回想からのいきなり合体してる銀さちえろです。
いちゃついてるのは銀さちですが銀月匂わせてます。
すでに銀さちは関係を重ねているのと、さち→←←銀→←←月な恋愛図前提なので銀さちなんだけど銀月もいける方推奨です。
えろ部分の銀さんがゲスいことを普通に言ってるので綺麗なえろをご所望の方は回れ右で。

幸福論

 男は馬鹿な生き物だ。彼に出会うまでは、そう思っていた。依頼内容はなんでもよく、頼まれたことを達成して報酬を得る。人生の大半を占める稼業が、なんでもするということは己自身に信念を持っていないのだ。つまり、個がない。坂田銀時という男も人生という旅を惰性で続けているその辺のどこにでもいる男のひとりだとあやめは思った。
 商店が並ぶ街を屋根伝いに駆けていたが追っ手を撒く際、瓦に足を取られた。高速落下しながら辿った記憶では『万事屋銀ちゃん』と看板が出ていたはずだ。何でも請け負う万事屋なぞ胡散臭いことこの上ないが、何かの足しになるかもしれないと頭の中で計算機を取り出しはしたものの、胡散臭い男の腕の中で気を失ってしまった。幸が不幸か、いや不幸中の幸いか。二階建ての屋上から屋根と天井を突き破ったが、胡散臭い男の体が緩衝してくれたおかげで命に別状もなく怪我もしなかった。何より遂行中の任務を完了させることができたのは彼の手助けがあったからこそだった。ならば幸なのだろう。
 あやめは、銀髪が付着している枕に顔を埋めた。ひどく銀時の匂いがする。
 ごめんなさい、銀さん。私、最初はあなたに個性がないだなんて思っていたのよ。少年漫画の主人公なら必殺技のひとつやふたつすでに習得しているはずの年齢なのに、卑猥な必殺技しか習得してない汚れた男だなんて思わなかった。
「ふぅ、うぅっ……」
 体の中心を捕らえられているあやめは、枕に顔を押しつけたまま呻いた。
「こら、さっちゃん、声殺せっつったけど息まで殺したらマジで死んじゃうからホントやめてッ、んッ」
 熱くぬめった肉に分身を圧迫され、あやめの尻を掴む銀時の眉根が寄る。
「いいの、銀さん逝って、んぅ」
「いや、だからいったまま逝くのおまえのほうだからッ、俺の枕返せよッ」
 背中を銀時の胸に覆われ、あやめの頭を支えていた枕が取り除かれる。
「んぁっ、ダメ銀さん、体勢変えたらまたいっちゃうぅっ、あっ、ぁああっ……!」
 絡みついた粘膜が収縮すると堪えきれなくなった銀時は、あやめに精を注ぐ。
「くッ、あぁ、もう、さっちゃっ……!」
 あやめは、まだ硬さを保つ銀時に先手を打つ。
「はぁ、ん、銀さん、ちょっと休ませて……」
 息も絶え絶えに言うあやめの腰を掴み、寝転がる。
「あ?なんで?」
 繋がったまま仰向けになった腹にあやめを乗せ、抱き締める。首に口づけながら揺さぶると、あやめは甘い声で抵抗した。
「私まだいってるから、そのまま、また動かないでッ」
「じゃあ、さっきの出すつもりなかったやつ戻してくれよ」
「そ、そんなの、ムリよ」
「なら俺もムリ。一番硬いので何回もおまえのいいところ突いてやろうと思ったのに、すっげー締めつけるんだもん。なァさっちゃん、今ので何回目?」
 あやめは前戯からを振り返ってみるが首を左右に振った。
「もう、数えられない、ぁあっ」
 腰から脇腹、腕へと肌を這う銀時の右の手の平が熱い。体中が敏感になっているあやめの肌は撫でたれただけでも粟立ち、腰を揺らす。粘着質な水音が下の方で鳴り、背中に感じる銀時の胸の体温と左耳にかかる吐息が心を擽る。
 や、もうだめ、何度もいかされすぎて墜ちちゃう、本当にただのメス豚になっちゃう。男に、銀さんに突っ込まれて悦ぶだけのメス豚になっちゃうぅ。
「数えられないくらいって、すごいなさっちゃん。あ、ほら俺の精液こぼれてきたかな」
 あやめの蜜があふれるそこに銀時の右の指が触れた。蜜を潤滑油に男根と、それを捕らえる襞の境目をなぞる。
「すげェな。俺の玉袋もさっちゃんのエロい汁で濡れてる」
 艶を含んだその声に、あやめの首筋がぞくりとする。
「やぁ、んっ」
「ほら、触ってみろよ」
 腹の上のあやめの手をそこへ導く。あやめの人差し指の上に骨ばった太い指が添えられ、くるりと一周させられる。銀時のものがみっちりと自分の中に収まっている。
「ふぁ、銀さんが、入ってる、ぁあっ」
「ああ、そうだ、入ってる。俺のちんこがさっちゃんの下の口に喰われてる。俺のちんこ美味い?」
「ん、美味しい、銀さんの硬くて大きいの、美味しい、んぁっ」
「そうか、美味いか。俺も美味いよ、さっちゃんの熱くてぐちゃぐちゃのまんこ、すげェ気持ちいい」
 吐息とともに舌が耳に差し込まれた。声をあげようと開いたピンク色の唇から覗くあやめの舌は銀時の人差し指と中指に挟まれ、それと同時に左胸の先は銀時のもう一方の指に強く摘ままれる。追い詰められたあやめの瞳からは涙が流れ、唇からは声にならない嬌声と涎がこぼれる。銀時の分身が最奥まで何度も届き、全身を貫くような快感に酔いしれると膣はひとりでに蠢動した。
「んぅん……!!
 身体を強張らせ、悦ぶ呻きが可愛らしい。この女のすべてを征服できたらば、どんなに清々とするだろうか。銀時は深く突き上げ、身体の自由を奪った女に欲を放った。
「ねえ、銀さん」
 さっさと始末をし、自分だけすっかりと身支度を整えた銀時の背に声をかける。
「なんだよ」
 熱く愛し合った直後だというのに言葉を投げつけるような口調に冷たい声音だ。あやめは小さく溜息をつくと、布団の上に散らばっている自分の下着や服に手を伸ばした。
「あなた一体、何度寝すれば気が済むの?私は銀さんのお母さんじゃないのよ?ったく何回起こせばいいのよ」
 母親の小言ようにぶつぶつ言いながら背中に両手を回して下着のホックをつける。
「こっちの台詞だ、肉便器」
「なんですって!母親を肉便器にするなんて、なんて子なの!?私はあなたをそんな息子に育てた覚えなっ、ぶむっ!」
 銀時はあやめの鼻をつまみ捻って離す。
「俺の母ちゃんじゃねーっつったのてめェーだろが、メス豚」
と、至近距離であやめを睨みつけた。
「なっ、なによ……、不良息子に凄まれたってちっともこわくないんだからねッ」
と、照れた瞳は視線を逸らす。銀時は強い苛立ちを覚えた。舌打ちをして悪態をつく。
「だったら、その不良息子をフェラーリに強制乗車させんのやめろよ。いつまでも抜けられなくなんだろが。走りたくてうずうずしてる息子に高級車与えてんじゃねェェ!」
 銀時は下着に覆われた胸の頂を指で撫でまくる。
「やっ、ちょっ、やめっ、そんなに乳首転がしちゃダメッ」
「運転巧すぎのくせに正真正銘の初心者でしたって、冗談にもほどがあるだろッ!」
「んっ、あ、両方っやめっ、んんっ、そんなの前にも言ったじゃないッ。任務で必要な時もあるからって、あんっ、修行の一環であったのッ」
 銀時は両胸を弄っていた指を止め、今度は鷲掴みした。
 じゃあ、やっぱり修行で先生のモン咥えまくりってことか。そこまでして忍者やってるくせに、なんで中出しオッケーなんだよ、このクソ女ッ!
 両胸を掴んだまま、あやめの白い肌に唇を寄せて吸いついた。赤い跡を残してあやめをじろりと見やる。
「やぁねェ、銀さん。肉便器如きに嫉妬しちゃってるの?」
 冷めた声に図星を突かれ、銀時の眉が引き攣る。
「嫉妬してねーし。なんで俺が嫉妬しなきゃなんねーんだよ。ていうか俺ってば、おまえだけじゃないからね、アイツだってアイツだってアイツだって、やったことあるし?」
「本当かしら。その割には何回発射しちゃってもガンガンじゃない。私が相手してあげるまで誰ともしてないって勢いをいつも肌で感じてるんだけど」
「なっ、んなわけねーっての、おまえが知ってるアイツともなんか最近いい感じだし?俺、おまえだけの男じゃないし?」
と、まで言って銀時は後悔する。銀時の瞳に視線を下げ、下唇を噛むあやめがうつる。敏い女だ。アイツと言っただけなのに心当たりがあり、それは当たっている。
 ……そっか、ツッキーといい感じなんだ……。なんて顔に書いてんじゃねーよ、バカ女。ホント、ムカつく女だな。プラプラしてるくせに外面でだけは俺のことが好きだの愛してるだの取り繕いやがって。やったらやったで冷てェのはそっちだろ。なのに、何回も誘いやがる。何がしてェんだよ、納豆女。外面反撃の時みてェにわめいたり、納豆みたいにねちっこく言い返してみやがれ、このメス豚。
 陰ったその表情が痛々しい。銀時の心が重くなる。傷つけたのは自分であるのに、斬られたような鋭い痛みを胸に感じる。
「……その、今のは言い過ぎた。悪かったな……」
 頭を掻きながら謝罪され、あやめは顔を上げた。
「別に」
 あやめの精一杯の反撃である冷たい一言は銀時の神経を逆撫でる。
「あァ?なんだよ、その態度」
 銀時はあやめの顎を掴んだ。眉間に何重もの皺を寄せて睨みを利かされるが、あやめのアヒル口は言葉を発しない。何かを言っているようだが聞き取れないのだ。銀時は仕方なくあやめの顔を解放した。
「そんなの、お相子じゃない。あなたと遊べるのは安全な日以外にはないの。危険な日にあなたと火遊びするほどの度胸は私にはない。あなたはそれがわかってるから私に手を出したんでしょ?」
 あやめは正面の銀時の腕の中へと自ら収まり、左肩に頬を寄せて銀時を見上げた。
「悪い男……」
 銀時の顎へ触れるあやめの指は、伸びかかった髭さえも愛おしそうに撫でる。
「でも、どんなに悪い男だったとしても、やっぱり男ってバカな生き物ね。こんな悪い女に引っかかっちゃうんだもの」
 くすりと笑うあやめの唇に銀時のそれが重なった。甘い口づけにあやめの心が濡れそぼる。頬を濡らす涙を拭う銀時の指が優しく、あやめは目を細めた。目を伏せている銀時の睫は意外と長い。
 すべてをあげられないんだから愛想をつかされるのは当然よ。相手にしてくれなくてもいいのに、なんだかんだ言いながらいつも私を慰めてくれる。利害が一致してるってことかしら。互いに都合がいい相手ともいうわね。それでもいい。この束の間の逢瀬だけは、ただの女としての幸せを目一杯感じられるんだもん。
 名残惜しむように離れる唇がとても愛おしく、切ない。
「ホントにおまえは悪い女だよ。男の純情を弄ぶ処女なんてとんでもねェ性悪女だ」
 呆れた声に溜息。いつもの調子の銀時にあやめの顔が綻ぶ。
「銀さんんんん!」
と、銀時に抱きつく。
「離れろ納豆女。納豆臭くなんだろが」
「いやよッ、離さないわッ!うふ、照れちゃってかわいいんだからァ。あんもう好きィィ!」
 顔を押し退けようとする銀時の手をものともせずに抱きつくあやめに苛立ちが募る。
 今のどこに好きだっつー要素があんだよ、ほんっとにムカつく女だな!
「ああ、もううっとうしいッ!早く服着て人間らしくなれよメス豚ッ」
 自分からあやめを引き剥がし、下着姿の彼女に服を着せる。
「……ありがとう、銀さん……」
 返事をしない銀時はあやめの胸当てを左胸にあてた。それを装着し、あやめは自らマフラーを首へ巻きつけた。始末屋猿飛あやめができあがってしまうと、自分に背を向けた銀時の股間へと手を伸ばした。
「オイ、ナニしようとしてんだ」
 そこへ届かなかったあやめの右手は銀時の手に捕えられている。
「お疲れ様っていう挨拶?」
 眉を引き攣らせているその表情にあやめは愛想笑いをする。
「挨拶?じゃねーよ、勝手に触んな痴女」
 先程の口づけで半分盛り上がってしまったことを知られるのが癪で、銀時はあやめの脇腹を擽った。
「いやっ、ちょっ、やめっ、くすぐったいからやめてッ、アハハッ、ホントやめて銀さんッ」
 笑いもがくあやめに気分をよくした銀時は首や脇やと、あやめの体を擽る。
「おまえが余計なことしようとするからだろッ、観念しろよさっちゃんオラッ」
「きゃはは、くふふっ、もう、やめ、あはははっ」
幸福論
Text by mimiko.
2014/06/13

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