いきなりぶっちゅうしてます。
どういう状況かはご想像にお任せ。

くちづけ

 口内をゆっくり犯す勲の舌は唾液をすくい、妙の舌に絡みつく。
「んっ……」
 ぞくぞくとした感覚が私の心を掴んで離さない。
 優しくて心地よくて、いやらしくて気持ちいい。
 唇を離された妙はすぐ傍の勲の唇を欲しそうに見つめながら息を吸って吐く。
 日に日にいやらしく反応する私の体。
 あなたは待ってるのね。
 毎日少しずつ教えて、私がもっといやらしい女になるのを。
 妙は頭を後ろへ倒し、勲の唇に自分のそれを重ねる。
「近藤さん、もっとして……」
 勲は眉を上げて妙の顔を見たが、口の片端を上げて笑った。
「もっとですか?随分えっちになりましたね」
 妙の顎に指を添え、唇に光る唾液を親指で拭う。
「キスも巧くなって……」
 唇の先がつく距離で妙の瞳を見つめると、ふっと笑い、顔を離した。にこりと笑って小首を傾げる。
「今度はお妙さんからもっとして?」
 笑顔の勲に仕方がないと一息つく。
「じゃあ私がしたら、その次は近藤さんからですよ?」
 目を丸くした勲はじっと見つめられ微笑んだ。
「はい、いくらでもお妙さんが欲しがるまま……」
 妙が唇を開き舌を出すのに合わせるように唇を開き、顔を傾ける。名残惜しそうに瞼を落とすと眉を寄せた。
 イヤ、まァさァ、俺が教えたよ。
 けど、なんていうの、飲み込みが速すぎなくね?
「……っ……」
 こうなってくるとさ、オジさんは焦ってくるワケ。
 今までの積もり積もった我慢がそろそろ限界に近づくよねって。
 ヤバイよなァ、そのうち俺、野ゴリラになんねェかなァ。
くちづけ
Text by mimiko.
2010/01/24

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