スコリノスコ。
二人とも結構スッパーン言ってますのでご注意を。
やきもち 2
リノアは声を洩らしながらも負けじとスコールの舌先を刺激しようとした。だが、伸ばした舌を唇で捕えられ、瞳に涙を滲ませる。服の下の肌がざわめき、眉を寄せた。
「ん、やっ、ふぅ……」
洩れる息に抵抗する言葉があったがスコールは構わずにリノアの背中を抱き寄せ、もう片方の手で胸の膨らみを覆う。リノアは離れようとするが背中に回された腕にそれを許されず、更に抱き寄せられて自由が利かなくなってしまった。リノアの胸を覆っていたスコールの手はもう一方の胸の先を刺激し、暫らく弄ばれていたリノアの 舌は甘い痺れと熱を帯びていた。
「ダメ、スコール……」
とろりとした眼差しで制止され、スコールは口の片端を上げる。
「全然ダメじゃなさそうだぞ?」
両胸をやんわりと揉みしだかれて声が出そうになるが、それに堪えようとリノアは自分の右の指を噛んだ。スコールはリノアの首に口づけ、吸いつく。心地の良い甘い痛みにリノアは呼吸を詰まらせながらも指を噛んだ。
「リノア」
低く響くその声は我慢するなと言っている。
「ダメなの。私だけいつもドキドキしてるのがくやしいの。スコールも私にいつもドキドキして欲しいの」
そう言い、息をつくと左手を掴まれる。そのままスコールのそこへあてがわれた。リノアはどきりとしてスコールの顔を見る。
「いつもドキドキしてるさ。そうじゃなかったらちょっと触ったくらいでこうはならない」
リノアは布越しにスコールに触れたまま、その手を動かせずにいた。初めて触る訳ではない。しかしまだ序盤という頃合でこういう状況になったことが今まではなかった。
ど、どうしよう、触った方がいいのかな……?
リノアが戸惑っているとスコールは口元だけで笑った。
「どうする?リノア。俺をもっとドキドキさせたいんだろ?」
「うん……」
リノアはスコールに口づけ、スコールはそれに応じながらリノアの服を脱がせる。下着の布を捲り両胸を覆ったまま指の腹でその先端を刺激する。リノアは眉を寄せながらもスコールの服の裾へ手を潜らせ、肌の上に手を滑らせた。自分がされている同じことをスコールにもと筋肉質な胸の突起を刺激する。スコールは唇を離し、リノアの瞳を見つめた。
「やらしいな」
「……スコールもやらしいよ……」
恥ずかしそうにするが突起への刺激を止めず、唇が触れそうな所まで顔を近づける。切なげな表情にスコールは堪らなくなり胸の先を強めに摘んで転がした。
「あん、やぁ」
胸の先から快感が全身へ広がり、体が揺れる。下腹部の奥が熱くなり、先程触れたスコールの硬さを思い出した。顔を火照らせ、何を考えているのだろうと我に返るが、体はすっかりこの先のことを期待している。今更、止めることも出来ないし、止めたくはない。
リノアはスコールの膝の上から下り、床に膝を突いてスコールの両膝の間に入った。服の裾を捲くり上げて筋肉が綺麗に割れている腹部へ口づけを落とす。
「リノア?」
声を掛けられたが構わずにベルトを外すとファスナーを下ろした。
「おい、ちょっと」
「もっと私にドキドキしてもらいます」
と、リノアは下着をずらしてスコールのものを取り出した。両手を添えて先へ口づける。スコールは息を詰まらせ、リノアを見下ろした。中途半端に脱がした服の間からとても柔らかそうな膨らみが露出している。先程まで 自分と口づけていた形の良い唇が自分のものを遠慮がちに包んでいる。
なんて格好でこんなこと……。
「あ、良くない?」
訊かれるのと同時に顔を上げられ、どきりとした。
「いや、そんなことは……」
「ほんとに?」
小首を傾げられ、スコールは顔が熱くなるのを感じたが、冷静を装い普段通りに頷く。
「ああ」
リノアはその返事が気を使っているように感じ、視線を落とした。
あんまりなのかな。まだ慣れてないし……しょうがないよね。あ、そうだ。
リノアは膝立ちのまま体を寄せ、自分の脇に両手を当てて胸を寄せるとその胸の間にスコールを挟んで胸を揺らし出した。スコールは目をぱちくりとさせ、驚く。
な……?!
「リノア、そんなことどこで知ったんだ?」
「えっと、ゼルとアーヴァインがえっちぃ雑誌見てて、セルフィが没収して……それをセルフィと見てたらゼルの彼女もやって来て一緒に見てたの」
アイツら、なんて雑誌をガーデンに持ち込んでるんだ……?!リノアがこんな……。
リノアから自分に触れるようになったのはごく最近で、それも大胆な方法では恥ずかしがるような程度であったし、正直、今されていることよりも可愛いらしいことを想像していた。なのに、今こうしてリノアへの想いと浅ましい欲望とで膨らんだ己が、白く滑らかな肌と心地のいい弾力と温かさに包まれ、圧迫されている。その上、綺麗な双丘の桜色は誘うように揺れている。想像ではなく目の当たりにして意識すればする程、自分勝手に想像したことがあることや、今、本能のままに動きたい衝動に駆らていることに対して後ろめたさを強く感じる。
こんなのはダメだ。こんないやらしくて気持ちいいことだけなんて……。けど……。
再び視線を落とし、リノアを見た。薄く開いて濡れている唇は、うんしょ、とでも言っているかのように一生懸命に体を揺らしている。スコールは微笑み、嬉しさに胸を熱くした。
俺を感じさせようとして一生懸命に……。はは、でも、やっぱりその格好は理性を軽く飛ばそうとしてくれるよな……。
気持ち良さに呼吸が乱れ、息を飲む。ただリノアの胸の温かさを感じ、眉を下げた。リノアは少し動かし方がわかってきたようで、胸を両手で揺さぶりながらスコールの顔を見上げた。眉を寄せ、呼吸を乱している。リノアは嬉しくなり、挟む角度を変えてその先を舐めた。
「リノア、もういい」
頭上で声がし、舌を離して訊ねる。
「良くない……?」
やっぱりまだまだなのかな。いつも気持ちよくしてくれるからスコールにも気持ちよくなって欲しいんだけどな。
「いいから、困るんだ」
先の割れ目を舐められ、呼吸を詰まらせる。リノアが胸を離し、スコールが安堵したのも束の間、今度は口へ含まれて眉間に皺を寄せた。
「あ、待て、リノア」
リノアは聞かずに口の中で舐めてはゆっくりと頭を動かす。口内のものは更に硬くなり、リノアは唇を窄めて動かそうとするとスコールに肩を掴まれ離された。
「あ……」
「リノアの中でイきたい」
呼吸が少々乱れたスコールに色っぽさを感じ、どきりとしながら頷く。
スコール、感じてくれたんだ……。
互いに服を脱がせ合い、スコールはリノアをソファへ座らせ、膝を床に突いて口づける。じっくりとリノアの舌を味わうと、肌に舌を這わせたまま頭を下げていく。胸元まで下りると、両胸の先を焦らすように舌先だけを這わす。もどかしさを感じたリノアが甘い声で名前を呼ぶと応じるように先を口に含み刺激した。期待通りに動く舌に礼を言うように吐息混じりに嬌声を上げる。スコールは脇腹、臍、足の付け根と更に頭を下げていき、リノアのそこを間近に見つめて呟いた。
「今日はすごいな……」
二本の指で蜜を掬い、糸を引かせるようにリノアにその指を見せる。羞恥を煽るように見せられ、リノアは口を噤んだがスコールは構わず、蜜を溢しているそこに前触れなく舌を差し込んだ。
「んんっ……」
「中もいつもより熱い……」
舌を差し込まれたまま声を出され、リノアは身を捩る。
「あっいや、そのまましゃべっ、んっ」
「声が響く?」
「や、ん……」
舌を抜き、小さな突起を覆う皮を捲ると舌先で刺激する。腰が揺れ、嬌声が止まることなく発せられる。
「ダメ、そこ、ばっかり、ん、や、あっ……」
「そうか?さっきよりも溢れてきてるぞ」
「だから、ダメ……」
スコールは舌を離し、先程よりも蜜が更に溢れているそこを二本の指でばらばらと撫でた。わざと水音を鳴らせるように動いていると感じ、少し恨めしくなって抗議する。
「スコールのえっち……」
言われてスコールは間を置いて、ふっと笑った。
「リノアの方がえっちだ。こんなに濡らして」
水音は止まず、スコールが指を動かす度に鳴る。
「それはスコールが、あっ」
中に一本の指が進入し、すぐにもう一本も入れられた。リノアは声にならない嬌声を上げ、腰を揺らす。二本の指は中を探り、次第に蜜を掻き出すようにゆっくりと動く。臍へ向かってゆるゆると撫でられると、声が止まらない。
「はぁん、スコール、そこ、ん、気持ちい……」
今日は自分でもどうかしていると思う程、感じている。今までこれ程、素直に気持ちが良いなどと言ったことはない。恥ずかしさから言えないでいた。だが今日は快感で思考がふやかされており、あれこれ考える前に口に出してしまいそうだ。
「スコールの、指、気持ちい、けど、スコールも一緒にぃ……」
普段聞いたことのないような撫で声で、うっとりと見つめられる。
「もう繋がりたい?」
素直に頷くリノアに、スコールは微笑む。
今日は本当にすごいな。こんなにはっきり声に出すのって初めてじゃないか?
スコールはソファーに座り、膝の上にリノアを跨がせた。自身に手を添え、先端をあてがう。充分に潤ったそこは吸い込むようにスコールを受け入れるが、スコールは自身に手を添えたまま顔を顰めた。
「リノア、くっ、そんなに締めたら入らない」
「だって、スコールが、やっ、はぁ」
硬く反り立ったものが自分の熱く疼く所へ入ろうとしている。自分が腰を落とせばその硬さを奥まで感じることが出来る。意識すればする程、途中まで入っているスコールを圧迫する。
「入って、んぁ、スコールぅ」
甘ったるい声で名前を呼び、スコールはリノアの腰を掴んでゆっくりと下ろしながら、自身を突き上げていく。やがて奥まで収まり、一息ついた。
「リノア、感じすぎてないか?」
リノアは答える余裕がないらしく、最奥を突かれる快感に耐えようとしながらも自然と腰を揺らす。
「ほら腰が揺れてる」
「だって、気持ちいいの」
「ああ、俺も気持ちいい」
「うん、嬉しい、スコール、好き」
潤んだ瞳に微笑まれ、愛おしさで胸が温かくなる。徐々に腰を揺らして勢いをつけるが、蕩けるるような気持ち良さから気を反らせようとリノアの胸を掴んで硬くなっている頂きを口に含んだ。舌で強めに愛撫すると更に自身の硬さが増す。
「はぁっ、リノア」
今日は吸いつく力が強い、ああ、くそ、良すぎる。
もう一方の胸の先も同様に愛撫した後、軽く歯を立て、嬌声を上げさせると胸から顔を離してリノアの腰を両手で掴む。内壁を自身の先で擦るようにリノアを上下に揺らし、自らの腰で奥を突き上げる。粘着質な水音と互いの熱い吐息が部屋に鳴り響き、快楽を助長する。
「はぁ、そこダメぇ、もう、あ、ん、やぁ、ああっ……!」
感じる所を的確に擦られ、すぐに達してしまったが変わらずに擦られて更に高みに連れて行かれる。体が酸素を欲しているのか、口を開いたまま荒く呼吸をし、全身をびくびくと震わせた。痺れて溶けてしまいそうな快感から徐々に意識が戻って来るが、リノアは自分の中のスコールの硬さに身震いした。息を詰まらせたスコールは強い収縮に耐えようと下唇を噛み、細い腰を掴む。が、自分の意志に反し、リノアの中の分身は狭い内壁を波打つように動く。僅かな刺激で体を戦慄かせる程敏感になっていたリノアはスコールの肩に置いていた手に力を入れ、 細い指はスコールの骨張った肩を力任せに掴んだ。
「ダメ、あっ、ちょっとスコールが動いただけで、私、またすぐに、んっ」
ひくひくと蠢く中の刺激に耐えきれなくなったスコールはリノアの腰を掴んだまま最奥を突き、リノアはスコールを締めつけ再び達してしまった。奥歯を噛みしめ、なんとか踏み止まったスコールはひと息ついて訊ねた。
「リノア、また……?」
肩を上下させていた呼吸が次第に治まり、リノアは、また自分だけ達してしまったことに罪悪感を感じ、謝る。
「ごめんな、さい……」
スコールは、柔らかく笑った。
「謝らなくていい。謝ることじゃない」
と、口づけ、微笑む。
「何度もイくのは悪いことでも、恥ずかしいことでもない。リノアが俺のことを好きでしょうがない証拠だ。だろ?」
優しい笑顔にリノアはスコールに抱きつく。リノアの柔らかい胸が押しつけられ、びくりとする。
「リノア……俺ももう、いい?」
訊かれてリノアは思わず噴き出した。
「うん、いいよ、私、何回もイっちゃったもん。スコールをいっぱい感じれたから、今度はスコールが何回もイきそうになって」
と、ゆっくりと腰を引いては、ゆっくりと落とす。背中が、ぞくりとした感覚に襲われ、スコールは苦笑した。
「何回もイきそうになってイかないのは辛いんだけどな……」
今もそんな感じだしな……。
「あ、そっか……」
と、リノアは何か考え込み、ぱっと顔を上げた。
「じゃあ……」
スコールの首に腕を回し、耳元で囁く。
「スコールの熱いのをいっぱい私の中にちょうだい?」
と、耳に口づけ、顔を離す。スコールはリノアの顔をまじまじと見つめ、視線に気づいたリノアは照れながら言った。
「没収した雑誌にね、男の子が喜ぶ台詞が載ってて、それで……」
硬直しているスコールのその後の反応を窺うように訊ねる。
「ダメだった?」
……アイツらは本当に、なんて雑誌をガーデンに持ち込んでるんだ……!!!
「スコール?」
声を掛けられ、我に返ったスコールは苦笑する。
「あの、ダメだった?」
再度訊かれて首を左右に振り、小首を傾げる。
「他の男には言ったらダメだぞ」
「ふふ、わかってるよ~。大丈夫」
と、また耳元で話す。
「私が欲しいのはスコールだけだもん」
スコールの首に回していた両腕で首を抱き直し、自分の中にいるスコールを意識する。奥が熱くなっているのが よくわかり、自然とリノアの眉が下がった。
「……スコールの熱いのしかいらない……」
中が締まり、スコールは顔を顰めた。
「今、私の中にスコールがいっぱい入ってるだけでも嬉しいけど、スコールが私の中でびくびく動くの嬉しいの……。だからいっぱいスコールの好き、ちょうだい?」
切なげな声に、スコールは目を細めて頷いた。
「ああ……」
鎖骨に口づけ、首の根元に赤い跡を残す。
「リノア、好きだ」
唇を重ねるとリノアは微笑んだ。
「……いっぱい受け止めてくれ……」
「うん……」
スコールは顔を傾け、開いた唇でリノアの唇を塞ぎ、自らの舌でリノアの舌を引き出す。体が揺れる個所を確認するように深く口づけ、自身で奥を探る。快感と共に全てで繋がっていると互いに感じ、同時に達した。
***
「スコールいいか?俺だ」
男の声がしてドアが三回ノックされる。聞き覚えのある声に心当たりを探る。
ゼルか?
気心が知れているゼルならば、こんな姿で出ても問題はない。ベッドに腰掛けていたスコールは下着姿のまま立ち上がり、部屋の出入り口に向かう。
「どうかしたか?」
「今年もあの時期が来たからセルフィーがうるさくってさ~。入るぞー」
と、軽い声がし、ドアが少し開いた。スコールは慌ててドア前まで行くと自動設定ボタンを殴るように解除し、手動で扉を閉めようとする。
「あれ?どした?そんなに慌てて」
部屋の中を覗き込むゼルに扉を閉めながら答える。
「取り込み中だ」
「えっ」
「いや、もう後だが」
ゼルはスコールが下着姿なのに気づく。
「あ……はは、そっか、悪かったな。んじゃ出直すわ」
と、行ってしまいそうになったゼルの襟を後ろから鷲掴み、引っ張った。
「待て、ゼル」
首が絞まり、ゼルは後ずさる。
「おまえ、アーヴァインとふたりでいかがわしい本を見ていた覚えはないか?」
「へっ!?」
ゼルはわざとらしいくらいに動揺し、スコールを見つめたまま固まった。
「あははは、はははは……」
またわざとらしく笑ってみたがスコールの顔が険しくなっていくのを見て冷や汗を掻く。
「ガーデンには小さい子供もいるんだぞ、わかってるのか?!」
叱咤され萎縮する。
「はい……すみませんでした……」
反省している様子のゼルにスコールは訊ねた。
「で、その雑誌は今どこにあるんだ?」
「リノアたちが見てたらキスティスに見つかって、キスティスが持ってった」
それならば子供たちの目に触れないとスコールは安堵の一息をついた。
「あのさ、スコール」
「なんだ」
「その……」
耳を貸せという手振りにスコールは右耳を向けた。ゼルは自分の口元に手を当てひそひそと訊ねる。
「ひょっとしてリノアに実践された?」
スコールは体を揺らし、頬を熱くする。思ってもいなかったスコールの素直な反応にゼルは、にやりと笑った。
「そっかそっか~。じゃあスコールもリノアにパイズ、てっ!」
スコールはゼルの頭を殴り、ゼルは頭を抱えてしゃがみ込む。
「いって~、スコール、ちょっとは手加減しろよ!」
「おまえは口加減をしろ!」
「あ、うまいこと言ったな~スコール~」
くすくすと笑い、顔を上げるとスコールは無理に作ろうとした笑顔を引き攣らせており、ゼルは顔を青くして口を閉じた。
「スコール……?」
部屋の中でリノアの声がし、ドアの入り口を跨いでいたゼルの右足の脛を蹴り、追いやると扉を閉めてすぐに施錠した。スコールは深い溜め息をつく。
施錠はちゃんと確認しないといけないな……。
「スコール、どうかした?」
すっかり気がついたらしいリノアはベッドからひょっこりと顔を出していた。
「いや、特に問題ないがこの後、仕事が入った」
と、ベッドへ腰掛ける。
いつものように自分は置いていかれるのだと思ったリノアは寂しそうに呟く。
「そうなんだ……」
「セルフィが楽しみにしてる毎年恒例のアレだ」
セルフィが楽しみにしている恒例のことといえば学園祭のことだ。行事関連のことであれば自分も手伝える。顔を上げるとスコールの肯定の頷きにリノアは嬉しそうに綻ばし、起き上がろうとする。
「じゃあ、急いで支度しなきゃ」
――大丈夫か?――
スコールの瞳はあれ程激しくしたのに体は辛くないのかと訊ねている。
「あ……うん、もうだいじょうぶ……」
頬を赤くしながら俯いたリノアの額に口づけ、リノアが自分を見上げると再確認するように小首を傾げる。
「えっと、ほんとに大丈夫だよ?」
恥ずかしさを誤魔化すようにはにかむリノアに、スコールは微笑んだ。
「ん、やっ、ふぅ……」
洩れる息に抵抗する言葉があったがスコールは構わずにリノアの背中を抱き寄せ、もう片方の手で胸の膨らみを覆う。リノアは離れようとするが背中に回された腕にそれを許されず、更に抱き寄せられて自由が利かなくなってしまった。リノアの胸を覆っていたスコールの手はもう一方の胸の先を刺激し、暫らく弄ばれていたリノアの 舌は甘い痺れと熱を帯びていた。
「ダメ、スコール……」
とろりとした眼差しで制止され、スコールは口の片端を上げる。
「全然ダメじゃなさそうだぞ?」
両胸をやんわりと揉みしだかれて声が出そうになるが、それに堪えようとリノアは自分の右の指を噛んだ。スコールはリノアの首に口づけ、吸いつく。心地の良い甘い痛みにリノアは呼吸を詰まらせながらも指を噛んだ。
「リノア」
低く響くその声は我慢するなと言っている。
「ダメなの。私だけいつもドキドキしてるのがくやしいの。スコールも私にいつもドキドキして欲しいの」
そう言い、息をつくと左手を掴まれる。そのままスコールのそこへあてがわれた。リノアはどきりとしてスコールの顔を見る。
「いつもドキドキしてるさ。そうじゃなかったらちょっと触ったくらいでこうはならない」
リノアは布越しにスコールに触れたまま、その手を動かせずにいた。初めて触る訳ではない。しかしまだ序盤という頃合でこういう状況になったことが今まではなかった。
ど、どうしよう、触った方がいいのかな……?
リノアが戸惑っているとスコールは口元だけで笑った。
「どうする?リノア。俺をもっとドキドキさせたいんだろ?」
「うん……」
リノアはスコールに口づけ、スコールはそれに応じながらリノアの服を脱がせる。下着の布を捲り両胸を覆ったまま指の腹でその先端を刺激する。リノアは眉を寄せながらもスコールの服の裾へ手を潜らせ、肌の上に手を滑らせた。自分がされている同じことをスコールにもと筋肉質な胸の突起を刺激する。スコールは唇を離し、リノアの瞳を見つめた。
「やらしいな」
「……スコールもやらしいよ……」
恥ずかしそうにするが突起への刺激を止めず、唇が触れそうな所まで顔を近づける。切なげな表情にスコールは堪らなくなり胸の先を強めに摘んで転がした。
「あん、やぁ」
胸の先から快感が全身へ広がり、体が揺れる。下腹部の奥が熱くなり、先程触れたスコールの硬さを思い出した。顔を火照らせ、何を考えているのだろうと我に返るが、体はすっかりこの先のことを期待している。今更、止めることも出来ないし、止めたくはない。
リノアはスコールの膝の上から下り、床に膝を突いてスコールの両膝の間に入った。服の裾を捲くり上げて筋肉が綺麗に割れている腹部へ口づけを落とす。
「リノア?」
声を掛けられたが構わずにベルトを外すとファスナーを下ろした。
「おい、ちょっと」
「もっと私にドキドキしてもらいます」
と、リノアは下着をずらしてスコールのものを取り出した。両手を添えて先へ口づける。スコールは息を詰まらせ、リノアを見下ろした。中途半端に脱がした服の間からとても柔らかそうな膨らみが露出している。先程まで 自分と口づけていた形の良い唇が自分のものを遠慮がちに包んでいる。
なんて格好でこんなこと……。
「あ、良くない?」
訊かれるのと同時に顔を上げられ、どきりとした。
「いや、そんなことは……」
「ほんとに?」
小首を傾げられ、スコールは顔が熱くなるのを感じたが、冷静を装い普段通りに頷く。
「ああ」
リノアはその返事が気を使っているように感じ、視線を落とした。
あんまりなのかな。まだ慣れてないし……しょうがないよね。あ、そうだ。
リノアは膝立ちのまま体を寄せ、自分の脇に両手を当てて胸を寄せるとその胸の間にスコールを挟んで胸を揺らし出した。スコールは目をぱちくりとさせ、驚く。
な……?!
「リノア、そんなことどこで知ったんだ?」
「えっと、ゼルとアーヴァインがえっちぃ雑誌見てて、セルフィが没収して……それをセルフィと見てたらゼルの彼女もやって来て一緒に見てたの」
アイツら、なんて雑誌をガーデンに持ち込んでるんだ……?!リノアがこんな……。
リノアから自分に触れるようになったのはごく最近で、それも大胆な方法では恥ずかしがるような程度であったし、正直、今されていることよりも可愛いらしいことを想像していた。なのに、今こうしてリノアへの想いと浅ましい欲望とで膨らんだ己が、白く滑らかな肌と心地のいい弾力と温かさに包まれ、圧迫されている。その上、綺麗な双丘の桜色は誘うように揺れている。想像ではなく目の当たりにして意識すればする程、自分勝手に想像したことがあることや、今、本能のままに動きたい衝動に駆らていることに対して後ろめたさを強く感じる。
こんなのはダメだ。こんないやらしくて気持ちいいことだけなんて……。けど……。
再び視線を落とし、リノアを見た。薄く開いて濡れている唇は、うんしょ、とでも言っているかのように一生懸命に体を揺らしている。スコールは微笑み、嬉しさに胸を熱くした。
俺を感じさせようとして一生懸命に……。はは、でも、やっぱりその格好は理性を軽く飛ばそうとしてくれるよな……。
気持ち良さに呼吸が乱れ、息を飲む。ただリノアの胸の温かさを感じ、眉を下げた。リノアは少し動かし方がわかってきたようで、胸を両手で揺さぶりながらスコールの顔を見上げた。眉を寄せ、呼吸を乱している。リノアは嬉しくなり、挟む角度を変えてその先を舐めた。
「リノア、もういい」
頭上で声がし、舌を離して訊ねる。
「良くない……?」
やっぱりまだまだなのかな。いつも気持ちよくしてくれるからスコールにも気持ちよくなって欲しいんだけどな。
「いいから、困るんだ」
先の割れ目を舐められ、呼吸を詰まらせる。リノアが胸を離し、スコールが安堵したのも束の間、今度は口へ含まれて眉間に皺を寄せた。
「あ、待て、リノア」
リノアは聞かずに口の中で舐めてはゆっくりと頭を動かす。口内のものは更に硬くなり、リノアは唇を窄めて動かそうとするとスコールに肩を掴まれ離された。
「あ……」
「リノアの中でイきたい」
呼吸が少々乱れたスコールに色っぽさを感じ、どきりとしながら頷く。
スコール、感じてくれたんだ……。
互いに服を脱がせ合い、スコールはリノアをソファへ座らせ、膝を床に突いて口づける。じっくりとリノアの舌を味わうと、肌に舌を這わせたまま頭を下げていく。胸元まで下りると、両胸の先を焦らすように舌先だけを這わす。もどかしさを感じたリノアが甘い声で名前を呼ぶと応じるように先を口に含み刺激した。期待通りに動く舌に礼を言うように吐息混じりに嬌声を上げる。スコールは脇腹、臍、足の付け根と更に頭を下げていき、リノアのそこを間近に見つめて呟いた。
「今日はすごいな……」
二本の指で蜜を掬い、糸を引かせるようにリノアにその指を見せる。羞恥を煽るように見せられ、リノアは口を噤んだがスコールは構わず、蜜を溢しているそこに前触れなく舌を差し込んだ。
「んんっ……」
「中もいつもより熱い……」
舌を差し込まれたまま声を出され、リノアは身を捩る。
「あっいや、そのまましゃべっ、んっ」
「声が響く?」
「や、ん……」
舌を抜き、小さな突起を覆う皮を捲ると舌先で刺激する。腰が揺れ、嬌声が止まることなく発せられる。
「ダメ、そこ、ばっかり、ん、や、あっ……」
「そうか?さっきよりも溢れてきてるぞ」
「だから、ダメ……」
スコールは舌を離し、先程よりも蜜が更に溢れているそこを二本の指でばらばらと撫でた。わざと水音を鳴らせるように動いていると感じ、少し恨めしくなって抗議する。
「スコールのえっち……」
言われてスコールは間を置いて、ふっと笑った。
「リノアの方がえっちだ。こんなに濡らして」
水音は止まず、スコールが指を動かす度に鳴る。
「それはスコールが、あっ」
中に一本の指が進入し、すぐにもう一本も入れられた。リノアは声にならない嬌声を上げ、腰を揺らす。二本の指は中を探り、次第に蜜を掻き出すようにゆっくりと動く。臍へ向かってゆるゆると撫でられると、声が止まらない。
「はぁん、スコール、そこ、ん、気持ちい……」
今日は自分でもどうかしていると思う程、感じている。今までこれ程、素直に気持ちが良いなどと言ったことはない。恥ずかしさから言えないでいた。だが今日は快感で思考がふやかされており、あれこれ考える前に口に出してしまいそうだ。
「スコールの、指、気持ちい、けど、スコールも一緒にぃ……」
普段聞いたことのないような撫で声で、うっとりと見つめられる。
「もう繋がりたい?」
素直に頷くリノアに、スコールは微笑む。
今日は本当にすごいな。こんなにはっきり声に出すのって初めてじゃないか?
スコールはソファーに座り、膝の上にリノアを跨がせた。自身に手を添え、先端をあてがう。充分に潤ったそこは吸い込むようにスコールを受け入れるが、スコールは自身に手を添えたまま顔を顰めた。
「リノア、くっ、そんなに締めたら入らない」
「だって、スコールが、やっ、はぁ」
硬く反り立ったものが自分の熱く疼く所へ入ろうとしている。自分が腰を落とせばその硬さを奥まで感じることが出来る。意識すればする程、途中まで入っているスコールを圧迫する。
「入って、んぁ、スコールぅ」
甘ったるい声で名前を呼び、スコールはリノアの腰を掴んでゆっくりと下ろしながら、自身を突き上げていく。やがて奥まで収まり、一息ついた。
「リノア、感じすぎてないか?」
リノアは答える余裕がないらしく、最奥を突かれる快感に耐えようとしながらも自然と腰を揺らす。
「ほら腰が揺れてる」
「だって、気持ちいいの」
「ああ、俺も気持ちいい」
「うん、嬉しい、スコール、好き」
潤んだ瞳に微笑まれ、愛おしさで胸が温かくなる。徐々に腰を揺らして勢いをつけるが、蕩けるるような気持ち良さから気を反らせようとリノアの胸を掴んで硬くなっている頂きを口に含んだ。舌で強めに愛撫すると更に自身の硬さが増す。
「はぁっ、リノア」
今日は吸いつく力が強い、ああ、くそ、良すぎる。
もう一方の胸の先も同様に愛撫した後、軽く歯を立て、嬌声を上げさせると胸から顔を離してリノアの腰を両手で掴む。内壁を自身の先で擦るようにリノアを上下に揺らし、自らの腰で奥を突き上げる。粘着質な水音と互いの熱い吐息が部屋に鳴り響き、快楽を助長する。
「はぁ、そこダメぇ、もう、あ、ん、やぁ、ああっ……!」
感じる所を的確に擦られ、すぐに達してしまったが変わらずに擦られて更に高みに連れて行かれる。体が酸素を欲しているのか、口を開いたまま荒く呼吸をし、全身をびくびくと震わせた。痺れて溶けてしまいそうな快感から徐々に意識が戻って来るが、リノアは自分の中のスコールの硬さに身震いした。息を詰まらせたスコールは強い収縮に耐えようと下唇を噛み、細い腰を掴む。が、自分の意志に反し、リノアの中の分身は狭い内壁を波打つように動く。僅かな刺激で体を戦慄かせる程敏感になっていたリノアはスコールの肩に置いていた手に力を入れ、 細い指はスコールの骨張った肩を力任せに掴んだ。
「ダメ、あっ、ちょっとスコールが動いただけで、私、またすぐに、んっ」
ひくひくと蠢く中の刺激に耐えきれなくなったスコールはリノアの腰を掴んだまま最奥を突き、リノアはスコールを締めつけ再び達してしまった。奥歯を噛みしめ、なんとか踏み止まったスコールはひと息ついて訊ねた。
「リノア、また……?」
肩を上下させていた呼吸が次第に治まり、リノアは、また自分だけ達してしまったことに罪悪感を感じ、謝る。
「ごめんな、さい……」
スコールは、柔らかく笑った。
「謝らなくていい。謝ることじゃない」
と、口づけ、微笑む。
「何度もイくのは悪いことでも、恥ずかしいことでもない。リノアが俺のことを好きでしょうがない証拠だ。だろ?」
優しい笑顔にリノアはスコールに抱きつく。リノアの柔らかい胸が押しつけられ、びくりとする。
「リノア……俺ももう、いい?」
訊かれてリノアは思わず噴き出した。
「うん、いいよ、私、何回もイっちゃったもん。スコールをいっぱい感じれたから、今度はスコールが何回もイきそうになって」
と、ゆっくりと腰を引いては、ゆっくりと落とす。背中が、ぞくりとした感覚に襲われ、スコールは苦笑した。
「何回もイきそうになってイかないのは辛いんだけどな……」
今もそんな感じだしな……。
「あ、そっか……」
と、リノアは何か考え込み、ぱっと顔を上げた。
「じゃあ……」
スコールの首に腕を回し、耳元で囁く。
「スコールの熱いのをいっぱい私の中にちょうだい?」
と、耳に口づけ、顔を離す。スコールはリノアの顔をまじまじと見つめ、視線に気づいたリノアは照れながら言った。
「没収した雑誌にね、男の子が喜ぶ台詞が載ってて、それで……」
硬直しているスコールのその後の反応を窺うように訊ねる。
「ダメだった?」
……アイツらは本当に、なんて雑誌をガーデンに持ち込んでるんだ……!!!
「スコール?」
声を掛けられ、我に返ったスコールは苦笑する。
「あの、ダメだった?」
再度訊かれて首を左右に振り、小首を傾げる。
「他の男には言ったらダメだぞ」
「ふふ、わかってるよ~。大丈夫」
と、また耳元で話す。
「私が欲しいのはスコールだけだもん」
スコールの首に回していた両腕で首を抱き直し、自分の中にいるスコールを意識する。奥が熱くなっているのが よくわかり、自然とリノアの眉が下がった。
「……スコールの熱いのしかいらない……」
中が締まり、スコールは顔を顰めた。
「今、私の中にスコールがいっぱい入ってるだけでも嬉しいけど、スコールが私の中でびくびく動くの嬉しいの……。だからいっぱいスコールの好き、ちょうだい?」
切なげな声に、スコールは目を細めて頷いた。
「ああ……」
鎖骨に口づけ、首の根元に赤い跡を残す。
「リノア、好きだ」
唇を重ねるとリノアは微笑んだ。
「……いっぱい受け止めてくれ……」
「うん……」
スコールは顔を傾け、開いた唇でリノアの唇を塞ぎ、自らの舌でリノアの舌を引き出す。体が揺れる個所を確認するように深く口づけ、自身で奥を探る。快感と共に全てで繋がっていると互いに感じ、同時に達した。
***
「スコールいいか?俺だ」
男の声がしてドアが三回ノックされる。聞き覚えのある声に心当たりを探る。
ゼルか?
気心が知れているゼルならば、こんな姿で出ても問題はない。ベッドに腰掛けていたスコールは下着姿のまま立ち上がり、部屋の出入り口に向かう。
「どうかしたか?」
「今年もあの時期が来たからセルフィーがうるさくってさ~。入るぞー」
と、軽い声がし、ドアが少し開いた。スコールは慌ててドア前まで行くと自動設定ボタンを殴るように解除し、手動で扉を閉めようとする。
「あれ?どした?そんなに慌てて」
部屋の中を覗き込むゼルに扉を閉めながら答える。
「取り込み中だ」
「えっ」
「いや、もう後だが」
ゼルはスコールが下着姿なのに気づく。
「あ……はは、そっか、悪かったな。んじゃ出直すわ」
と、行ってしまいそうになったゼルの襟を後ろから鷲掴み、引っ張った。
「待て、ゼル」
首が絞まり、ゼルは後ずさる。
「おまえ、アーヴァインとふたりでいかがわしい本を見ていた覚えはないか?」
「へっ!?」
ゼルはわざとらしいくらいに動揺し、スコールを見つめたまま固まった。
「あははは、はははは……」
またわざとらしく笑ってみたがスコールの顔が険しくなっていくのを見て冷や汗を掻く。
「ガーデンには小さい子供もいるんだぞ、わかってるのか?!」
叱咤され萎縮する。
「はい……すみませんでした……」
反省している様子のゼルにスコールは訊ねた。
「で、その雑誌は今どこにあるんだ?」
「リノアたちが見てたらキスティスに見つかって、キスティスが持ってった」
それならば子供たちの目に触れないとスコールは安堵の一息をついた。
「あのさ、スコール」
「なんだ」
「その……」
耳を貸せという手振りにスコールは右耳を向けた。ゼルは自分の口元に手を当てひそひそと訊ねる。
「ひょっとしてリノアに実践された?」
スコールは体を揺らし、頬を熱くする。思ってもいなかったスコールの素直な反応にゼルは、にやりと笑った。
「そっかそっか~。じゃあスコールもリノアにパイズ、てっ!」
スコールはゼルの頭を殴り、ゼルは頭を抱えてしゃがみ込む。
「いって~、スコール、ちょっとは手加減しろよ!」
「おまえは口加減をしろ!」
「あ、うまいこと言ったな~スコール~」
くすくすと笑い、顔を上げるとスコールは無理に作ろうとした笑顔を引き攣らせており、ゼルは顔を青くして口を閉じた。
「スコール……?」
部屋の中でリノアの声がし、ドアの入り口を跨いでいたゼルの右足の脛を蹴り、追いやると扉を閉めてすぐに施錠した。スコールは深い溜め息をつく。
施錠はちゃんと確認しないといけないな……。
「スコール、どうかした?」
すっかり気がついたらしいリノアはベッドからひょっこりと顔を出していた。
「いや、特に問題ないがこの後、仕事が入った」
と、ベッドへ腰掛ける。
いつものように自分は置いていかれるのだと思ったリノアは寂しそうに呟く。
「そうなんだ……」
「セルフィが楽しみにしてる毎年恒例のアレだ」
セルフィが楽しみにしている恒例のことといえば学園祭のことだ。行事関連のことであれば自分も手伝える。顔を上げるとスコールの肯定の頷きにリノアは嬉しそうに綻ばし、起き上がろうとする。
「じゃあ、急いで支度しなきゃ」
――大丈夫か?――
スコールの瞳はあれ程激しくしたのに体は辛くないのかと訊ねている。
「あ……うん、もうだいじょうぶ……」
頬を赤くしながら俯いたリノアの額に口づけ、リノアが自分を見上げると再確認するように小首を傾げる。
「えっと、ほんとに大丈夫だよ?」
恥ずかしさを誤魔化すようにはにかむリノアに、スコールは微笑んだ。
やきもち 2
Text by mimiko.
2010/06/05
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