近→妙・銀←さち前提の近さち。
かっとなったさっちゃんが自棄になって近藤さんをラブホに連れ込んだ様子。
銀魂NL版深夜の60分一本勝負(https://twitter.com/GntmNL60m)2016/03/16(水)付のお題。

近藤勲×猿飛あやめ

 着物の袖から男の太い腕が伸びた。白いシーツで覆われたベッドに広がる長い藤色の髪の脇へとその男の手は突かれる。男が体重を移動させるとスプリングの効く音が小さく鳴る。
「あのさ、ほんとにヤるの?」
 近藤は、部屋の天井を見つめたままのあやめを窺う。
「ヤりなさいよ。男なんだからこのくらいワケないでしょ」
 瞬きを一切せずに冷たい声音で言い放つあやめに近藤の眉はひそむ。
「どうしてもヤれってんなら、まあヤるけどね、そういうことじゃなくてさ……」
と、近藤は空いていた手の平であやめの細い肩を包む。
「君さ、好きな男いるでしょう。そういう娘とこういうことするのって、あんま気が進まないってか……」
 あやめの肩に触れていた近藤の手が紅い胸当てへと移動した。硬く護られている胸からは柔らかさも温かさも感じ取れない。
「防具も外さないで……そもそも俺、無理矢理連れて来られたってのに、マグロされるってのもなァ……」
と、冷たい胸の触り心地に苦笑いする。あやめは瞬きをひとつすると、ベッドを突いたままの近藤の手を掴んだ。
「だったらわざとそっちを触っていないでこっちを触りなさいよ」
と、防具のない右の胸へと掴んだ手をやろうとする。が、近藤は苦笑したまま左手をびくりとも動かさなかった。
「折角だけど遠慮しときます。後で面倒なことになったらヤダから」
 きっぱり断られ、あやめは舌打ちをした。掴んでいた近藤の手を解放する。
「そうね、女の嫉妬は怖いからね」
「うん」
と、締まりのない顔で頷かれ、あやめは再び舌打ちをした。
近藤勲×猿飛あやめ
Text by mimiko.
2016/03/17

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