ツイッターでお世話になってる柚木麻樹さんのツイートネタをお借りした夫婦な近妙の甘いちゃです。続きます。
仲直り1
二組の布団を敷いた脇に寝間着姿のお妙が膝を揃えて呟くように言った。
「明日から一週間の出張ですね……」
その声は少々元気をなくしている。
「はい。なァに、一週間なぞあっという間ですよ、お妙さん」
「そうですね……」
畳の上に正座するお妙は膝の上に重ねていた手を握り直した。
「どうしました。落ち着かない?」
勲はお妙の顔を覗き込む。
「そういうわけじゃないです」
表情を読み取られるのを避けるようにお妙は視線をよそへやる。右隣りに用意していた皿が視界に入った。皿には先ほど茹でてきた板蒟蒻がのっている。いつかの新八の悩みを銀時に相談した際、教えてもらったものだ。男性の慰めになるらしい。
「……寂しいだけ」
勲は明日から留守にする。どうにか先ほど用意してきたものでその一週間を乗り切ってはくれないだろうか。
切なげな声で胸の内を打ち明けられ、勲は目を伏せた。お妙の唇に自分のそれを寄せる。が、お妙の顔はあちらへ向いた。
「私がいない時は……これ、使ってください……」
と、準備していた皿を両手に取る。勲に確認できるよう皿の上の板蒟蒻を見せた。
「え、コンニャク……?」
勲は白い皿の上の黒い蒟蒻に切れ目を見てはっとする。
「ムラムラしたからっていやらしいお店に行くなんて許しませんからね」
勲が自分にすることを他の女性にする想像を遮るよう、お妙は目をつむった。
板蒟蒻がぷるぷると揺れている。硬く目をつむるお妙の両手が震えていた。お妙の想像するようなことなどあり得ないのにと勲は眉を下げる。
「もちろんです」
お妙の嫉妬が嬉しかった。愛しい気持ちがあふれてくる。勲はお妙の持つ皿を手に取った。
「お妙さん、じゃあ今ここで試してみてもいいですか」
「え……試す?」
きょとんとしたお妙の視線に頷く。
「お妙さんがこの切れ目に俺のものを通して、コンニャクごと握って扱いてもらいたいなァと」
「な、何を考えてるんですかッ」
自分から板蒟蒻による慰めを提案しておきながら赤面するお妙がかわいらしく、勲は調子づいてからかう。
「何って、お妙さんが俺のナニをナニしてくれることしか考えてませんよォ」
「もぉ変態ッ!」
鼻にお妙の拳を受けながら締まりのない笑みをこぼす。
「ええ~、いいじゃないですかァ。前にやってみたんですが全く気持ちよくなかったんですよねェ。コンニャクをお妙さんに見立ててみたけどどうやってもコンニャクはコンニャクでしかなくて本物のお妙さんには敵わねェなって。でもお妙さんにコンニャク扱きしてもらうなら気持ちいいだろうなァなんて思っ……」
「作ったことあるんですか?」
落ち着いた声で訊かれて勲は乾いた笑いをこぼす。
「だってほら、俺はもうお妙さんなしではいられないから……。ひとりでやってても刺激が足んないというか……出来心です、すみませんッ」
勲は正座し、頭を下げだ。そんなに畏まって謝る必要もないのにとお妙はひと息ついた。
「別に構いませんよ。私が一番だと思ってくれたんでしょう? それなら問題ありません」
と、自分の布団に入る。枕を調節して目を閉じたお妙はおやすみなさいと呟く。
「え、コンニャクは?」
「作ったことあるんでしょう?それなら明日から実践できるじゃないですか」
目を閉じたまま答えられ、勲はお妙の枕元で正座し直す。
「いやいや、ちょっとお妙さん。ひとりでしてもそんなよくなかったって言ったよね俺。だから、お妙さんの白魚のような美しい手によってコンニャクもいけるよって上書きしてもらいたいんですって」
「おやすみなさい」
再び休むと宣言され、勲は肩を落としながら布団へ入った。
「お妙さん……おやすみなさい……」
あからさまに元気がなくなった声にこらえきれず、お妙はくすくすと笑った。隣の勲の布団へ潜り込み、自分の身を勲の体へ密着させる。
「ごめんなさい、勲さん。始まっちゃったんです」
「……そうでしたか……」
お妙は温かい勲の胸に頬擦りしながら言う。
「勲さんのことだから、最終的にコンニャクより私がいいって言うでしょう? でも今日はダメだから……」
と、お妙の左手が胸から腹へと下がった。
「お妙さん……?」
腹へと下がった手は寝間着の帯を越え、下腹部へ行く。
「え、ちょっ……」
寝間着の上から撫でられて勲は体をこわばらせた。
「あら? どうしてもう膨らんでるんです?」
答えを待つことなく勲の腰を跨いで口づけた。お妙が舌を侵入させると勲のそれが応えるように絡みついた。同時に背中を抱き締められ、お妙の鼓動が跳ねる。
「ん、だめ……」
唇を離すと今度は自分から口づけようと勲の頭が動く。お妙は咄嗟に唇を固く閉じた。お妙の閉じられた唇を舌で撫でた勲は目の前の唇が開かれるのを待っている。
「今日はダメだから気持ちよくしないで、お願い……」
いつも以上に触れ合いたい。明日から一週間、顔を見れないのだから。しかし、今日はお妙の月のもので繋がることは叶わない。せめて彼だけでも気持ちよくなってくれればそれでいい。なのに、加減することなく口づけられてしまっては堪ったものではない。叶わないのに繋がりたいと思ってしまう。
切なげなお妙の表情を目に焼きつけた勲はその目を閉じた。彼女の切なさが伝わってくる。
「わかりました。……すみません……」
今日はもう休もうと心に決めた勲だったが、お妙は一向に自分の上から退かなかった。
「お妙さん?」
そろりと目を開く。見ると掛け布団は剥ぎ取られており、自分の足の間にお妙が行儀よく正座していた。はだけた寝間着の下、トランクスのゴムにお妙の指がかかる。勲は下着を脱がされるのを阻止しようと咄嗟に股間を押さえた。
「ちょッ、今日はダメだから気持ちよくしないでッ、お妙さんッ、お願いッ」
「だぁめ♡」
「あッ、ちょ、やめてッ俺のバナナ喰うのやめッ、アっ、そんな舐めッ、んッ、吸うのもダメだってッ……!」
「明日から一週間の出張ですね……」
その声は少々元気をなくしている。
「はい。なァに、一週間なぞあっという間ですよ、お妙さん」
「そうですね……」
畳の上に正座するお妙は膝の上に重ねていた手を握り直した。
「どうしました。落ち着かない?」
勲はお妙の顔を覗き込む。
「そういうわけじゃないです」
表情を読み取られるのを避けるようにお妙は視線をよそへやる。右隣りに用意していた皿が視界に入った。皿には先ほど茹でてきた板蒟蒻がのっている。いつかの新八の悩みを銀時に相談した際、教えてもらったものだ。男性の慰めになるらしい。
「……寂しいだけ」
勲は明日から留守にする。どうにか先ほど用意してきたものでその一週間を乗り切ってはくれないだろうか。
切なげな声で胸の内を打ち明けられ、勲は目を伏せた。お妙の唇に自分のそれを寄せる。が、お妙の顔はあちらへ向いた。
「私がいない時は……これ、使ってください……」
と、準備していた皿を両手に取る。勲に確認できるよう皿の上の板蒟蒻を見せた。
「え、コンニャク……?」
勲は白い皿の上の黒い蒟蒻に切れ目を見てはっとする。
「ムラムラしたからっていやらしいお店に行くなんて許しませんからね」
勲が自分にすることを他の女性にする想像を遮るよう、お妙は目をつむった。
板蒟蒻がぷるぷると揺れている。硬く目をつむるお妙の両手が震えていた。お妙の想像するようなことなどあり得ないのにと勲は眉を下げる。
「もちろんです」
お妙の嫉妬が嬉しかった。愛しい気持ちがあふれてくる。勲はお妙の持つ皿を手に取った。
「お妙さん、じゃあ今ここで試してみてもいいですか」
「え……試す?」
きょとんとしたお妙の視線に頷く。
「お妙さんがこの切れ目に俺のものを通して、コンニャクごと握って扱いてもらいたいなァと」
「な、何を考えてるんですかッ」
自分から板蒟蒻による慰めを提案しておきながら赤面するお妙がかわいらしく、勲は調子づいてからかう。
「何って、お妙さんが俺のナニをナニしてくれることしか考えてませんよォ」
「もぉ変態ッ!」
鼻にお妙の拳を受けながら締まりのない笑みをこぼす。
「ええ~、いいじゃないですかァ。前にやってみたんですが全く気持ちよくなかったんですよねェ。コンニャクをお妙さんに見立ててみたけどどうやってもコンニャクはコンニャクでしかなくて本物のお妙さんには敵わねェなって。でもお妙さんにコンニャク扱きしてもらうなら気持ちいいだろうなァなんて思っ……」
「作ったことあるんですか?」
落ち着いた声で訊かれて勲は乾いた笑いをこぼす。
「だってほら、俺はもうお妙さんなしではいられないから……。ひとりでやってても刺激が足んないというか……出来心です、すみませんッ」
勲は正座し、頭を下げだ。そんなに畏まって謝る必要もないのにとお妙はひと息ついた。
「別に構いませんよ。私が一番だと思ってくれたんでしょう? それなら問題ありません」
と、自分の布団に入る。枕を調節して目を閉じたお妙はおやすみなさいと呟く。
「え、コンニャクは?」
「作ったことあるんでしょう?それなら明日から実践できるじゃないですか」
目を閉じたまま答えられ、勲はお妙の枕元で正座し直す。
「いやいや、ちょっとお妙さん。ひとりでしてもそんなよくなかったって言ったよね俺。だから、お妙さんの白魚のような美しい手によってコンニャクもいけるよって上書きしてもらいたいんですって」
「おやすみなさい」
再び休むと宣言され、勲は肩を落としながら布団へ入った。
「お妙さん……おやすみなさい……」
あからさまに元気がなくなった声にこらえきれず、お妙はくすくすと笑った。隣の勲の布団へ潜り込み、自分の身を勲の体へ密着させる。
「ごめんなさい、勲さん。始まっちゃったんです」
「……そうでしたか……」
お妙は温かい勲の胸に頬擦りしながら言う。
「勲さんのことだから、最終的にコンニャクより私がいいって言うでしょう? でも今日はダメだから……」
と、お妙の左手が胸から腹へと下がった。
「お妙さん……?」
腹へと下がった手は寝間着の帯を越え、下腹部へ行く。
「え、ちょっ……」
寝間着の上から撫でられて勲は体をこわばらせた。
「あら? どうしてもう膨らんでるんです?」
答えを待つことなく勲の腰を跨いで口づけた。お妙が舌を侵入させると勲のそれが応えるように絡みついた。同時に背中を抱き締められ、お妙の鼓動が跳ねる。
「ん、だめ……」
唇を離すと今度は自分から口づけようと勲の頭が動く。お妙は咄嗟に唇を固く閉じた。お妙の閉じられた唇を舌で撫でた勲は目の前の唇が開かれるのを待っている。
「今日はダメだから気持ちよくしないで、お願い……」
いつも以上に触れ合いたい。明日から一週間、顔を見れないのだから。しかし、今日はお妙の月のもので繋がることは叶わない。せめて彼だけでも気持ちよくなってくれればそれでいい。なのに、加減することなく口づけられてしまっては堪ったものではない。叶わないのに繋がりたいと思ってしまう。
切なげなお妙の表情を目に焼きつけた勲はその目を閉じた。彼女の切なさが伝わってくる。
「わかりました。……すみません……」
今日はもう休もうと心に決めた勲だったが、お妙は一向に自分の上から退かなかった。
「お妙さん?」
そろりと目を開く。見ると掛け布団は剥ぎ取られており、自分の足の間にお妙が行儀よく正座していた。はだけた寝間着の下、トランクスのゴムにお妙の指がかかる。勲は下着を脱がされるのを阻止しようと咄嗟に股間を押さえた。
「ちょッ、今日はダメだから気持ちよくしないでッ、お妙さんッ、お願いッ」
「だぁめ♡」
「あッ、ちょ、やめてッ俺のバナナ喰うのやめッ、アっ、そんな舐めッ、んッ、吸うのもダメだってッ……!」
仲直り1
Text by mimiko.
2016/11/09