いきなり最中で2発目っぽいですすみません。

いつもより、いっぱい

 部屋にいやらしく粘着質な水音が鳴り響く。妙は体を上下させながらも酸素を欲するように開いていた唇を閉じて下唇を噛んだ。下から勲に突き上げられ、その度に嬌声が上がりそうになる。なんとか耐えては下唇を噛む。
「どう、しました?」
 息を切らした勲に訊ねられる。
「音が、いやらしくて……んっ」
「ああ……」
 勲は頷き、妙の腰に手をまわして体を起こす。膝の上の妙の背中を抱き直し、耳元で囁いた。
「妙もすごいけど、俺のもさっきいっぱい出ましたからね」
 いやに落ち着いた低い声と吐息に、ぞくりとして肩を揺らすと同時に先程よりも自分の中で熱く存在感を増している勲を締めつけた。
「ん、やぁ」
 この場から逃げてしまいたいくらい恥ずかしいのに、体は逃げるなどもってのほか、もっと欲しいと自然に腰が揺れる。勲を離さないそこがもっといい所を探ろうと勝手に蠢く。
「はっ、あぁ……」
 妙は眉根を寄せ、勲の鎖骨に口づける。
「ん、勲さん、もっと、下さい……もっと欲し、です」
 唇を離し、耳に舌を差し込む。舌先で耳をなぞって耳たぶを吸って離すと切なげに言う。
「いっぱい、あなたが欲しいの……」
 勲は、ふっと笑って頷いた。
「はい、俺でよければいくらでもあげますよ」
 微笑む勲の唇を塞ぎ、舌を追った。勲の舌に擽られると満足したように唇を離す。
「はぁ……キスもいっぱい下さい……」
 いつになく積極的な妙に勲は顔を綻ばせた。
「今日は、なんかすごいですね」
「……すみません」
「いや、俺はすっごく嬉しいんでお構いなく!」
  頬をほんのり赤く染めて喜んでいる様子の勲に思わず笑みをこぼす。
「……その……」
 妙は恥ずかしさを誤魔化すように勲の両胸に手を下ろす。硬い胸を揉むように擦りながら左胸の突起を指先で弄ぶ。
「今日は、いつもより気持ちよくて……ちょっと触られただけでも、あの……感じてしまって……それに、勲さんもいつもより大き……」
 唇に人差し指を当てられ、言うのをやめる。顔を上げると切なげな表情の勲に、どきりとした。
「ダメですよ、妙。そういうこと言っちゃあ……止められなくなりますから」
「止めなくていいです」
「だから」
「いいの、いいんです。いつも私のことを受け止めて下さっているのに私も応えたいんです。どんなあなたでも受け止めますから、私をもっと欲しがって、私をもっと好きにして下さい」
 力任せに抱き締められて驚くが、妙は身を任せるように目を閉じた。
「参ったなァ。なんでそんなかわいいこと言うかなァ。好きにしていいなんて言っちゃって、もう知りませんよ?」
「はい……」
 目を閉じたまま返事すると、突然体が宙に浮いたような気がして目を開いた。自分を抱えて、そのまま立ち上がったらしい。勲の首に手をまわさせられると体を揺さ振られた。急激な刺激に悲鳴に近い嬌声が上がる。涙を滲ませ、勲にしがみついた。
「や、急に、そんなにしないで、下さい」
「すっ、すみませんんん!嬉しくてつい……。じゃあ、ゆっくりしてきますね」
 勲は妙の様子を窺いながら徐々に揺らし出す。
「はい、ゆっく、んっ……あ、や、奥を、そんなに突いちゃ、ダメ、勲さぁ、あぁっ」
「え、そですか?突くっていうか、横に揺らしてるだけなんだけどな。突くっていうのはこういうのですよ」
と、勲は口の片端を上げて妙を上下に浅く揺らした。
いつもより、いっぱい
Text by mimiko.
2010/08/04

Pagination

Clap