昼間から下ネタガチガチですすみません。
志村家の前をいつものように通りかかった近藤さんが、水巻をしていたお妙さんに(わざと)水を掛けられてしまい、庭で濡れた隊服を干して乾かしてます。
庭にいる人→お妙さん、近藤さん
あとから出てくる人→新八、銀さん

立派なモノ

「まあ、すごーい。太くてとっても硬いわァ」
「あ、はははは。そですか?」
「ええ、すごいわ。こんなに立派なモノになるものなんですね。新ちゃんにも見習わせなくちゃ」
「いや、新八くんは新八くんで、とってもいいモノ持ってますよ。このくらいならすぐになれると思います。何てことはありません」
「そうかしら。ひとり部屋に籠って……あれはきっとお通ちゃんのことかしら?何を考えてるか知らないけれどシコシコシコシコ……。ちっとも鍛えてないはずよ」
「いやいや、新八くんは努力を怠らん男です。そんなに心配なさらなくてもきっと立派な侍になりますよ!しかし、お姉さんにこんなに心配してもらえる新八くんは非常に羨ましいですなァ、ハッハッハッ」
「あら!おしゃべりしながらでもそんなにピクピク動かせるものなんですか?」
「ええ。俺の場合、無意識にやってるってこと多々ありますね!」
***
「放して下さい、銀さん。姉上の貞操があのクソゴリラに奪われてしまおうとしてるんですよ」
「野暮なことはやめてやれよ。こんな昼日中にあんな大胆な会話するくらいだ。お妙もそれ相応のつもりなんだろうよ。というか、お妙の方が面白がって握ってんじゃねーの?」
「なんですかソレ!握ってるとか生々しいこと言うのやめて下さいよォ!まるで姉上の方がやる気満々みたいじゃないですかァ!」
「いや、だから話の流れ的に、ゴリラの太くて硬いモンがピクピクしてる様をおめーの姉ちゃんが喜んでるんだろ?やる気満々じゃねーか。というか、んなデケー声出すなよ。俺らがいるのバレるだろ」
「て、なんで僕らが隠れてなきゃいけないんですか!ゴリラのくせに他人ん家の庭で真昼間から公然わいせつなんて警察が許しても僕ァ許しませんよォォォォ!」
「あーあ、キレちまったよ……」
***
 塀に身を潜めていた新八が声を荒げながら姿を現せると、縁側に腰掛け、上半身裸の近藤の腕の筋肉を撫でていた妙と、かき氷の器を持ちながら、もう一方の匙を持つ手で筋肉を指していた近藤がこちらを向いた。
「あら?新ちゃん?」
「ん?新八くん?」
「え、アレ?」
 自分が想像していたあれやこれやのことがひとつもなかった新八は妙と近藤を見たまま固まっていた。その後ろから新八を追い抜いた銀時は、頭を掻きながら二人の方へと行く。
「なんだ、もうやってたのかよ、かき氷」
「銀さん、どうしてここへ?」
「どうしてって、えれーご挨拶だなァオイ。ぱっつぁんがかき氷食ってけっていうから寄ったんだよ。お妙、俺、苺な」
「あ、はい、ちょっと待ってて下さい」
 妙は台所へ向かい、銀時は近藤の横へどかりと腰掛け、近藤を見る。
「んで?ゴリラはなんでそんなカッコなの?」
「ああ、これは……たまたまお妙さん家の前を通りかかったら、バケツで水巻きしてたお妙さんにバシャッとね。運良く上半身だけで済んだんだが、いくら季節前倒しで暑いと言ってもさすがにそのままじゃあ風邪を引くでしょう、制服乾かしてあげますからって。やっぱお妙さんは優しーよね!んで、待ってる間にかき氷頂いてたの」
「あ、そうなの、ははは。」
 どー考えてもバケツで水巻きはないだろ。全身濡らすと全部脱ぐことになるから、それは危ないってんで上半身だけ狙ったのか。しかし、いくらゴリラ相手だからとはいえバケツって……お妙のヤツ、機嫌わりーのか?
「だとよ、ぱっつぁん」
 経緯を聞いた新八は肩を落としながらやってくると近藤の横へ座った。
「どうしたんだ、新八くん。なんか疲れてる?さては夏でもないのに、すでに夏バテか?そんなことではいけないぞ!お妙さんも言っていたが、君も俺のような体になれるよう肉体改造するか?何、心配いらない未来の義弟よ!俺にドンとまかせておけ!」
「……そーですねー……」
 近藤は、力なく相槌を打つ新八の表情を窺う。
「え、俺別に今後の天気とか言ってないよ?グラサン掛けたお昼の司会者じゃないよ?」
「ちげーよ、ゴリラ。ぱっつぁんのヤツおまえらの会話聞いて誤解したの」
「誤解?」
「太くて硬いモンがピクピクしてるのをお妙が喜んでるってすっげー落ちこんでたの」
「太くて硬いモンがピクピク……?」
 呟き、首を捻った近藤は、はっとして頬を赤くした。
「あ、ソッチに誤解したの?」
「だからそっとしといてやれ」
「ははは、そっか、ははは……。ごめんな新八くん」
「別に。アナタに謝ってもらう筋合いはこれっぽっちもありませんから。」
 台詞を棒読みするような口調で返され、近藤は苦笑した。
 やがて妙が台所から戻って来ると新八は妙に耳打ちをし、妙は縁側から近藤を蹴落とした。
「ちょっお妙さん、なんでどしてェェェ?!
「知りませんっ!」
「お妙さんんんん?!
 縁側に手を掛け、なんとか起き上がった近藤は涙目で妙に声を掛けるが返答はなく、妙は部屋へ入ってしまった。気の毒に思った銀時は新八に、こそこそと訊ねる。
「オイ、新八。お妙に何言ったの」
「姉上に腕が太くて硬いって感心された時、近藤さんはアレを触られてる想像したって言っときました」
 近藤は泥だらけのまま啜り泣く。
「うっ、そんな、新八くん、っく、ヒドイ……ぐずっひっく……」
 今回はゴリラの方がかわいそうだな。成仏してくれゴリ。
 銀時は近藤へ向かって静かに手を合わせた。
立派なモノ
Text by mimiko.
2010/06/22

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