ツイッター診断メーカー・不意打ちでキスされたー(http://shindanmaker.com/132399)のある日の診断結果「志村妙に不意打ちでキスをすると、頬を染め、潤んだ目で「な、何するんですか!」と抗議します。」をもとに、ちゅーな近妙妄想を。
総悟視点で昼間の市中見廻り中、近と沖が話してます。
総悟視点で昼間の市中見廻り中、近と沖が話してます。
不意打ちで
「なァなァ、総悟、聞きたい?聞きたい?」
とてもにこやかな表情の勲に声をかけられ、総悟は目を細めた。
有無を言わさねェぞって満面の笑み。こういう時の近藤さんって、聞きたい?じゃなくて、聞けよコラ!なんだよなァ……。
「聞きたい聞きたい、超聞きたいでさァ」
若干、面倒臭そうに返したが、勲は嬉しそうに話し出した。
「こないだすまいるでさァ……」
***
妙に水割りを差し出された勲は、隣に座る妙に笑顔で話しかけた。
「お妙さん、今日もきれいですね!」
「そうですね」
勲にいつも言われ慣れている妙は、笑顔の仮面を被ったまま答える。
「お妙さん、今日もかわいいですね!」
いつもの社交辞令で返すような返事に慣れている勲は、構わず続ける。
「そうですね」
やはり妙の笑顔の仮面は剥がれない。
「お妙さん、今日もいい天気でしたね!」
「そうですね」
「お妙さん、昨日のトトロ観ましたか!面白かったですね!」
「そうですね」
「お妙さん、先週の渡る世間観ましたか!面白かったですね!」
「そうですね」
どの質問でも変わらない答えに、勲はにやりと笑った。
「お妙さん、今、キスしてもいいですか!」
「そうですね」
と、答えている時に、妙の腰を引き寄せた勲は、そっと顎に触れると軽く顔を上げさる。
「え……?」
わかっていない妙に構わず、勲は軽く口づけ、隙を与えないように次は深く口づけた。口内を通じて伝わる妙のくぐもった声に堪らなくなり、更に深くなる。呼吸が追いつかない妙の様子に、勲はゆっくりと惜しむように唇を離した。妙は、頬を真っ赤に染め、瞳を潤ませ、勲を見上げる。
「な、何するんですか!」
***
「――とかってさァ、いいよね。いわゆるツンデレ娘のルートでグッドエンディングみたいな」
と、頬を赤くして胸の前で両手を組む勲を、総悟は瞬きを繰り返して見つめていた。
何が言いたいかわからねェし、信じられねェが、いよいよあの姐さんがマジで俺たちの姐さんになるってか?
「ていう妄想をね、お妙さんと話しながらこっそりしてたの」
笑顔の勲に、ぽかんとした総悟はすぐに溜息をついた。
「なんでェ、妄想ですかィ」
だよな、ゴリラだのストーカーだの死ねだのなんだのと言ってる男に突然、接吻されてもツンデレ娘のルートなんて入れるわけねーよな。
「でもさァ、コレってありじゃね?適当な相槌を打たせるような質問繰り返して乗せたところに」
話の途中で勲の背後から異様なほど禍々しい気を感じた総悟は、勲の背後を覗き込んだ。
「あ、姐さん」
「え?」
総悟の声に、勲は間の抜けた声とともに振り返った。そこには買い物帰りの妙がビニール袋を握り締めて俯き、殺気立たせていた。
「お、お妙さん、いつからそこに?!」
勲の顔から血の気が引く。
「こないだすまいるでさ……くらいからです」
怒りに震える妙の声に、勲は顔面蒼白。総悟は、とばっちりを受けないようにと勲から離れる。
「やっ、あ、あのですねっ」
慌てる勲の声は裏返り、俯いたままの妙に胸倉を掴まれて冷や汗は滝のように流れ出る。
「あくまで想像であって実際にそんなことは決してですねっ」
「あらァ?この手使えるよなって、ついさっき言ってたのはどこのどいつです?」
笑顔の妙のこめかみに青筋を見た勲は何も言えなくなり、目を回す。
「このストーカーゴリラがァ、人様を騙そうだなんて百年はえェんだよォォ!」
振りかざされたビニール袋を最後に見ると勲は覚悟を決めたように瞼を閉じた。が、妙は袋に入っていた西瓜に均衡を崩され、よろけた。勲が緩衝材となり、難を逃れた妙は、唇に勲の顎髭が触れていることに驚く。後頭部の衝撃から我に返った勲は、妙の無事を確認しようと顔を上げ、勲と妙の唇同士が触れた。はっとした勲は唇を離す。妙は、唇の感触に顔を熱くし、突然のことに驚き、戸惑い、瞳に涙を浮かべた。
「近藤さんっ、何するんですか!」
「あ、いや、その……」
自分の上に乗ったまま明らかに意気消沈する妙を見上げ、勲はただ謝った。
「本当にすみません」
聞き耳を立てながら遠目に二人を見ていた総悟は、首を捻った。
たとえ事故だったとしても、いつもの姐さんなら本気で半殺しにでもしそうなもんだが……。女って生き物は今ひとつわからねェもんでさァ。
とてもにこやかな表情の勲に声をかけられ、総悟は目を細めた。
有無を言わさねェぞって満面の笑み。こういう時の近藤さんって、聞きたい?じゃなくて、聞けよコラ!なんだよなァ……。
「聞きたい聞きたい、超聞きたいでさァ」
若干、面倒臭そうに返したが、勲は嬉しそうに話し出した。
「こないだすまいるでさァ……」
***
妙に水割りを差し出された勲は、隣に座る妙に笑顔で話しかけた。
「お妙さん、今日もきれいですね!」
「そうですね」
勲にいつも言われ慣れている妙は、笑顔の仮面を被ったまま答える。
「お妙さん、今日もかわいいですね!」
いつもの社交辞令で返すような返事に慣れている勲は、構わず続ける。
「そうですね」
やはり妙の笑顔の仮面は剥がれない。
「お妙さん、今日もいい天気でしたね!」
「そうですね」
「お妙さん、昨日のトトロ観ましたか!面白かったですね!」
「そうですね」
「お妙さん、先週の渡る世間観ましたか!面白かったですね!」
「そうですね」
どの質問でも変わらない答えに、勲はにやりと笑った。
「お妙さん、今、キスしてもいいですか!」
「そうですね」
と、答えている時に、妙の腰を引き寄せた勲は、そっと顎に触れると軽く顔を上げさる。
「え……?」
わかっていない妙に構わず、勲は軽く口づけ、隙を与えないように次は深く口づけた。口内を通じて伝わる妙のくぐもった声に堪らなくなり、更に深くなる。呼吸が追いつかない妙の様子に、勲はゆっくりと惜しむように唇を離した。妙は、頬を真っ赤に染め、瞳を潤ませ、勲を見上げる。
「な、何するんですか!」
***
「――とかってさァ、いいよね。いわゆるツンデレ娘のルートでグッドエンディングみたいな」
と、頬を赤くして胸の前で両手を組む勲を、総悟は瞬きを繰り返して見つめていた。
何が言いたいかわからねェし、信じられねェが、いよいよあの姐さんがマジで俺たちの姐さんになるってか?
「ていう妄想をね、お妙さんと話しながらこっそりしてたの」
笑顔の勲に、ぽかんとした総悟はすぐに溜息をついた。
「なんでェ、妄想ですかィ」
だよな、ゴリラだのストーカーだの死ねだのなんだのと言ってる男に突然、接吻されてもツンデレ娘のルートなんて入れるわけねーよな。
「でもさァ、コレってありじゃね?適当な相槌を打たせるような質問繰り返して乗せたところに」
話の途中で勲の背後から異様なほど禍々しい気を感じた総悟は、勲の背後を覗き込んだ。
「あ、姐さん」
「え?」
総悟の声に、勲は間の抜けた声とともに振り返った。そこには買い物帰りの妙がビニール袋を握り締めて俯き、殺気立たせていた。
「お、お妙さん、いつからそこに?!」
勲の顔から血の気が引く。
「こないだすまいるでさ……くらいからです」
怒りに震える妙の声に、勲は顔面蒼白。総悟は、とばっちりを受けないようにと勲から離れる。
「やっ、あ、あのですねっ」
慌てる勲の声は裏返り、俯いたままの妙に胸倉を掴まれて冷や汗は滝のように流れ出る。
「あくまで想像であって実際にそんなことは決してですねっ」
「あらァ?この手使えるよなって、ついさっき言ってたのはどこのどいつです?」
笑顔の妙のこめかみに青筋を見た勲は何も言えなくなり、目を回す。
「このストーカーゴリラがァ、人様を騙そうだなんて百年はえェんだよォォ!」
振りかざされたビニール袋を最後に見ると勲は覚悟を決めたように瞼を閉じた。が、妙は袋に入っていた西瓜に均衡を崩され、よろけた。勲が緩衝材となり、難を逃れた妙は、唇に勲の顎髭が触れていることに驚く。後頭部の衝撃から我に返った勲は、妙の無事を確認しようと顔を上げ、勲と妙の唇同士が触れた。はっとした勲は唇を離す。妙は、唇の感触に顔を熱くし、突然のことに驚き、戸惑い、瞳に涙を浮かべた。
「近藤さんっ、何するんですか!」
「あ、いや、その……」
自分の上に乗ったまま明らかに意気消沈する妙を見上げ、勲はただ謝った。
「本当にすみません」
聞き耳を立てながら遠目に二人を見ていた総悟は、首を捻った。
たとえ事故だったとしても、いつもの姐さんなら本気で半殺しにでもしそうなもんだが……。女って生き物は今ひとつわからねェもんでさァ。
不意打ちで
Text by mimiko.
2011/06/24