねーし」
「ああ、そうかよ。じゃあ、アンタと一緒に入らせてもらおうかな」
と、近藤の裏側に雁首を当てる。
「ああーっ!こら、トシ!だめ!お妙さんの中に入れんの絶対だめ!てか、お妙さんからも言ってくださいよッ!」
近藤が妙の顔を見ると、声を上げずによがっていた。濡れた唇を開き、舌を覗かせている。
「お妙さん?」
「土方さんの指、きもちいいの。近藤さんが入ってるのに、んぁっ、はぁふぅ、指、くいくいって、あん、いいのぉ、やぁ、いくぅっ」
近藤の肩にしがみついて妙が腰を震わせると、土方は指を引き抜いた。達する直前で放っておかれ、また喪失感に切なくなって妙は尻を揺らす。
「はぁ、土方さん、お尻、きてぇ」
と、近藤の肩に額を寄せておねだりする。
「私の、いやらしいお尻に、土方さんのおちんちんください。お願いです、おしりに、ください」
素直にねだられ、土方はふっと笑った。
「なるほど。満更でもねーな」
と、肩眉を上げる。こちらにしがみついてはいるが他の男を欲しがられ、拗ねた近藤は口を尖らせた。
「トシと絶交しようかなァ……」
ぼそりと呟く近藤に、妙は控えめに噴き出した。
「何、言ってるんですか。あなたと土方さんの縁は、切っても断ち切れるものじゃないでしょう?」
くすくすと笑いながら言い、妙は近藤の首に口づける。言われてしまった土方は、薄く笑って妙へと侵入した。ゆっくりと押し進み、根元まで入ると一息つく。熱い肉に圧迫されて敷布団に突いている膝が笑いそうになる。分身を包む粘膜の快感に酔い、脂肪の詰まった尻を優しく撫でる。
ああ、いいな。女は、やっぱりいい。
背を弓なりにして肩を揺らす妙は、夢中で近藤と舌を絡ませ合っている。こちらを見向きもしない近藤に溜息をついた。
ひでェ男だな、近藤さん。アンタ、本当に酷い男だ。俺なんざ精々、アンタの女の欲を満たすだけの棒なんだろ。そして、アンタの欲を満たすだけの穴だ。いや、本当はわかってた。俺に一度も掘らせなかったのは、いつか別の新しい女のところへ行きやすくするためなんだとわかってた。だが、生憎、その気はない。女はアイツだけでいい。アイツを置いて行くと決めた時、俺はアイツしか愛さないと誓ったんだ。それは何があろうと変わらねェ。なァ、近藤さん、アンタは一体どうしたいってんだ。自分の女を壊してェのか?
「ひあっ、ぁっ、すごひぃっ、こんどぉひぁんと、ひじかたひぁんのおちんひん、当たってりゅ、ぁふっ、ひやぁ、きもちひぃんっ」
呂律の回らない妙は雌の本能のままに喘ぎ、快感によがる。
「あっ、中でぐりぐりっ、ひひゃだめぇえんっ、かたいおちんちん、ふたつ、グリグリしひゃ、らめれすぅ……!」
「んっ、どうしてですか?すごくよさそうなのに、っく……」
近藤は、上擦った声で訊ねながら最奥を突き上げて腰を引くと、ぐちゅりと卑猥な水音が鳴った。
「らって、いってるのに、またいっちゃう。近藤さんのおちんちんれいってるのに、土方さんがぐりぐりしゅるから、ひってるときに、ひぐのぉ、んんぅっ!こんどぅさぁん、そこかりゃ擦り上げたりゃ、りゃめぇっ!ひじかたさんので今、いってるのにぃっ……!」
不意にぎゅっと搾られた土方は分身に熱い血が集まるのを感じる。
「ぁあっ、悪い、ケツ緩めて、じゃなかったら、もぅ、出るっ」
どきりとした妙は力を抜こうとするが、体は言うことを聞いてくれなかった。愛液が湧き出るそこを太いもので栓をされ、それを決して放さないでいる。
「お妙さっ、あっ、俺もいきそうです、んっ、いいですか?俺とトシの、同時にお妙さんの中で出してもいいですか?」
休むことなく快感を与えられつづけ、ずっと絶頂の中にいる妙はとろんとした瞳で素直に頷いた。
「ください。こんどうさんと、ひじかたさんの、せいし、私の中にいっぱいください」
「はい、いっぱい飲んでくださいね」
気持ちよさそうに微笑む妙の額に口づけ、妙の背後にいる土方へ言う。
「トシ、いっていいぞ」
前触れなく声をかけられ、土方はびくりとした。その勢いで放ちそうになった土方は妙の尻を掴んでなんとかとどまった。
「バッカ、いくとこだっただろうがッ、急にそんなこと言うなよッ!」
苦しげに息を乱す土方に妙は振り返る。
「土方さん、いつでもいっていいですよ。この人だって、ちょっと私が甘えたらすぐにいっちゃうんですから。だから、この人のことは気にしないで。今日はあなたのストレス発散におつき合いしますから、ね?」
微笑む妙を見つめる土方は、口端を上げた。
「そうさせてもらう。さすがだな、近藤さんが惚れるだけある。だが、そんなこと言っていいのか?俺以外にもしてやれって言われたら、そいつにもしてやるのか?」
ふたりの顔が近づくのに気づいた近藤は、土方の腹に手を伸ばし、それ以上近づけないように腕をつっぱる。しかし、土方は背を屈めて更に妙へと近づいた。
「あら、心配してくださるんですか?優しいんですね、土方さんって」
にこりと微笑んで微動だに顔を反らさなかった妙の唇に土方の唇が触れそうになる。近藤は、こらやめなさい!だの、これ以上近づいたら蹴り飛ばすぞ!だのと、ふたりの接近を止めようとしている。根を上げたのは土方だった。
「そりゃァ心配くらいするだろう。男所帯に女がひとりでやって来てるんだからな」
と、顔を離して粘膜を分身で掻いた。狭いそこがぬるぬると滑る。雁に掻き出された分泌液が水音を立てた。
「あんっ」
さきほどの澄ました妙は、すぐにどこかへ行ってしまう。
「アンタ、近藤さんには気をつけろよ。不浄で薄汚ねェせこい野郎だから、んっ」
母親が娘に注意を促すようなそれに妙は心内でくすりと笑い、返事する。
「はぃ、気をつけ、ます、んあっ」
「ちょっとちょっと、君たち、ひどくね?!」
と、近藤は妙の腰を掴んで、ずんっと妙を突いた。妙を啼かせると小突きながら反撃に出る。
「んはぁ、近藤さん、小突き続けるなよ。こっちにまで響いてくんだ、よすぎてすぐにいっちまう。あ、ちょっ、まんこだけ締めて、ケツは緩めて」
「ごめんなさっ、でも、近藤さん、大きいのに、またおっきくなって、いま、おまんこいってるのぉ、だから、おしり、しまっちゃうぅ……!」
狭い圧迫が更にきゅっと締まり、出ると思った瞬間、妙の肩越しから近藤に唇を奪われ、土方は精を放ってしまった。次に近藤は、ひとりでに腰を揺らしていた妙に口づけ、合間に囁く。
「トシの精液、出てるのわかりますか」
近藤は、腰引いて妙の好きなところを突いて擦り上げ、熱くほぐれすぎている粘膜の奥へと精を放った。
「俺の、精液も、出てるの、わかりますか」
吐息交じりに言われ、すぐに唇を重ねられる。蕩ける感覚に全身が敏感になっており、自分の中で波打つ雄に体をびくつかせる。
「んっ、出てます、近藤さんと、土方さんの、はぁむ」
近藤の唾液を啜り、舌を窄めた唇で扱く。
「あんぅ、せいえき上のお口にほしぃです、こんどうさんのせいえき、上のお口にもください、んちゅっ」
「はぁ、すみません、んっ、お妙さんの、下のお口、上手に飲んで、ふっ、くれたから、もう、出切っちゃいました……んっ、お妙さん」
欲しがられて切なくなり、近藤は唇を重ねて深く口づけた。どんなに貶め、穢そうとも、妙は可愛らしく応え、澄んだ心で愛してくれる。
ああ、お妙さん、許してください。あなたの愛が、揺るがないものだと試さずにはいられない俺ですみません。トシ、これでわかってくれたかな。ていうか、今でも絶対ミツバ殿のこと好きじゃん?ていうか、俺、お妙さんのこと好きじゃん?応えられないってわけじゃねェけど、ミツバ殿が相手じゃ俺に勝ち目ないじゃん?それでも、そうだってんなら、ミツバ殿を愛してるおまえごと愛してやらないといけないじゃん?ってことは、お妙さんを愛してる俺ごと、トシを愛してる俺ごと、愛し合おう、うん。
絶頂の連続から解放された妙は、近藤に口づけられながら居眠ってしまい、そのまま布団に寝かされた。気持ちよさそうに眠る妙を穏やかな眼差しで眺める近藤は、長着を羽織って帯を締める。煙草を咥えた土方は、眠る妙を横目に取り出したライターをひっこめた。退散しようと障子戸に手をかけると近藤は言う。
「仕舞いじゃねェぞ」
障子を引こうとした土方の手が止まる。
「まさか」
そんなことはあるはずないと吐き捨てる土方に近藤は笑った。
「へっ、前にもそう言ったな」
そう、あれは総悟の姉の忌明けが過ぎた頃だった。近藤とふたりで昔を懐かしみながら酒に酔い、悪い遊びに興じた。機会さえあれば遊んだ。一時的な快楽が生きていることを己に知らしめる。一度やってしまえば後戻りはできない中毒性の高い猛毒。始まりは近藤の言葉だった。仕舞いではない、と。
背後に近藤の気配がしたと思ったら障子戸にかけた指に近藤の指が重なる。
「なァ、トシ?」
近藤さん、アンタ本当に恐ろしい男だよ。愛する女が可愛くないのか。いや、可愛いからこそか。
「そうだったか?」
とぼける土方に近藤は耳打ちする。
「だが、間違っても孕ませてくれるなよ」
冷静に牽制する近藤に土方は、くっと笑いを抑える。
「間違ったらどうする?」
挑発する流し目に近藤は笑う声を上げる。
「どうもしねェさ」
と、いつもの朗らかな表情で土方の肩に手を置いた。
「おまえにはその覚悟も度胸もないさ。違うか?」
「ああ、違いねェ」
土方は、くすりと笑って溜息をつく。
「ていうかさ。アンタ、ほんとムカつく男だな」
「よせよ、照れるじゃねーか」
と、肩に腕を乗せられて土方は肩を透かす。
「今のどこに照れる要素があんだよッ!」
へらへらしやがってムカつく野郎だな。俺やあの女がアンタに逆らえないことを見透かしてんじゃねェぞ!マジでムカつくなコノヤローッ!
「はぁ、私のいやらしいここに、近藤さんの、奥までください、んっ、おしりから刺激してるそこ、っぁ、前のところから入って……近藤さんの、かたくて大きいのでいっぱい突いてください……こんどうさぁんっ、はぁんっ」
障子の向こうで女の声がする。男女の情事を覗き見していた隊士たちは、土方にじろりと見下ろされ、音を立てずに慌てて散って行った。
屯所の自室をラブホ代わりにするのはやめろよ。
溜息をついて隙間が開いていた障子戸に手を掛けて引いた。部屋の中に入って障子を締める。
布団の上で男に突き上げられて達する女は声にならない嬌声を上げて体を痙攣させていた。
いきまくりかよ。近藤さんをああも邪険にしていたあの女がねえ……。
「え、トシ?」
土方に気づいた近藤は驚き、瞬きを繰り返している。
「お愉しみのところ悪いな、近藤さん。だが、俺もその女が好きなんだ」
言うと近藤は目を見開いた。
悪いな、近藤さん。もう、アンタと女を取り合いたくなんかないが、俺はその女にアンタを取られたくないんだ。
「そうだったのか……」
ぼそりと呟き、近藤は妙へと視線を戻す。腰を揺らしては自分のものを離さまいとする充血した粘膜を眺める。
「でも、もうおせェよ。お妙さんはこの通り、俺に夢中だもん」
と、根元まで押し進めた腰を揺らす。短く甘い声で啼く妙は、近藤の言うように彼に夢中だ。嬲って欲しそうに唇から舌を覗かせ、口づけをせがむ。混ざり合う唾液を啜りながら近藤が妙の舌を愛撫すると、再び妙は達する。
「んぁっ、こんどぅさんっ、はぁ、きもちいぃ、こんどぉさんのかたいおちんちん、奥に当たるの、すごくいぃのぉ」
近藤しか見えていない妙は、甘えた声で縋りつく。
「俺も、いいですよ、んっ、根元まで咥えこむお妙さんのいやらしいおまんこ、堪らないです、あぁ」
よがる妙は不意にすぐそば土方を見上げた。自分たちを見下ろすその視線に妙のいい声が鳴き止む。
「え、土方さん……?」
近藤は、静かに驚く妙の体をゆっくり回転させ、彼女の太腿を後ろから抱きかかえて土方のほうへ向いた。
「いや、近藤さんっ」
羞恥に歪む妙の顔は横へ向いた。普段結われている髪は下ろされ、細い首に汗で髪が張りついている。無駄な脂肪のない体は女性の象徴である胸さえも残念ながらありはしないが、その頂は綺麗な桜色の蕾が刺激を欲しそうに膨らんでいる。少年のような細身でありながら左右に開かれた足の間にはいやらしく濡れ光る紅い花が咲き、美味そうに肉棒を咥えこんでいる。垂らした涎は近藤の毛と袋まで濡らしていた。
「トシのやつがね、あなたに惚れているらしい」
と、近藤は妙の耳元で囁き、その耳に舌を差し込む。
「あなたのいき顔を見せてやろうかと思って……」
吐息をかけるように囁くと妙の肩が竦んだ。
「そんなの、いやです……」
「そう言わずに……。お妙さんのいいところをいっぱい擦ってあげますから、ね?」
近藤は妙の体を揺らし、硬い分身で内壁を擦った。
「あ、いや、やっ、近藤さんっ、そんなのしちゃ、ぃく、ぅあっ、そこ、おちんちん強くこすっちゃ、だめぇ、出ちゃう、ふいちゃう、んあっ、吹いていっちゃうの、だからだめ、土方さんいるのに、あふぅ、やっ、いく、だめなのにいっちゃうぅ……!あっ、あっ、やあぁんっ……!」
粟立つ肌が全身から快感をかき集め、繋がるそこで弾けた。体を弓なりにした妙のそこからは透明な液体がほとばしる。びくびくと痙攣する妙に構うことなく近藤は妙の腰を掴み直して最奥へと突き上げる。
「あっふっ、こんどぉさぁん、そんな奥ぅふかいのぉ、らぁめぇん、ふぁっ、あぁん、いいよぅ、んんっ」
突いたまま小刻みに揺らすと、その度に短い嬌声が上がり続ける。妙は完全に堕ちている。自分が姿を現すことによって僅かながら我に返ったが、すぐさま近藤に与えられる快楽に溺れた。あの梃子でも動かなかった女が、こうして目の前で痴態を晒している。
はは、やるじゃねェか、近藤さん。
こうも見せつけられては自分の出る幕はないと土方は溜息をついた。
「待て、トシ」
まだ何も発していないのに先回りされる。
「その状態で戻るのか」
「え?」
「それ」
と、顎で指された自分の下半身を見下ろす。
「俺じゃねーんだからそんなナリで屯所練り歩くなよ」
自嘲する近藤に土方は思わず鼻で笑った。
「練り歩くなと言われても、ここでアンタら眺めてても治まらないと思う。邪魔者は退散するのが筋だろ」
近藤は妙から分身を引き抜いた。妙は先程まで中に納まっていた分身を名残惜しそうに目で追う。
「邪魔なんて言ってねェよ、トシ。おまえも混ざれ」
「えっ!」
と、声をそろえる土方と妙に、近藤は笑みをこぼした。
「息ぴったりじゃねーか。実はおまえらのほうが仲いいんじゃねェのか」
「んなわけないだろ」
「そうですよ」
土方と妙は同じ表情をしている。いつだったかの市井巡廻時に出会った銀時と土方の息の合い方に同じことを言ったことがあるが、今とまったく同じ返答だった。同族嫌悪というものだろうか。
トシもお妙さんも万事屋もよく似てるところがあるからなァ。
声も控えめに笑う近藤に妙は断りを入れる。
「あの……私、土方さんとなんていやですよ……」
困惑顔の妙に近藤は頷いた。
「もちろん俺だっていやですよ、トシとお妙さんがやるのなんて絶対いやです」
「だったら混ざれだなんて……」
と、妙は土方を見やる。近藤は布団の上に腰を下ろした。開いた膝の間にこちらを向かせた妙に正座させ、軽く口づける。
「でも、お妙さんのいくとこ見てトシのやつカチカチですよ?ダメだって言いながらも目の前であんなによがって潮吹いちゃったら、さすがのトシも勃起くらいしますって」
深く口づけて妙の舌を蕩けさせて放すと、近藤は土方を呼ぶ。
「トシ」
突っ立っていた土方を見上げた視線は、妙の背後へと下がる。土方は、その目が言うまま妙の後ろで両膝を突いて腰を落とした。近づいた妙からは女の匂いがする。女を抱いたのはいつ振りだ。記憶もあやふやになるくらい前のことだ。これ以上近づくと忘れていた衝動を思い出してしまう。土方は意識しないように肩の力を抜いた。下手に動いて近藤の機嫌を損なわせてはいけないと頭の隅で思い、近藤と妙が口づけをかわす度に立てる水音をぼんやりとした視界で聞く。
俺はおあずけを食らった犬か。
時々、妙の白い背が揺れる。
「トシはお妙さんとキスすんのなしな」
妙の肩越しで念を押され、土方は溜息をついた。念を押されるまでもない。
「わァってるよ」
と、妙の背中を触れるか触れないかの微妙な距離で撫でる。びくりとした妙の尻が揺れた。妙の体を支えていた近藤の手が彼女の脇腹から下腹部へと下り、茂みを太い指が割り入る。土方の手が尻へと下りると指が尾てい骨の辺りに触れ、妙は声を上げた。
「ひぁっ!?」
妙は近藤にしがみつき、くすぐったいのかくすぐったくないのか微妙な愛撫に尻を揺らす。
「やめっ、土方さんっ」
胸と同じでそれほど豊満ではないが、柔らかそうな女の尻が左右へと揺れている。
なるほど。悪くないかもな。
土方は口の片端を上げた。
「こら、トシ。お妙さんの反応がかわいいからって遊んでんじゃねェぞ」
「よく言う……」
土方は鼻で笑って近藤と妙の顔の前に右手を差し込んだ。近藤たちの視界を遮るように指を開く。
「舐めて濡らしてくれよ。俺のが混ざるとアンタのお妙さんに悪いから」
ふたりきりの時にはない強気な土方の出方に近藤の片眉が上がったが、近藤は言われた通り土方の人差し指に舌を這わせた。倣って妙も小指に舌を這わせる。指を一本ずつ順番に舐めて行き、次に人差し指と中指を近藤が、薬指と小指を妙が口に含んだ。土方は、その右の手を妙の尻から前へとくぐらせた。涎を垂らす襞にふたりの唾液で濡れていた人差し指と中指の先をあてがい、上へと滑らせる。届いた先は、近藤の指によって露わにされていた小さな突起だった。土方はそれを指先でくすぐる。
「あぁんっ」
近藤が触れる時のようないい声が上がり、土方はくすりと笑った。
女はもういい。女はアイツだけでいい。なのに、俺は……。
妙の蜜は、土方の人差し指と中指の横から湧き出る。
近藤さん、アンタは大事な自分の女をどうしようって言うんだ。
ぬるついた粘膜に誘われるように土方の二本の指は蜜壺へ入った。指を動かすと、いやらしい水音が鳴る。もう一方の手で妙の左胸を覆うと、右胸を近藤の左手が覆った。近藤の指の腹は硬く尖った頂を転がし、もう片方の指は刺激を待っている敏感な突起をくすぐる。近藤とは違う触れ方の土方と、いつもの近藤の触れ方。どちらもいいと体が言っている。
「やぁあん」
切なげな女の声が上がった。腰はひとりでに揺れ、息を乱す。近藤が妙の左耳に舌を差し込むと、土方も妙の右の耳朶を甘噛みした。全身がざわつき、追い詰められる。妙はしがみついていた近藤の肩の上の指に力を入れた。
「いきそうですか?いっていいですよ」
優しく囁かれ、胸をときめかせた妙は甘い声を上げる。妙を探っていた土方の指が前後し、敏感なところを近藤の指に弄ばれ、妙は何度目かわからない絶頂を味わった。あられもない声を上げたような気がする。快感の余韻が引かずに思考もままならない。ただの雌に成り下がり、目の前にある二本の男根を代わる代わる咥えては舌で丁寧に愛撫する。頬を窄めて奥まで吸うと、土方は辛そうに息を詰まらせ先に果てた。
「悪い……大丈夫か?」
乱していた呼吸を整えようと、長く息をつく。謝罪と気遣う言葉には何も返さず、唇を薄く開いた。返事しようにも口が塞がっている。妙は白い液体が残る舌を覗かせながら近藤を受け入れた。呑みこみきれずに残っていた土方のものが妙の口端からあふれ出る。唾液と精液が混ざった液体を押し込むように鈴口を舌先で押し潰すと、口内で近藤が暴れた。先程よりも張りつめている。熱を持つ太いものを唇から離し、最後に舌を先端から離した。根元に触れていた右の手で力を失くした土方のものを支え、先端を舐めて濡らす。少しずつ力を取り戻す土方から一度舌を離すと、近藤の先からあふれ出る蜜をすくって土方のそこへ舌先を捩じ込んだ。そのまま鈴口をちろちろと舐めながら上目使いで見上げられ、土方は眉根を寄せた。こういうのが好きなのでしょうとでも言っているようだ。
この女……。
見透かされて悔しくはあるが、甘い溜息をつく。
俺はただ女を独占することしかできなかった。それでいいと思ってた。だが、近藤さん、アンタの女はすごいな。アンタから引き剥がそうと色目を使ってみたこともあったがなびかなかった。なのに、不本意であってもアンタの意向を汲んでる。アンタの不浄を包み込んでやがる。
すっかり勃たされた土方は正座する妙の顎下に手を伸ばした。土方のものを扱きながら近藤を咥えていた妙は顔を上げられ、近藤から離される。が、近藤はこれ以上、妙に触れられないように土方に口づけた。頭上で繰り広げられる濃厚な男同士の接吻に妙は溜息をつき、硬さを増した土方を口内で包んだ。無遠慮に唇を犯され、分身を温かい粘膜に愛撫され、腰が熱くなる。
「ふっ、んっ……やめっ、はぁ、んぅ……やめて、くれ、ぁあっ」
口づけの合間に抵抗するが、近藤と妙は構わずに土方のあふれ出る蜜を啜る。舌と分身を同時に優しく吸い上げられ、目尻から涙がこぼれた。舌は甘く痺れ、根元はきゅっと指で締められる。故意に振られる分身は射精を思い起こしてしまい、覚えている快感で思考はふやける。
「トシはお妙さんとキスすんのなしだからな」
再び念を押された。
「ああ、うん。わかってる」
素直に頷かれて拍子抜けはしたが、近藤は次を提案した。
「前はなしだからな。トシは後ろほぐしたげて」
と、腰を下ろし、妙を跨らせる。
「え、あの、近藤さん?」
「安心してください。前が俺で、後ろがトシですから」
どきりとした妙は再度確認する。
「だから、あの……」
戸惑う妙のそこに先をあてがい、ゆっくりと進ませる。突き進む太くて硬い近藤に妙は唇を開いたまま喘いだ。
「あんっ、また、おおきいの、はあぁ……」
いやらしく伸びる唾液は近藤の腹部に落ちた。奥まで届いて熱くなった膣は、急速に熱を上げる。後ろの窪みに土方の指が入ったのだ。
「ひあっ、ひ、土方さぁん、指そんな、深いのだめぇんっ」
「トシ、そこ、子宮の口あたり?」
「ああ、多分」
よがっているこちらを余所に普通に会話するふたりが恨めしい。後ろを探る指は気持ちがいいところを遠ざかり、余裕が出てきた妙は文句を言ってやろうと口を開いた。が、甘えた声が震える。
「ぁふ、やぁん、中で当たってるぅ」
近藤は気持ちよさそうな妙の顔に微笑む。
「中で?」
と、唇を重ねた。甘くねっとり口づけて唇を離すともう一度訊ねる。
「何が当たってるんですか?」
「かたいおちんちんと指ぃ」
吐息交じりに甘えた声で答える。近藤は満面の笑みを浮かべて妙の耳元で訊ねた。
「指、入ってるところにおちんちん入れてみたくないですか?おまんこにおちんちん入れて、後ろにもおちんちん。すごくいいはずですよ」
囁かれて妙はよがりながらも躊躇う。
「よくても、ぁっ、そんなの……こわい、です……んっ」
「大丈夫ですよ、トシは我慢できる奴ですから。女に無理強いなんぞしない。俺が言うのもなんだが、トシはいい男ですよ」
と、妙の肩越しに土方の目を見る。
「と言ってもあなたを渡しはしない。あなたは俺のものだ。そして俺はあなたのものだ」
近藤は視線を落とし、妙の首に口づける。
嘘ばっかり。どの口がそれを言うのよ。
自分の肩に触れる近藤の髭を感じながら妙は目を伏せた。
ずるい人。ただ、あなたは自分にとって都合のいい者をどちらも手放すことなく手元に置いておきたいだけじゃない。現に土方さんは、すでにそれを呑んでる。土方さんもずるいわよね。そんなの、こちらも呑まなきゃ負けたことになるじゃない。どうしてそんなに近藤さんのことが好きなんですか、土方さん?
妙は後ろの土方に振り返った。近藤の牽制に大人しくしていた土方は、飼い主に待てと命じられた犬のようだ。気の毒に思った妙は一息ついて土方を呼ぶ。
「土方さん、いいですよ。そんなに私のことを好きだっていうなら、あの……お尻でよかったら、どうぞ来てください」
いや、別にアンタのことは好きじゃないけど。近藤さんのためなら他の男に触られるのを許すばかりか、触ったり飲んだりできるくらいにはかなり好きなんだと見直しただけだけど。って、そんなことわかってるか。
「いいのか、近藤さん?」
「お妙さんもそう言ってることだし甘えとけ。それにお妙さんも満更でもないだろう。さっきから締めつけがすごいからな」
「満更でもって、どの程度なんだ?」
と、土方は妙の腰に触れた。背がびくりと揺れる。緊張した妙の体が強張ると近藤は息を詰まらせた。
「んっ、はぁ、お妙さん、力抜いて。そんなに体硬くしてたら入りませんよ。舌吸ってあげるから出して」
優しい声に誘われるように妙は素直に舌を覗かせた。柔らかい唇に優しく舌を食べられ、くぐもった妙の声が洩れる。妙の舌は容易く痺れ、繋がるそこも柔らかくなる。きゅっと締まっていた窪みは余分な力が抜け、土方は猛ったものをあてがった。が、すぐに離した。代わりに指を差し込む。そして近藤の裏の根元にものをあてがった。
「え、トシ?」
「滑りよくしたほうがいいかと思って。どうせアンタの玉袋までびしょびしょなんだろ?」
と、近藤の袋を濡らしている妙の愛液をすくうように突く。
「んちょっ、やめっ」
抵抗する近藤に土方は目を細めた。不意に近藤の窪みに分身をあてがう。
「じゃあ、こっちで濡らすか。こっちなら多少乱暴にしても平気だろ」
いやに落ち着いた声で言う土方に、近藤も落ち着いた声で返した。
「いや、ダメだし。そこはもうお妙さんしか受けつけねーし」
「ああ、そうかよ。じゃあ、アンタと一緒に入らせてもらおうかな」
と、近藤の裏側に雁首を当てる。
「ああーっ!こら、トシ!だめ!お妙さんの中に入れんの絶対だめ!てか、お妙さんからも言ってくださいよッ!」
近藤が妙の顔を見ると、声を上げずによがっていた。濡れた唇を開き、舌を覗かせている。
「お妙さん?」
「土方さんの指、きもちいいの。近藤さんが入ってるのに、んぁっ、はぁふぅ、指、くいくいって、あん、いいのぉ、やぁ、いくぅっ」
近藤の肩にしがみついて妙が腰を震わせると、土方は指を引き抜いた。達する直前で放っておかれ、また喪失感に切なくなって妙は尻を揺らす。
「はぁ、土方さん、お尻、きてぇ」
と、近藤の肩に額を寄せておねだりする。
「私の、いやらしいお尻に、土方さんのおちんちんください。お願いです、おしりに、ください」
素直にねだられ、土方はふっと笑った。
「なるほど。満更でもねーな」
と、肩眉を上げる。こちらにしがみついてはいるが他の男を欲しがられ、拗ねた近藤は口を尖らせた。
「トシと絶交しようかなァ……」
ぼそりと呟く近藤に、妙は控えめに噴き出した。
「何、言ってるんですか。あなたと土方さんの縁は、切っても断ち切れるものじゃないでしょう?」
くすくすと笑いながら言い、妙は近藤の首に口づける。言われてしまった土方は、薄く笑って妙へと侵入した。ゆっくりと押し進み、根元まで入ると一息つく。熱い肉に圧迫されて敷布団に突いている膝が笑いそうになる。分身を包む粘膜の快感に酔い、脂肪の詰まった尻を優しく撫でる。
ああ、いいな。女は、やっぱりいい。
背を弓なりにして肩を揺らす妙は、夢中で近藤と舌を絡ませ合っている。こちらを見向きもしない近藤に溜息をついた。
ひでェ男だな、近藤さん。アンタ、本当に酷い男だ。俺なんざ精々、アンタの女の欲を満たすだけの棒なんだろ。そして、アンタの欲を満たすだけの穴だ。いや、本当はわかってた。俺に一度も掘らせなかったのは、いつか別の新しい女のところへ行きやすくするためなんだとわかってた。だが、生憎、その気はない。女はアイツだけでいい。アイツを置いて行くと決めた時、俺はアイツしか愛さないと誓ったんだ。それは何があろうと変わらねェ。なァ、近藤さん、アンタは一体どうしたいってんだ。自分の女を壊してェのか?
「ひあっ、ぁっ、すごひぃっ、こんどぉひぁんと、ひじかたひぁんのおちんひん、当たってりゅ、ぁふっ、ひやぁ、きもちひぃんっ」
呂律の回らない妙は雌の本能のままに喘ぎ、快感によがる。
「あっ、中でぐりぐりっ、ひひゃだめぇえんっ、かたいおちんちん、ふたつ、グリグリしひゃ、らめれすぅ……!」
「んっ、どうしてですか?すごくよさそうなのに、っく……」
近藤は、上擦った声で訊ねながら最奥を突き上げて腰を引くと、ぐちゅりと卑猥な水音が鳴った。
「らって、いってるのに、またいっちゃう。近藤さんのおちんちんれいってるのに、土方さんがぐりぐりしゅるから、ひってるときに、ひぐのぉ、んんぅっ!こんどぅさぁん、そこかりゃ擦り上げたりゃ、りゃめぇっ!ひじかたさんので今、いってるのにぃっ……!」
不意にぎゅっと搾られた土方は分身に熱い血が集まるのを感じる。
「ぁあっ、悪い、ケツ緩めて、じゃなかったら、もぅ、出るっ」
どきりとした妙は力を抜こうとするが、体は言うことを聞いてくれなかった。愛液が湧き出るそこを太いもので栓をされ、それを決して放さないでいる。
「お妙さっ、あっ、俺もいきそうです、んっ、いいですか?俺とトシの、同時にお妙さんの中で出してもいいですか?」
休むことなく快感を与えられつづけ、ずっと絶頂の中にいる妙はとろんとした瞳で素直に頷いた。
「ください。こんどうさんと、ひじかたさんの、せいし、私の中にいっぱいください」
「はい、いっぱい飲んでくださいね」
気持ちよさそうに微笑む妙の額に口づけ、妙の背後にいる土方へ言う。
「トシ、いっていいぞ」
前触れなく声をかけられ、土方はびくりとした。その勢いで放ちそうになった土方は妙の尻を掴んでなんとかとどまった。
「バッカ、いくとこだっただろうがッ、急にそんなこと言うなよッ!」
苦しげに息を乱す土方に妙は振り返る。
「土方さん、いつでもいっていいですよ。この人だって、ちょっと私が甘えたらすぐにいっちゃうんですから。だから、この人のことは気にしないで。今日はあなたのストレス発散におつき合いしますから、ね?」
微笑む妙を見つめる土方は、口端を上げた。
「そうさせてもらう。さすがだな、近藤さんが惚れるだけある。だが、そんなこと言っていいのか?俺以外にもしてやれって言われたら、そいつにもしてやるのか?」
ふたりの顔が近づくのに気づいた近藤は、土方の腹に手を伸ばし、それ以上近づけないように腕をつっぱる。しかし、土方は背を屈めて更に妙へと近づいた。
「あら、心配してくださるんですか?優しいんですね、土方さんって」
にこりと微笑んで微動だに顔を反らさなかった妙の唇に土方の唇が触れそうになる。近藤は、こらやめなさい!だの、これ以上近づいたら蹴り飛ばすぞ!だのと、ふたりの接近を止めようとしている。根を上げたのは土方だった。
「そりゃァ心配くらいするだろう。男所帯に女がひとりでやって来てるんだからな」
と、顔を離して粘膜を分身で掻いた。狭いそこがぬるぬると滑る。雁に掻き出された分泌液が水音を立てた。
「あんっ」
さきほどの澄ました妙は、すぐにどこかへ行ってしまう。
「アンタ、近藤さんには気をつけろよ。不浄で薄汚ねェせこい野郎だから、んっ」
母親が娘に注意を促すようなそれに妙は心内でくすりと笑い、返事する。
「はぃ、気をつけ、ます、んあっ」
「ちょっとちょっと、君たち、ひどくね?!」
と、近藤は妙の腰を掴んで、ずんっと妙を突いた。妙を啼かせると小突きながら反撃に出る。
「んはぁ、近藤さん、小突き続けるなよ。こっちにまで響いてくんだ、よすぎてすぐにいっちまう。あ、ちょっ、まんこだけ締めて、ケツは緩めて」
「ごめんなさっ、でも、近藤さん、大きいのに、またおっきくなって、いま、おまんこいってるのぉ、だから、おしり、しまっちゃうぅ……!」
狭い圧迫が更にきゅっと締まり、出ると思った瞬間、妙の肩越しから近藤に唇を奪われ、土方は精を放ってしまった。次に近藤は、ひとりでに腰を揺らしていた妙に口づけ、合間に囁く。
「トシの精液、出てるのわかりますか」
近藤は、腰引いて妙の好きなところを突いて擦り上げ、熱くほぐれすぎている粘膜の奥へと精を放った。
「俺の、精液も、出てるの、わかりますか」
吐息交じりに言われ、すぐに唇を重ねられる。蕩ける感覚に全身が敏感になっており、自分の中で波打つ雄に体をびくつかせる。
「んっ、出てます、近藤さんと、土方さんの、はぁむ」
近藤の唾液を啜り、舌を窄めた唇で扱く。
「あんぅ、せいえき上のお口にほしぃです、こんどうさんのせいえき、上のお口にもください、んちゅっ」
「はぁ、すみません、んっ、お妙さんの、下のお口、上手に飲んで、ふっ、くれたから、もう、出切っちゃいました……んっ、お妙さん」
欲しがられて切なくなり、近藤は唇を重ねて深く口づけた。どんなに貶め、穢そうとも、妙は可愛らしく応え、澄んだ心で愛してくれる。
ああ、お妙さん、許してください。あなたの愛が、揺るがないものだと試さずにはいられない俺ですみません。トシ、これでわかってくれたかな。ていうか、今でも絶対ミツバ殿のこと好きじゃん?ていうか、俺、お妙さんのこと好きじゃん?応えられないってわけじゃねェけど、ミツバ殿が相手じゃ俺に勝ち目ないじゃん?それでも、そうだってんなら、ミツバ殿を愛してるおまえごと愛してやらないといけないじゃん?ってことは、お妙さんを愛してる俺ごと、トシを愛してる俺ごと、愛し合おう、うん。
絶頂の連続から解放された妙は、近藤に口づけられながら居眠ってしまい、そのまま布団に寝かされた。気持ちよさそうに眠る妙を穏やかな眼差しで眺める近藤は、長着を羽織って帯を締める。煙草を咥えた土方は、眠る妙を横目に取り出したライターをひっこめた。退散しようと障子戸に手をかけると近藤は言う。
「仕舞いじゃねェぞ」
障子を引こうとした土方の手が止まる。
「まさか」
そんなことはあるはずないと吐き捨てる土方に近藤は笑った。
「へっ、前にもそう言ったな」
そう、あれは総悟の姉の忌明けが過ぎた頃だった。近藤とふたりで昔を懐かしみながら酒に酔い、悪い遊びに興じた。機会さえあれば遊んだ。一時的な快楽が生きていることを己に知らしめる。一度やってしまえば後戻りはできない中毒性の高い猛毒。始まりは近藤の言葉だった。仕舞いではない、と。
背後に近藤の気配がしたと思ったら障子戸にかけた指に近藤の指が重なる。
「なァ、トシ?」
近藤さん、アンタ本当に恐ろしい男だよ。愛する女が可愛くないのか。いや、可愛いからこそか。
「そうだったか?」
とぼける土方に近藤は耳打ちする。
「だが、間違っても孕ませてくれるなよ」
冷静に牽制する近藤に土方は、くっと笑いを抑える。
「間違ったらどうする?」
挑発する流し目に近藤は笑う声を上げる。
「どうもしねェさ」
と、いつもの朗らかな表情で土方の肩に手を置いた。
「おまえにはその覚悟も度胸もないさ。違うか?」
「ああ、違いねェ」
土方は、くすりと笑って溜息をつく。
「ていうかさ。アンタ、ほんとムカつく男だな」
「よせよ、照れるじゃねーか」
と、肩に腕を乗せられて土方は肩を透かす。
「今のどこに照れる要素があんだよッ!」
へらへらしやがってムカつく野郎だな。俺やあの女がアンタに逆らえないことを見透かしてんじゃねェぞ!マジでムカつくなコノヤローッ!
誰のものにもならない男
Text by mimiko.
2015/05/01