妙近妙えろです。
土に嫉妬してます。近←土を察知してます。
銀に嫉妬してます。両刃使い総攻め銀前提銀近を察知してます。
近土だったり銀近だったりで近に嫉妬してた妙なのに、近のちんこにすっかり懐柔されて結局甘くなってしまった妙近妙です。
近藤さん、まんこって普通に言ってます。
男性向けの成年漫画仕様になってます。最終パートは強気キャラ女子であるお妙さんがにくどれいちゃんになってるのでそんなの見たくないという方は回れ右でお願いします。
要するに下衆野郎勲しか得してないです。
まあ下衆野郎勲でしかないんだけど隊士たち間でまわしたりとかはしてないです。お妙さん好き好き大好きなのは揺らぐことのない事実です。
以上、ご注意を。
土に嫉妬してます。近←土を察知してます。
銀に嫉妬してます。両刃使い総攻め銀前提銀近を察知してます。
近土だったり銀近だったりで近に嫉妬してた妙なのに、近のちんこにすっかり懐柔されて結局甘くなってしまった妙近妙です。
近藤さん、まんこって普通に言ってます。
男性向けの成年漫画仕様になってます。最終パートは強気キャラ女子であるお妙さんがにくどれいちゃんになってるのでそんなの見たくないという方は回れ右でお願いします。
要するに下衆野郎勲しか得してないです。
まあ下衆野郎勲でしかないんだけど隊士たち間でまわしたりとかはしてないです。お妙さん好き好き大好きなのは揺らぐことのない事実です。
以上、ご注意を。
三番目の女
あの人が一番大事にしている物に嫉妬しても仕方がないと思ってはいるのよ。だって、人じゃないもの、物だもの。いっそのこと、解体でもすればいいんじゃないかしらなんてことは町娘の私には言及できる権利がないことはわかっている。ただ、それを代表する者としてなら、すぐに思い浮かべられる。あの人の右腕。女房役とでも謂ったほうがしっくりくるかしら。土方十四郎。あの人に纏わりついて私を邪険にするニコチンマヨネーズ中毒者。あの人は、なんであんな男を傍に置いているのかしら。夜のお相手でもさせていたりするのかしら。若い女性ならあの男の美貌の虜になるんでしょうがね、生憎、私はあんな綺麗な男は好みではないのよ。あの男、たまに私を見る目がおかしいのよね。こちらを誘うような目つきをしたかと思えば、あの人の背中を熱い眼差しで見つめてる。まるで女のように見つめていた。したたかな男。自分の性を武器にしてまで邪魔者を排除しようとする恐ろしい女のような男。その男があの人の一番大事な物に属しているから余計に苛立つのかもしれない。ねえ、土方さん。そんなにあの人のことが好きなんだったら、赤ちゃんができる体に生れればよかったのにねえ。かわいそうな人。あの人は、女好きでしょう?残念なことでしたね。
次に大事にしている物にも嫉妬したわ。腐れ縁だなんて称している仲間。銀さんと仲がいいんですねって話していたら、ただの腐れ縁だって笑った。とても楽しそうだった。もともと真選組で多くの人に囲まれている人だから、人と仲良くなるのなんて容易いことなんでしょう。私もよくは知らないけれど、その正体は伝説の攘夷志士というのに、敵味方関係なしに仲良くなるなんて、どうかしてる。あの人の好さを利用してあの人の財布を自分のものとしている万年金欠ちゃらんぽらん侍と懇ろになんて誰がなるものですか。最低よね。酔っていたとはいえ、何度も何度もしつこく誘ってくる。どうしてニート侍に私の大事な初めてをあげなくちゃいけないのよ。いくらお金を詰まれようともお断りだわ。
『そうは言うがよォ、お妙。あのゴリラ、俺ともやったんだぜ。だからァ、俺とおまえがやりゃ、おまえとゴリラも穴兄妹っつーわけだよ、いいだろォ?しとこうぜェ?』
耳を疑ったわ。どうして銀さんとあの人がそういう関係になってるのよ。でも、よくよく考えてみると思い当たる節があった。銀さんが長谷川さんと一緒に夜の街へと消えていくのを何度となく見かけた。男だから女だからというのは銀さんにとって重要なことじゃないってことなのね。猿飛さんが気の毒だと思ったけれど、銀さんがのうのうと私を誘ってくるだけに猿飛さんとも関係しているのかもしれないと思い直した。マゾ気質な彼女だから、そういうことも含めて愉しんでいるのかもしれない。でも、私はお断りよ。初めてをあげる人と添い遂げる。その人だけ知っていれば、それだけで充分。遊ぶ気なんてない。約束された不自由のない生活に安定感。ないよりもあったほうが、断然いいもの。
あげるなら、あの人だけなのよ。なのに、あの人は、あちらにもこちらにもいい顔をする。そんなにみんなの愛を受け入れなくてもいいでしょう?あなたが好きなのは私でしょう?ケツ毛ごと愛すと言った私を選んだのはあなたのはずなのに、どうしてみんなの愛を受け止めるの?どうしてそんなにお尻が軽いの?あなたは私だけを愛していればいいのに。何も真選組や仲間を捨てろと言っているんじゃないのよ。穢れた欲であっても子供を生せる神聖な行為は、あなたが愛してやまない女である私とすべきなのよ。
***
我が家にも、店にも、姿を現さなかった近藤が数週間ぶりに我が家の軒下に潜んでいた。勤務先の売上成績の落ち込み具合に文句を言ってやろうと思ったのは姿を見なくなって一週間たったころだった。客である近藤に文句を言うのはお門違いだが、一言言えば次の来店時には多く注文を入れてくれる近藤が常であっただけに、今回もそのつもりでいた。が、近藤が留守の間、土方のことや銀時のことを思い返して嫌な気分になったことのほうが許せなかった。顔を見るなり張り倒したら勢い余って仰向けに倒れた近藤の上へと倒れかかってしまう。畳に打ちつけた後頭部を擦りながら体を起こす近藤は、膝の間にいる妙の怪我を気遣いながら、そっと掴んだ右腕を引き上げる。
「膝とか大丈夫ですか?すりむいてません?」
畳の上で勢いよく走るものではないと注意しようとした近藤の正面で、妙は着物の裾を捲って両膝を見た。皮膚は擦られ、僅かであるが薄く皮が捲れて血が滲んでいる。
「少しだけ血が出てます……」
膝を見ながら呟く妙の視線が近藤の顔へと移った。こちらを見たまま固まっている近藤の驚いた目に可笑しくなり、妙はくすりと笑った。
「どうしました、近藤さん?」
声をかけられて我に返った近藤は、妙から視線を逸らす。
「あ、いや、何も……。消毒しましょうか。救急箱ってどこにありま……!?」
立ち上がろうと畳に手を突いた近藤に片足を伸ばした妙は、袴越しにそれへと触れた。命の源であるふたつの大事なものを右の足指で押し上げる。びくりとした近藤は、視線を妙へと戻した。
「お、お妙さん?何してるんです?」
「え、何って?」
とぼけながら足指を離すと近藤から安堵の溜息が洩れた。妙は含み笑いを浮かべながら先程よりも足を上げた。袴でわかり辛かったが、すでに反応していたらしい。その形状を足の指で辿って理解すると妙は笑みをこぼした。簡単な男だ。ほんの少し膝を見せただけなのに、もうこんなにしている。
「あの、そんな触り方せんでください。蹴るならさっさと蹴り上げてください」
「そんなことしませんよ」
と、妙は右の膝上に折り重ねていた左膝を起こし、左足も近藤へと伸ばした。先程触れたふたつを指で押し上げた。右足は立ち上がったものを擦ろうと動き、妙の下着が見えてしまう。眉根を寄せた近藤は、顔を逸らした。
「近藤さん?」
妙に訊ねられても近藤は横を向いたままだ。
「あ、見えちゃいました?」
にこりと笑った妙は、近藤から両足を引いた。
「近藤さん」
と、近藤の右手を両手に取る。
「消毒はもういいですから、かわりにすりむいたところを舐めてくださいませんか?自分では舐めにくい角度だし……」
「それならやっぱりちゃんと消毒したほうがいいですって。唾液で消毒なんて不衛生ですし」
「不衛生?」
近藤からでた言葉に妙の眉が上がった。男同士でいかがわしいことをしておきながら、よくもまあそんなことが言えたものだ。
「そうかしら。昔から云われていたことだし、かすり傷程度でそんな大層にしなくてもよくありません?わたしも子供の頃、剣の稽古をした後なんかはかすり傷だらけで自分でよく舐めてましたし」
と、近藤の右腕の袖を捲るように肘まで撫でた。筋張った前腕には古傷がいくつか大小とあり、妙は比較的大きな傷跡に口づけたまま舌先を動かす。盛り上がった傷跡をなぞろうと唇を離して舌先で追う。美しい唇から覗く赤い舌が自分の肌をなぞっている。近藤は眉根を寄せた。妙の舌が離れ、ほっとするが別の傷跡へと行く。
「ん……、近藤さん、傷いっぱいですね……」
傷跡は死地を乗り越えた証だ。近藤が銀時と決闘をすることになったあの日を妙は思い出す。さすが自らが言い出しただけある。あの落ち着きぶりとこの傷の数に、近藤という男の生命力の強さと、その強い男性に魅かれていることを実感する。
「っ、俺のはもう血なんて出てませんから、いいです」
近藤は、自分の腕に触れる妙の右手を掴んだ。眉を寄せ、唇を結んだ近藤は空いていた手で妙の背中を抱き、掴んでいた右手を畳へと縫いつけた。膝で立ち、背を屈めて立たせた妙の両膝に滲む血を舐めとる。妙の素肌に触れる近藤の熱い舌はすぐに離れた。極めて微量であり、血の味などしなかったが女の体液を舐めとり、分身は着物の下で膨らみを増す。これ以上は無理だ。今ならまだとどまれる。近藤は妙から体を離した。
「消毒しときましたよ」
と、近藤は腰を下ろしながら妙の着物の裾を直す。
「いいえ、消毒は終わってません」
妙の言うかすり傷の消毒は今しがた終えたはずだがどういうことだろうと、近藤は妙を見た。
「近藤さんの傷の消毒、終わってません」
と、妙は正座する近藤の袴紐を解いた。袴を脱がせ、腰の後ろへ手を回して顔を近藤の腹部にうずめる。
「ちょっと、あの、お妙さん」
慌てた近藤の声がしたが妙は構わず、近藤の匂いと筋肉の硬い弾力に包まれながら帯紐を解く。その帯紐を手にすると妙は近藤の両腕を胸の前で縛り、腰を跨ぐと自由がきかない近藤を押し倒した。
「え、これ、何、どういうこと、お妙さん」
「感じても、私に触らないでくださいね」
妙はにこりと笑った。両膝を舐められた時のことを思い出し、一息つく。あんなふうに体中舐められたりすれば、土方や銀時が触れたことろの消毒など完了させられないだろう。残っている舌の感触が体の中心をぞくりとさせる。ざわついた感覚が胸に迫り、妙は近藤の縛った両腕の中へ潜りこんだ。嫌でも妙を抱き締める形にしかできない腕に、近藤の眉根が寄る。顔が近づいてきたと思いきや唇に軽く口づけられ、妙の頭が下がった。
どういうつもりだと近藤の眉間に皺が寄る。傷跡を見つけては舐める妙の本心がわからないのに分身は反応する。変な声を上げないでいるのが精一杯だ。小娘にいいようにされて自尊心が崩れかかる。普通に考えれば度の過ぎたいつもの触れ合いも、こちらが受け入れている前提でいたからこそだ。一方的な辱しめは隆辱でしかない。しかも相手はこちらが好いている娘だ。嫌よ嫌よとじゃれているだけだと思っていても、それは彼女の本心であるかはわからない。
妙は硬くなろうとしていた両胸の突起に指で触れた。体を揺らした近藤は息を飲む。が、追い打ちをかけるように硬くなった乳首を口に含まれる。
「んっ……!」
洩れた声に近藤は赤面した。
「男の人も乳首って感じるんですね……」
と、もう一方の胸の突起を舌で転がす。水音が小さく立ったかと思えば吸いつかれ、甘い吐息が洩れる。片側も同じように吸われ、また甘い息が洩れた。頬を赤くし、目は少し潤んでいる。大の男とは思えない表情ににこりと微笑む。嗜虐心を煽られるとはこういうことをいうのだろうか。自分より強い者を虐げ、苛めることを愉しみたい。常日頃、近藤は自分の攻撃を受け止めている。来る日も来る日も飽きることなく。近藤を伸すとそれなりに達成感はあったが、それとは違う。今日はもっと深部を攻撃することに成功している。いつもにこにこ笑っている近藤の表情を歪ませている。
妙は近藤の傷跡を追いながら胸から腹、下腹部へと口づけを落としながら頭を下げた。尻の毛を気にしていただけに毛が生えている範囲は広いのだろう。太腿にまで広がっている。毛の生い茂る根元に手を添え、立ち上がっているそれに口づける。
「はっ、ちょっ、お妙さんっ!待ってっ!」
「どうしました?」
不思議そうな顔で覗きこまれ、近藤は恥ずかしさで視線を逸らす。どこのアダルトビデオだ。男のものの向こうに顔立ちが整った女性がいる。
「あの、これ、どういうプレイですかっ」
小首を傾げられ、近藤は訊ね直す。
「あっ!噛まれるとかですかっ、それはさすがに痛いから勘弁してくださいっ、蹴られるほうがまだマシなんでそれで許してくださいっ」
「そんなこと、しませんよ?」
と、傾げていたほうとは逆のほうへ小首を傾げ直した。
「えっ……!じゃ、じゃあ、あのこれって、どういう……」
同じ質問がまた出てしまう。
「消毒ですけど」
と、近藤の後ろの窪みに触れる。分身は波打ったあとに硬く立ちあがった。
「ちょっ、何し、あっ」
妙は肌に張りつくように毛が生えている周囲からそこへと舐め上げる。
「やめっ、ん、そんなこと、せんで、はぁ、お妙さっ、ん」
敏感すぎるそこは近藤の腰をひとりでに揺らした。まるでどこのアダルトビデオだ。女性のような反応に目を細め、妙はひくついている窪みに中指をゆっくりと差し込んだ。
「ぁあっ、ダメだ、お妙さん、はあぁっ」
指で探って近藤の声が上がったところを刺激する。先端からは透明な蜜が溢れ、妙はそれを吸い取り、先を口に含んだ。近藤の足が震えている。達してしまいそうなところで解放され、近藤は呼吸を整えながら訊ねた。
「あの、消毒って、どういうことですか?」
「知っているんですよ、私。あなたが男同士でいかがわしいことをしてるって知ってるんです」
声には出していないものの、開いた口が『えっ』と言っている。
「土方さんとも銀さんとも仲良くしてらっしゃるんでしょう?」
しばらく間があった。悪びれる様子もなく、近藤は真顔で言う。
「あんなのは、ただの抜き合いですよ」
妙は自分の耳を疑った。銀時とのことならばそうなのかも知れないと考えられなくもない。だが、土方とのことはそうではないと感じている。本当に土方の気持ちに気づいていないのだろうか。気づいても知らぬふりをしているのだろうか。いずれにせよ『ただの』という言葉で片付けられないはずだ。自分はいつの間にか近藤を美化していたのだろうか。だとしたら、最悪だ。
「ただの抜き合いだというのなら、私としてもいいんじゃありません?」
「え、いや、それはまずいですよ。俺はそんなことのためにあなたを汚したくない。それに結婚するまではしないつもりです」
どの口が『そんなこと』と言ったのだ。相手は他の女というわけでもないのだから浮気ではないとでも言いそうだ。最低だ。
妙は近藤の着物の裾を捲り、褌を弛めて布を横へやった。解放されたそれは上へと起きる。妙は自分の下着を脱ぐと、再び近藤に跨った。心の底から怒りが湧いてくる。自分は近藤の何を見ていたのだろう。近藤のことだから考えるまでもなく、彼の目には自分は『美しいもの』として映っているはずだ。そんなのは御免だ。
「お妙さん、それはダメだ」
「ダメじゃありません」
と、近藤の分身に手を添えた。濡れ光る先の小さな口に指の腹を当て、滴る液体を塗り広げるように撫でる。痛いような痛くないような力加減に近藤は呼吸を詰まらせた。妙は腰を下ろして近藤の裏側にそこを当てる。濡れたものが触れて近藤は目を見開いた。
「なっ、ダメだ、お妙さん、俺はあなたにこんなことさせたくないっ」
と、両膝を立てた。近藤の膝に尻を浮かされ、妙は前へと滑る。が、それは近藤にとってはさらに状況を悪化させただけだった。柔らかい壺の中に開いた傘が入りこもうとしている。
「はぁっ、入れたらダメですよ、待ってくださっ……あっ」
曲げた膝を下げようとした近藤だったが、妙は近藤の分身に手を添えて中へと差し込んだ。
「だから、ダメだって」
無理に入れようとしたが潤っていないそこと近藤の太さに異物感があり、妙は腰を止めた。苦しい。しかし、奥は熱い。
「濡れてないのに男のモノなんて入りませんって。だからやめましょう、ね?」
両手は自由がきかず、跨られ、しかも亀頭は入り込んでしまっている。このまま体を横へ回転してしまっては妙の粘膜を傷つけてしまう。せめて濡れていれば多少は滑ったであろうし、荒っぽくとも抜き去れたものを。こうなってしまった以上は静まらない。理性でやめろと命じても、少しでも動こうとするならばそこへ入ろうと体が勝手に動いてしまうだろう。いつものようにつきまといに対する仕置きでよかったのに、何故、こうなってしまったのだ。
妙は体勢をそのままに自分の帯を解いて襟元を開いた。更に襦袢の腰紐を解くと背中に手を回した。下着のホックを外して襦袢に手を通し直す。白い首、白い胸の間、綺麗な臍、髪色と同じ茂みと、その茂みの中へ突き上げている自分のものが画として繋がる。いやらしい光景に分身が硬さを増した。近藤の下腹部に載っていたブラジャーを拾った妙は畳へとそれを落とし、自分の胸を覆った。もう一方の手は胸の下から臍へとゆっくりと下がる。下腹部に下り、茂みに細い指が伸びる。
「んっ、ふっ……」
我慢した女のいい声が耳に残る。肩を揺らしながらも茂みに潜りこんだ指は動く。おそらく敏感な部分に触れている。その証拠に先程よりも妙の腰が落ちている。少しずつ男根を咥えこんでゆく女陰は奥から涎を溢れさせる。愛液を垂らしながら呑みこむうねりと熱と妙の淫猥な行いに思考がぼやかされる。
「ん、お妙さん……」
腰を下ろす妙は突き上げる近藤の存在の大きさに止まった。この先へ進めばきっと痛い。この先へ行かずに引き返したらば、結婚するまでしないと言った近藤なのだからきっとこの後も不貞を働くつもりだろう。たとえ相手が男であり、近藤本人が不貞ではないと言ってもだ。しかし、こちらにとっては違う。不貞であることと同義だ。
「男の人同士のほうが、いいんですか?女のここよ、りっ……!」
妙が腰を落としきると近藤が最奥まで届いた。貫かれて気持ちがいいためか、苦しい痛みのためかわからないが、とにかく熱い。自分の中が焼けるように熱い。妙は腰を動かそうとするがままならなかった。近藤は体を起こし、縛られている両手を妙の頭にくぐらせて背中を抱く。
「お妙さんの、膣のほうが、いいに決まってる……」
息を詰まらせた掠れた声が胸元でした。つまり、彼らとはただ生理的欲求を満たしていただけだと言っている。最低だ。
「なんでこんな無茶したんですか」
責める眼差しを妙は見つめ返す。
「私を好きだと言っておきながら、他の人とするあなたに幻滅したからです。あなたはそんことしない人だと思ってたのに。だから、あなたの『綺麗なお妙さん』を汚したかったんです。私に夢を見ないで、ちゃんと見てください。私はただのいやらしい女なんです。近藤さんが入ってるのに、自分で触って感じるような女なんです……」
自分の中に入っている近藤を意識し、妙は近藤の肩に顔を寄せた。
「ああ、すごくいやらしかったです。俺も興奮しました。お妙さんのこと、想像で何度も抱いたのに、本人が一番いやらしかったなんて思いもしなかったです。お陰でガチガチだ。いいです。すごくいい……」
引き寄せられるように唇を重ね、深く口づける。近藤は妙の背中を支え、腰を動かした。揺さぶられ、妙の体が強張る。
「痛いですか?」
「はい、んっ、たぶんっ」
「多分?」
「熱いんです、中が、すごく熱くて、近藤さんが大きくて、はぁっ」
きゅうっと締め上げられ、近藤は溶かされるような感覚に長い溜息をついた。
「ん、指、ください」
熱に浮かされた声でねだられ、近藤は妙の額の髪を梳く。
「指?」
「消毒、するんです、近藤さんの指、舐めてきれいにするから、ください」
と、唇を開く。誘われた近藤は両手首を帯紐で縛られている両手を妙の口元へとやった。指を開くと妙は中指と人差し指を咥え、根元から指先へと舌を這わせて放す。もう一方の中指と人差し指も咥えて舐め上げてから放した。
「やっぱり、指とか、今、私の中に入ってるのとか、入れたことあるんですか?」
と、妙は指の腹を一本ずつ順に舐めていく。ぎくりとした近藤は申し訳なさそうに眉を下げた。
「あー……、はい。でも、みんな好きな女が一番ですよ。普段はひとりで慰めてても、人肌が恋しくなってる時に酔っぱらって勢いついたりしなけりゃ、そんなことにはならない。情なんてねェし、みんな割り切ってる。て、すみません……、やっぱり嫌なもんですか?」
本心で言っている。近藤は、そこに恋の駆け引きなどない前提でいるのだ。おまけに土方だけではない隊士も含まれている発言に妙は溜息をつくしかなかった。
「今後はなしですよ。私がいるんだから、私だけにしてください」
苦笑交じりの笑みに近藤は頷いた。好きだと愛の言葉を囁かれたわけでもないのに、妙の独占欲を心地よく感じる。
「嬉しいけど、そんなこと言って大丈夫なんですか?俺、底なしですよ?」
と、縛られたままの両手を妙の背中に回した。尻へと左の指を伸ばす。窪みの周囲を撫でてから、中指の腹がそこに触れる。反射的に逃げようと背を反らせたが、近藤の腕に支えられていて逃げられない。
「はぁ、やっ、お尻なんて、ダメっ、初めてなのにっ」
「初めてだからって関係ないですよ」
耳元で囁かれ、かかった吐息に肩を竦ませる。意識を逸らされたそのうちに指は侵入している。
「近藤さぁん、ダメ、おしり、だめぇっ」
甘い声で抵抗され、近藤はふっと笑って囁く。
「まだ第一関節しか入ってないですから」
「やぁん、でもぉ」
「大丈夫ですよ。両手縛られてるから、これ以上は入れたくても入りません。痛いですか?」
妙は呼吸を乱しながら左右に首を振った。体を震わせ、甘い息を吐き続ける。
「気持ちいいんですね」
腕の中で体をくねらせる妙がいやらしくて愛おしい。
「自分からまんこに俺のモノ突っ込んで、尻に俺の指突っ込まれてよがって、そんなにいいですか?」
「はい……」
とろりとした瞳が素直に頷く。
「それはよかったです。じゃあ、一度いっときましょうか」
近藤は、口の片端を上げて笑った。
***
四つん這いになった妙は彼のものを口に含んで喉を締めた。最近になってようやく彼のものを根元まで咥えられるようになった。いつも気持ちよくしてくれる彼へのせめてものお返しだ。
妙は、自分の下で仰向けになっている近藤からの奉仕のような唇と舌の愛撫に腰を震えさせた。自分も近藤をめいいっぱい愛したいのに、与えられる快感の沼に足掻く。更に喉を締め、不意に口の中の近藤が揺れた。喉の奥に精を出されるのと同時に蜜の滴るそこに指を差し込まれ、覚えさせられたいいところを強く撫でられる。近藤のものが力なく妙の口からこぼれ落ちると、吐き出され残っていた白い液体と涎を口端からこぼしながら喘ぐ。
「ひぁっ、そこ、あっ、あっ、やぁん、いっちゃうぅ……!」
腰をがくがくと揺らした後、尻を突き上げたまま近藤の太腿へと頬を寄せた。快感の余韻に浸りながら再び起き上がる近藤の分身をぼんやりと眺める。おもむろに手を伸ばし、妙も上半身を起こすと元気を取り戻しつつある近藤に舌を這わせた。優しく丁寧に舐める。
「入れたいですか?お妙さんのここ、涎垂らしてひくついてますよ」
近藤は蜜を指にすくってぷっくりと膨らんでいる小さな突起に塗りつける。甘い声を上げて身を捩り、近藤の目の前のみだらな口は欲しそうに開閉を繰り返す。素直な反応に近藤は口端を上げて上の窪みを解して指をゆっくりと侵入させた。肉壁を隔てた子宮口を刺激するように撫でる。
「欲しかったらおねだりしてください」
と、小さな突起を、舌先で転がした。
「あ、や、んぁ、こんどぉさぁんっ、ふぁ、はぁん、らめっ、ほしぃ、れす、くらさ、い、んっ、ぁあんっ」
「もっと、ちゃんと言わないと入れませんよ」
言われて妙は近藤の目の前で濡れ光る襞を指で開いた。
「はぁ、私のいやらしいここに、近藤さんの、奥までください、んっ、おしりから刺激してるそこ、っぁ、前のところから入って」
粘膜を隔てた微妙な刺激が切ない。疼く最奥から蜜が流れ出るのが自分でもわかる。
「近藤さんの、かたくて大きいのでいっぱい、突いてください」
入った時のことを想像して体をぶるりと震わせる。早く欲しくて堪らない。
「こんどうさぁんっ、はぁんっ」
甘く啼かれて近藤は喉を鳴らした。近藤は指を引き抜き、妙を退かせて畳に膝を突く。彼女の背を抱きながらゆっくりと押し倒し、膝を割って唇を重ねた。舌を誘って唇を離す。舌を擽りながら近藤は力が戻った分身を突き入れる。すっかり蕩けていた膣は近藤が入るなり絡み吸いついた。せっかく戻った力がすぐにでも奪われそうだ。最奥を突くと妙はその一突きで達してしまう。妙の口内で一度、射精していただけに耐えられるが、その快感といくつかの視線に酔う。
近藤の休日前夜に妙は屯所に訪れるようになった。はじめのうちこそ隊士たちは局長室にいる妙を気遣って近寄らぬようにしていたが、いつしか聞き耳を立てるようになり、今では薄く開けた障子戸から情事を覗き見ている始末だ。普段は妙が凶暴化し、近藤はされるがままだが、いざそうなればただの女に成り下がる。その落差がそそられるのは隊士たちも同じだったようで、小さな話し声と覗きに初めて気づいた近藤は警戒し、殺気を放った。が、大人しく覗いている分にはいいと見て見ぬふりをした。もちろん妙は気づいていない。
次に大事にしている物にも嫉妬したわ。腐れ縁だなんて称している仲間。銀さんと仲がいいんですねって話していたら、ただの腐れ縁だって笑った。とても楽しそうだった。もともと真選組で多くの人に囲まれている人だから、人と仲良くなるのなんて容易いことなんでしょう。私もよくは知らないけれど、その正体は伝説の攘夷志士というのに、敵味方関係なしに仲良くなるなんて、どうかしてる。あの人の好さを利用してあの人の財布を自分のものとしている万年金欠ちゃらんぽらん侍と懇ろになんて誰がなるものですか。最低よね。酔っていたとはいえ、何度も何度もしつこく誘ってくる。どうしてニート侍に私の大事な初めてをあげなくちゃいけないのよ。いくらお金を詰まれようともお断りだわ。
『そうは言うがよォ、お妙。あのゴリラ、俺ともやったんだぜ。だからァ、俺とおまえがやりゃ、おまえとゴリラも穴兄妹っつーわけだよ、いいだろォ?しとこうぜェ?』
耳を疑ったわ。どうして銀さんとあの人がそういう関係になってるのよ。でも、よくよく考えてみると思い当たる節があった。銀さんが長谷川さんと一緒に夜の街へと消えていくのを何度となく見かけた。男だから女だからというのは銀さんにとって重要なことじゃないってことなのね。猿飛さんが気の毒だと思ったけれど、銀さんがのうのうと私を誘ってくるだけに猿飛さんとも関係しているのかもしれないと思い直した。マゾ気質な彼女だから、そういうことも含めて愉しんでいるのかもしれない。でも、私はお断りよ。初めてをあげる人と添い遂げる。その人だけ知っていれば、それだけで充分。遊ぶ気なんてない。約束された不自由のない生活に安定感。ないよりもあったほうが、断然いいもの。
あげるなら、あの人だけなのよ。なのに、あの人は、あちらにもこちらにもいい顔をする。そんなにみんなの愛を受け入れなくてもいいでしょう?あなたが好きなのは私でしょう?ケツ毛ごと愛すと言った私を選んだのはあなたのはずなのに、どうしてみんなの愛を受け止めるの?どうしてそんなにお尻が軽いの?あなたは私だけを愛していればいいのに。何も真選組や仲間を捨てろと言っているんじゃないのよ。穢れた欲であっても子供を生せる神聖な行為は、あなたが愛してやまない女である私とすべきなのよ。
***
我が家にも、店にも、姿を現さなかった近藤が数週間ぶりに我が家の軒下に潜んでいた。勤務先の売上成績の落ち込み具合に文句を言ってやろうと思ったのは姿を見なくなって一週間たったころだった。客である近藤に文句を言うのはお門違いだが、一言言えば次の来店時には多く注文を入れてくれる近藤が常であっただけに、今回もそのつもりでいた。が、近藤が留守の間、土方のことや銀時のことを思い返して嫌な気分になったことのほうが許せなかった。顔を見るなり張り倒したら勢い余って仰向けに倒れた近藤の上へと倒れかかってしまう。畳に打ちつけた後頭部を擦りながら体を起こす近藤は、膝の間にいる妙の怪我を気遣いながら、そっと掴んだ右腕を引き上げる。
「膝とか大丈夫ですか?すりむいてません?」
畳の上で勢いよく走るものではないと注意しようとした近藤の正面で、妙は着物の裾を捲って両膝を見た。皮膚は擦られ、僅かであるが薄く皮が捲れて血が滲んでいる。
「少しだけ血が出てます……」
膝を見ながら呟く妙の視線が近藤の顔へと移った。こちらを見たまま固まっている近藤の驚いた目に可笑しくなり、妙はくすりと笑った。
「どうしました、近藤さん?」
声をかけられて我に返った近藤は、妙から視線を逸らす。
「あ、いや、何も……。消毒しましょうか。救急箱ってどこにありま……!?」
立ち上がろうと畳に手を突いた近藤に片足を伸ばした妙は、袴越しにそれへと触れた。命の源であるふたつの大事なものを右の足指で押し上げる。びくりとした近藤は、視線を妙へと戻した。
「お、お妙さん?何してるんです?」
「え、何って?」
とぼけながら足指を離すと近藤から安堵の溜息が洩れた。妙は含み笑いを浮かべながら先程よりも足を上げた。袴でわかり辛かったが、すでに反応していたらしい。その形状を足の指で辿って理解すると妙は笑みをこぼした。簡単な男だ。ほんの少し膝を見せただけなのに、もうこんなにしている。
「あの、そんな触り方せんでください。蹴るならさっさと蹴り上げてください」
「そんなことしませんよ」
と、妙は右の膝上に折り重ねていた左膝を起こし、左足も近藤へと伸ばした。先程触れたふたつを指で押し上げた。右足は立ち上がったものを擦ろうと動き、妙の下着が見えてしまう。眉根を寄せた近藤は、顔を逸らした。
「近藤さん?」
妙に訊ねられても近藤は横を向いたままだ。
「あ、見えちゃいました?」
にこりと笑った妙は、近藤から両足を引いた。
「近藤さん」
と、近藤の右手を両手に取る。
「消毒はもういいですから、かわりにすりむいたところを舐めてくださいませんか?自分では舐めにくい角度だし……」
「それならやっぱりちゃんと消毒したほうがいいですって。唾液で消毒なんて不衛生ですし」
「不衛生?」
近藤からでた言葉に妙の眉が上がった。男同士でいかがわしいことをしておきながら、よくもまあそんなことが言えたものだ。
「そうかしら。昔から云われていたことだし、かすり傷程度でそんな大層にしなくてもよくありません?わたしも子供の頃、剣の稽古をした後なんかはかすり傷だらけで自分でよく舐めてましたし」
と、近藤の右腕の袖を捲るように肘まで撫でた。筋張った前腕には古傷がいくつか大小とあり、妙は比較的大きな傷跡に口づけたまま舌先を動かす。盛り上がった傷跡をなぞろうと唇を離して舌先で追う。美しい唇から覗く赤い舌が自分の肌をなぞっている。近藤は眉根を寄せた。妙の舌が離れ、ほっとするが別の傷跡へと行く。
「ん……、近藤さん、傷いっぱいですね……」
傷跡は死地を乗り越えた証だ。近藤が銀時と決闘をすることになったあの日を妙は思い出す。さすが自らが言い出しただけある。あの落ち着きぶりとこの傷の数に、近藤という男の生命力の強さと、その強い男性に魅かれていることを実感する。
「っ、俺のはもう血なんて出てませんから、いいです」
近藤は、自分の腕に触れる妙の右手を掴んだ。眉を寄せ、唇を結んだ近藤は空いていた手で妙の背中を抱き、掴んでいた右手を畳へと縫いつけた。膝で立ち、背を屈めて立たせた妙の両膝に滲む血を舐めとる。妙の素肌に触れる近藤の熱い舌はすぐに離れた。極めて微量であり、血の味などしなかったが女の体液を舐めとり、分身は着物の下で膨らみを増す。これ以上は無理だ。今ならまだとどまれる。近藤は妙から体を離した。
「消毒しときましたよ」
と、近藤は腰を下ろしながら妙の着物の裾を直す。
「いいえ、消毒は終わってません」
妙の言うかすり傷の消毒は今しがた終えたはずだがどういうことだろうと、近藤は妙を見た。
「近藤さんの傷の消毒、終わってません」
と、妙は正座する近藤の袴紐を解いた。袴を脱がせ、腰の後ろへ手を回して顔を近藤の腹部にうずめる。
「ちょっと、あの、お妙さん」
慌てた近藤の声がしたが妙は構わず、近藤の匂いと筋肉の硬い弾力に包まれながら帯紐を解く。その帯紐を手にすると妙は近藤の両腕を胸の前で縛り、腰を跨ぐと自由がきかない近藤を押し倒した。
「え、これ、何、どういうこと、お妙さん」
「感じても、私に触らないでくださいね」
妙はにこりと笑った。両膝を舐められた時のことを思い出し、一息つく。あんなふうに体中舐められたりすれば、土方や銀時が触れたことろの消毒など完了させられないだろう。残っている舌の感触が体の中心をぞくりとさせる。ざわついた感覚が胸に迫り、妙は近藤の縛った両腕の中へ潜りこんだ。嫌でも妙を抱き締める形にしかできない腕に、近藤の眉根が寄る。顔が近づいてきたと思いきや唇に軽く口づけられ、妙の頭が下がった。
どういうつもりだと近藤の眉間に皺が寄る。傷跡を見つけては舐める妙の本心がわからないのに分身は反応する。変な声を上げないでいるのが精一杯だ。小娘にいいようにされて自尊心が崩れかかる。普通に考えれば度の過ぎたいつもの触れ合いも、こちらが受け入れている前提でいたからこそだ。一方的な辱しめは隆辱でしかない。しかも相手はこちらが好いている娘だ。嫌よ嫌よとじゃれているだけだと思っていても、それは彼女の本心であるかはわからない。
妙は硬くなろうとしていた両胸の突起に指で触れた。体を揺らした近藤は息を飲む。が、追い打ちをかけるように硬くなった乳首を口に含まれる。
「んっ……!」
洩れた声に近藤は赤面した。
「男の人も乳首って感じるんですね……」
と、もう一方の胸の突起を舌で転がす。水音が小さく立ったかと思えば吸いつかれ、甘い吐息が洩れる。片側も同じように吸われ、また甘い息が洩れた。頬を赤くし、目は少し潤んでいる。大の男とは思えない表情ににこりと微笑む。嗜虐心を煽られるとはこういうことをいうのだろうか。自分より強い者を虐げ、苛めることを愉しみたい。常日頃、近藤は自分の攻撃を受け止めている。来る日も来る日も飽きることなく。近藤を伸すとそれなりに達成感はあったが、それとは違う。今日はもっと深部を攻撃することに成功している。いつもにこにこ笑っている近藤の表情を歪ませている。
妙は近藤の傷跡を追いながら胸から腹、下腹部へと口づけを落としながら頭を下げた。尻の毛を気にしていただけに毛が生えている範囲は広いのだろう。太腿にまで広がっている。毛の生い茂る根元に手を添え、立ち上がっているそれに口づける。
「はっ、ちょっ、お妙さんっ!待ってっ!」
「どうしました?」
不思議そうな顔で覗きこまれ、近藤は恥ずかしさで視線を逸らす。どこのアダルトビデオだ。男のものの向こうに顔立ちが整った女性がいる。
「あの、これ、どういうプレイですかっ」
小首を傾げられ、近藤は訊ね直す。
「あっ!噛まれるとかですかっ、それはさすがに痛いから勘弁してくださいっ、蹴られるほうがまだマシなんでそれで許してくださいっ」
「そんなこと、しませんよ?」
と、傾げていたほうとは逆のほうへ小首を傾げ直した。
「えっ……!じゃ、じゃあ、あのこれって、どういう……」
同じ質問がまた出てしまう。
「消毒ですけど」
と、近藤の後ろの窪みに触れる。分身は波打ったあとに硬く立ちあがった。
「ちょっ、何し、あっ」
妙は肌に張りつくように毛が生えている周囲からそこへと舐め上げる。
「やめっ、ん、そんなこと、せんで、はぁ、お妙さっ、ん」
敏感すぎるそこは近藤の腰をひとりでに揺らした。まるでどこのアダルトビデオだ。女性のような反応に目を細め、妙はひくついている窪みに中指をゆっくりと差し込んだ。
「ぁあっ、ダメだ、お妙さん、はあぁっ」
指で探って近藤の声が上がったところを刺激する。先端からは透明な蜜が溢れ、妙はそれを吸い取り、先を口に含んだ。近藤の足が震えている。達してしまいそうなところで解放され、近藤は呼吸を整えながら訊ねた。
「あの、消毒って、どういうことですか?」
「知っているんですよ、私。あなたが男同士でいかがわしいことをしてるって知ってるんです」
声には出していないものの、開いた口が『えっ』と言っている。
「土方さんとも銀さんとも仲良くしてらっしゃるんでしょう?」
しばらく間があった。悪びれる様子もなく、近藤は真顔で言う。
「あんなのは、ただの抜き合いですよ」
妙は自分の耳を疑った。銀時とのことならばそうなのかも知れないと考えられなくもない。だが、土方とのことはそうではないと感じている。本当に土方の気持ちに気づいていないのだろうか。気づいても知らぬふりをしているのだろうか。いずれにせよ『ただの』という言葉で片付けられないはずだ。自分はいつの間にか近藤を美化していたのだろうか。だとしたら、最悪だ。
「ただの抜き合いだというのなら、私としてもいいんじゃありません?」
「え、いや、それはまずいですよ。俺はそんなことのためにあなたを汚したくない。それに結婚するまではしないつもりです」
どの口が『そんなこと』と言ったのだ。相手は他の女というわけでもないのだから浮気ではないとでも言いそうだ。最低だ。
妙は近藤の着物の裾を捲り、褌を弛めて布を横へやった。解放されたそれは上へと起きる。妙は自分の下着を脱ぐと、再び近藤に跨った。心の底から怒りが湧いてくる。自分は近藤の何を見ていたのだろう。近藤のことだから考えるまでもなく、彼の目には自分は『美しいもの』として映っているはずだ。そんなのは御免だ。
「お妙さん、それはダメだ」
「ダメじゃありません」
と、近藤の分身に手を添えた。濡れ光る先の小さな口に指の腹を当て、滴る液体を塗り広げるように撫でる。痛いような痛くないような力加減に近藤は呼吸を詰まらせた。妙は腰を下ろして近藤の裏側にそこを当てる。濡れたものが触れて近藤は目を見開いた。
「なっ、ダメだ、お妙さん、俺はあなたにこんなことさせたくないっ」
と、両膝を立てた。近藤の膝に尻を浮かされ、妙は前へと滑る。が、それは近藤にとってはさらに状況を悪化させただけだった。柔らかい壺の中に開いた傘が入りこもうとしている。
「はぁっ、入れたらダメですよ、待ってくださっ……あっ」
曲げた膝を下げようとした近藤だったが、妙は近藤の分身に手を添えて中へと差し込んだ。
「だから、ダメだって」
無理に入れようとしたが潤っていないそこと近藤の太さに異物感があり、妙は腰を止めた。苦しい。しかし、奥は熱い。
「濡れてないのに男のモノなんて入りませんって。だからやめましょう、ね?」
両手は自由がきかず、跨られ、しかも亀頭は入り込んでしまっている。このまま体を横へ回転してしまっては妙の粘膜を傷つけてしまう。せめて濡れていれば多少は滑ったであろうし、荒っぽくとも抜き去れたものを。こうなってしまった以上は静まらない。理性でやめろと命じても、少しでも動こうとするならばそこへ入ろうと体が勝手に動いてしまうだろう。いつものようにつきまといに対する仕置きでよかったのに、何故、こうなってしまったのだ。
妙は体勢をそのままに自分の帯を解いて襟元を開いた。更に襦袢の腰紐を解くと背中に手を回した。下着のホックを外して襦袢に手を通し直す。白い首、白い胸の間、綺麗な臍、髪色と同じ茂みと、その茂みの中へ突き上げている自分のものが画として繋がる。いやらしい光景に分身が硬さを増した。近藤の下腹部に載っていたブラジャーを拾った妙は畳へとそれを落とし、自分の胸を覆った。もう一方の手は胸の下から臍へとゆっくりと下がる。下腹部に下り、茂みに細い指が伸びる。
「んっ、ふっ……」
我慢した女のいい声が耳に残る。肩を揺らしながらも茂みに潜りこんだ指は動く。おそらく敏感な部分に触れている。その証拠に先程よりも妙の腰が落ちている。少しずつ男根を咥えこんでゆく女陰は奥から涎を溢れさせる。愛液を垂らしながら呑みこむうねりと熱と妙の淫猥な行いに思考がぼやかされる。
「ん、お妙さん……」
腰を下ろす妙は突き上げる近藤の存在の大きさに止まった。この先へ進めばきっと痛い。この先へ行かずに引き返したらば、結婚するまでしないと言った近藤なのだからきっとこの後も不貞を働くつもりだろう。たとえ相手が男であり、近藤本人が不貞ではないと言ってもだ。しかし、こちらにとっては違う。不貞であることと同義だ。
「男の人同士のほうが、いいんですか?女のここよ、りっ……!」
妙が腰を落としきると近藤が最奥まで届いた。貫かれて気持ちがいいためか、苦しい痛みのためかわからないが、とにかく熱い。自分の中が焼けるように熱い。妙は腰を動かそうとするがままならなかった。近藤は体を起こし、縛られている両手を妙の頭にくぐらせて背中を抱く。
「お妙さんの、膣のほうが、いいに決まってる……」
息を詰まらせた掠れた声が胸元でした。つまり、彼らとはただ生理的欲求を満たしていただけだと言っている。最低だ。
「なんでこんな無茶したんですか」
責める眼差しを妙は見つめ返す。
「私を好きだと言っておきながら、他の人とするあなたに幻滅したからです。あなたはそんことしない人だと思ってたのに。だから、あなたの『綺麗なお妙さん』を汚したかったんです。私に夢を見ないで、ちゃんと見てください。私はただのいやらしい女なんです。近藤さんが入ってるのに、自分で触って感じるような女なんです……」
自分の中に入っている近藤を意識し、妙は近藤の肩に顔を寄せた。
「ああ、すごくいやらしかったです。俺も興奮しました。お妙さんのこと、想像で何度も抱いたのに、本人が一番いやらしかったなんて思いもしなかったです。お陰でガチガチだ。いいです。すごくいい……」
引き寄せられるように唇を重ね、深く口づける。近藤は妙の背中を支え、腰を動かした。揺さぶられ、妙の体が強張る。
「痛いですか?」
「はい、んっ、たぶんっ」
「多分?」
「熱いんです、中が、すごく熱くて、近藤さんが大きくて、はぁっ」
きゅうっと締め上げられ、近藤は溶かされるような感覚に長い溜息をついた。
「ん、指、ください」
熱に浮かされた声でねだられ、近藤は妙の額の髪を梳く。
「指?」
「消毒、するんです、近藤さんの指、舐めてきれいにするから、ください」
と、唇を開く。誘われた近藤は両手首を帯紐で縛られている両手を妙の口元へとやった。指を開くと妙は中指と人差し指を咥え、根元から指先へと舌を這わせて放す。もう一方の中指と人差し指も咥えて舐め上げてから放した。
「やっぱり、指とか、今、私の中に入ってるのとか、入れたことあるんですか?」
と、妙は指の腹を一本ずつ順に舐めていく。ぎくりとした近藤は申し訳なさそうに眉を下げた。
「あー……、はい。でも、みんな好きな女が一番ですよ。普段はひとりで慰めてても、人肌が恋しくなってる時に酔っぱらって勢いついたりしなけりゃ、そんなことにはならない。情なんてねェし、みんな割り切ってる。て、すみません……、やっぱり嫌なもんですか?」
本心で言っている。近藤は、そこに恋の駆け引きなどない前提でいるのだ。おまけに土方だけではない隊士も含まれている発言に妙は溜息をつくしかなかった。
「今後はなしですよ。私がいるんだから、私だけにしてください」
苦笑交じりの笑みに近藤は頷いた。好きだと愛の言葉を囁かれたわけでもないのに、妙の独占欲を心地よく感じる。
「嬉しいけど、そんなこと言って大丈夫なんですか?俺、底なしですよ?」
と、縛られたままの両手を妙の背中に回した。尻へと左の指を伸ばす。窪みの周囲を撫でてから、中指の腹がそこに触れる。反射的に逃げようと背を反らせたが、近藤の腕に支えられていて逃げられない。
「はぁ、やっ、お尻なんて、ダメっ、初めてなのにっ」
「初めてだからって関係ないですよ」
耳元で囁かれ、かかった吐息に肩を竦ませる。意識を逸らされたそのうちに指は侵入している。
「近藤さぁん、ダメ、おしり、だめぇっ」
甘い声で抵抗され、近藤はふっと笑って囁く。
「まだ第一関節しか入ってないですから」
「やぁん、でもぉ」
「大丈夫ですよ。両手縛られてるから、これ以上は入れたくても入りません。痛いですか?」
妙は呼吸を乱しながら左右に首を振った。体を震わせ、甘い息を吐き続ける。
「気持ちいいんですね」
腕の中で体をくねらせる妙がいやらしくて愛おしい。
「自分からまんこに俺のモノ突っ込んで、尻に俺の指突っ込まれてよがって、そんなにいいですか?」
「はい……」
とろりとした瞳が素直に頷く。
「それはよかったです。じゃあ、一度いっときましょうか」
近藤は、口の片端を上げて笑った。
***
四つん這いになった妙は彼のものを口に含んで喉を締めた。最近になってようやく彼のものを根元まで咥えられるようになった。いつも気持ちよくしてくれる彼へのせめてものお返しだ。
妙は、自分の下で仰向けになっている近藤からの奉仕のような唇と舌の愛撫に腰を震えさせた。自分も近藤をめいいっぱい愛したいのに、与えられる快感の沼に足掻く。更に喉を締め、不意に口の中の近藤が揺れた。喉の奥に精を出されるのと同時に蜜の滴るそこに指を差し込まれ、覚えさせられたいいところを強く撫でられる。近藤のものが力なく妙の口からこぼれ落ちると、吐き出され残っていた白い液体と涎を口端からこぼしながら喘ぐ。
「ひぁっ、そこ、あっ、あっ、やぁん、いっちゃうぅ……!」
腰をがくがくと揺らした後、尻を突き上げたまま近藤の太腿へと頬を寄せた。快感の余韻に浸りながら再び起き上がる近藤の分身をぼんやりと眺める。おもむろに手を伸ばし、妙も上半身を起こすと元気を取り戻しつつある近藤に舌を這わせた。優しく丁寧に舐める。
「入れたいですか?お妙さんのここ、涎垂らしてひくついてますよ」
近藤は蜜を指にすくってぷっくりと膨らんでいる小さな突起に塗りつける。甘い声を上げて身を捩り、近藤の目の前のみだらな口は欲しそうに開閉を繰り返す。素直な反応に近藤は口端を上げて上の窪みを解して指をゆっくりと侵入させた。肉壁を隔てた子宮口を刺激するように撫でる。
「欲しかったらおねだりしてください」
と、小さな突起を、舌先で転がした。
「あ、や、んぁ、こんどぉさぁんっ、ふぁ、はぁん、らめっ、ほしぃ、れす、くらさ、い、んっ、ぁあんっ」
「もっと、ちゃんと言わないと入れませんよ」
言われて妙は近藤の目の前で濡れ光る襞を指で開いた。
「はぁ、私のいやらしいここに、近藤さんの、奥までください、んっ、おしりから刺激してるそこ、っぁ、前のところから入って」
粘膜を隔てた微妙な刺激が切ない。疼く最奥から蜜が流れ出るのが自分でもわかる。
「近藤さんの、かたくて大きいのでいっぱい、突いてください」
入った時のことを想像して体をぶるりと震わせる。早く欲しくて堪らない。
「こんどうさぁんっ、はぁんっ」
甘く啼かれて近藤は喉を鳴らした。近藤は指を引き抜き、妙を退かせて畳に膝を突く。彼女の背を抱きながらゆっくりと押し倒し、膝を割って唇を重ねた。舌を誘って唇を離す。舌を擽りながら近藤は力が戻った分身を突き入れる。すっかり蕩けていた膣は近藤が入るなり絡み吸いついた。せっかく戻った力がすぐにでも奪われそうだ。最奥を突くと妙はその一突きで達してしまう。妙の口内で一度、射精していただけに耐えられるが、その快感といくつかの視線に酔う。
近藤の休日前夜に妙は屯所に訪れるようになった。はじめのうちこそ隊士たちは局長室にいる妙を気遣って近寄らぬようにしていたが、いつしか聞き耳を立てるようになり、今では薄く開けた障子戸から情事を覗き見ている始末だ。普段は妙が凶暴化し、近藤はされるがままだが、いざそうなればただの女に成り下がる。その落差がそそられるのは隊士たちも同じだったようで、小さな話し声と覗きに初めて気づいた近藤は警戒し、殺気を放った。が、大人しく覗いている分にはいいと見て見ぬふりをした。もちろん妙は気づいていない。
三番目の女
Text by mimiko.
2015/03/12