FFX-2.5~永遠の代償~(公式小説)、FFX-Will-(HDリマスターCREDIT&BONUS AUDIO)前提。
チュアミ17歳は自己申告してるからいいとして、クルグムは18歳になってます。ボイスドラマ中の設定ラフのメモが、チュアミはちゃんと17に見えるけど、クルグムが15か16か18に見えまして。チュアミは長身、クルグムはそうでもなさそう?と身長設定も文字がつぶれてて読めなくて。クルグム年齢公式発表はまだか気になる。
ボイスドラマの最後のユウナ名台詞はルカスタジアムかなと思ってルカでユウナ、クルグム、ワッカにティーダ、ルールー、チュアミ合流。という妄想からはじまるティユウティです。えろです。濃いめ版です。
ティーダは爽やかを気取ってるけどとんでもねー変態えろ男です。ユウナはお尻も済ませられています。ユウナもそれを悦んで受け入れてる清純派はどこかへ行ってしまったまぞっ子ちゃんです。ラブいちゃだけども男性向けえろ免疫ある方推奨です。
スカトロジーやってないけどosshikkoってティーダ言っちゃってますからね。ユウナもてぃーらぁらめ言いながら腰振っちゃってますからね。
本当に気をつけてください!ティーダ、ユウナにほうにょう勧めてますからマジ気をつけて!どんなティーダでもどんなユウナでも許せる方だけどうぞ。それ以外の方は回れ右で!
チュアミ17歳は自己申告してるからいいとして、クルグムは18歳になってます。ボイスドラマ中の設定ラフのメモが、チュアミはちゃんと17に見えるけど、クルグムが15か16か18に見えまして。チュアミは長身、クルグムはそうでもなさそう?と身長設定も文字がつぶれてて読めなくて。クルグム年齢公式発表はまだか気になる。
ボイスドラマの最後のユウナ名台詞はルカスタジアムかなと思ってルカでユウナ、クルグム、ワッカにティーダ、ルールー、チュアミ合流。という妄想からはじまるティユウティです。えろです。濃いめ版です。
ティーダは爽やかを気取ってるけどとんでもねー変態えろ男です。ユウナはお尻も済ませられています。ユウナもそれを悦んで受け入れてる清純派はどこかへ行ってしまったまぞっ子ちゃんです。ラブいちゃだけども男性向けえろ免疫ある方推奨です。
スカトロジーやってないけどosshikkoってティーダ言っちゃってますからね。ユウナもてぃーらぁらめ言いながら腰振っちゃってますからね。
本当に気をつけてください!ティーダ、ユウナにほうにょう勧めてますからマジ気をつけて!どんなティーダでもどんなユウナでも許せる方だけどうぞ。それ以外の方は回れ右で!
情けない伝説のガードと生き残った大召喚士
久しぶりに会ったユウナに言われた。
――ごめんね。わたしはもうキミを見ていないんだ――
ユウナの口からそんなことを聞く日が来るなんて考えもしなかった。だからマヌケな返答がこぼれた。
ユウナの意思を尊重したかったっていうのもあったんだ。自分に言い聞かせて納得したはずだったけど、ずっとモヤモヤしてたからのこのことビサイドに帰ってルールーに相談した。そしたら情けない男だと呆れられた。うん、もっともだ。
で、肝心のユウナはビサイドにいなかった。ユウナ、ワッカ、チュアミって子の幼馴染の送儀士クルグムの三人でどこかへ旅立ったらしい。
その理由は、俺たちが倒したはずのシンがスピラを徘徊し始めたことに間違いない。あの千年前の疫病神、シン。三年前も今も、あいつが俺とユウナの邪魔をする。必ずぶっ潰してやる。たとえ俺がまた消えてしまうことになっても、必ずぶっ潰す。
ったく、ユウナも水臭いよな。最後じゃなくてずっと一緒だって約束したのに、他の男に目移りしたからって俺から逃げられると思ってるし。まだまだッスね。俺のこともわかってないし、自分のこともわかってない。つうか、俺のこと振る時、手ががっくがくに震えてた。わっかりやすい嘘ついて、ほんと、バカだよな。
だから、スピラの人たちにシンを必ず倒すって宣言したユウナを掴まえて言ってやったんだ。
――ユウナ、俺を捨てるって言うんなら、俺のこと思いっきり殴って俺のこと大っ嫌いって言ってくれよ!――
情けないのが俺だって言うんならとことん情けなくなってやるさ。ワッカもルールーも呆れてた。クルグムとチュアミはぽっかーんてしてた。
ま、『情けない元彼作戦』は成功して、ユウナと話すチャンスは手に入れたんだ。どうにかなるだろ、つうかどうにかしないとな。
ティーダとユウナは、ルカスタジアムを囲むように設けられているルカ港の二番ポートにいた。大型の木箱が積み上げられているそこは死角が多く、手っ取り早く内談するには適当であった。ワッカ、ルールー、クルグム、チュアミ以外の者からはスピラの有名人ふたりがいることはわからない。
海を眺めたまま何も言わないユウナの背にティーダは声をかける。
「シンを倒すって、どうやって倒すの?」
いきなり確信を突くティーダに振り返ろうとしたが思いとどまり、ユウナは海を眺めたまま言う。
「究極召喚」
「でも、それってもうできないよな?俺たちが三年前にユウナレスカを倒しただろ?エボンの秘術ってやつでしか得られないんじゃないの?」
ユウナは首を横に振る。
「ユウナレスカからじゃなくても究極召喚は得られる」
「……え?」
「千年前、エボンが『究極召喚』として独占したから……。古来からの……本来の召喚は、召喚士が祈り子を作っていた」
最果てのザナルカンド遺跡でユウナレスカと会いまみた時、確かにユウナレスカはガードの中から祈り子となる者を選べと言っていた。
「ユウナが祈り子を作って、その召喚獣でシンを倒すってこと?」
「うん」
こちらに背を向けたままだが、ユウナの力強い頷きにティーダはその覚悟のほどを知る。
「誰を祈り子にするの?クルグム?」
「……」
「あいつ、まだ若いだろ?チュアミから聞いた。十八だって。で、チュアミは十七。ユウナ、知ってるよな?人生これからだっていうあいつらを巻き込むのか?」
若輩を気にかけるティーダにユウナは目を細めた。
キミは、いつの間にか大人になってたんだね。わたしが願わなくても、キミは自分で歩き出す。やっぱり、キミはただの夢じゃない。
「クルグムは送儀士じゃなくて召喚士になりたいって。シンが復活したでしょう?もしかしてと思ってビサイドの祈り子の部屋で祈ってみたの。祈り子像はないし、ヴェグナガンが開けた穴もそのままだけど祈ったら出てきてくれたの。クルグムはもう召喚士。シンが復活して寺院の祈り子も復活。だから、ルカに来る前にキーリカ寺院とジョゼ寺院にも行ってきた」
「ペース速いッスね」
小さく驚いて笑みをこぼすティーダにユウナは振り返って微笑む。
「うん。わたしよりも優秀」
ユウナの笑顔にティーダは安心したように笑みを返した。が、ユウナの顔は曇った。
「だから、言えない。究極召喚がどういうものか。一番信頼の置ける人を永遠に半死半生にするなんてこと、言えないの。キミも見たでしょう?クシュの最期」
「あ……」
千年もの間、ずっと愛し続けた恋人を死人として召喚していた。だが、その恋人はクシュとは別の女性との間に子供をもうけ、愛したのはその女性だと断言した。千年前の恋人であったクシュは初恋の思い出だったのだと。クシュの想いを踏み躙ったブライアにティーダは複雑な思いを抱いた。そして、クシュも召喚されることで存在していた。その召喚士もまたクシュを千年も愛し続けていた。誰が幸せで誰が幸せでないのかわからない恋の結末を目の当たりにした。
「え、でも、ユウナが究極召喚するんだよな?祈り子、作るんだろ?」
ユウナは、またティーダに背を向けた。
「ねえ、わたしが一番信頼している人が誰だか、キミは知ってるよね?」
俺ッスか。
「だったら、なんで振るんだよ」
「スピラにいないはずのシンを見て、とにかくキミに会わなくちゃ、会ってわたしと一緒にシンを倒してって言わなくちゃってすぐに思った。でも、顔を見たら言えなかった。だって、わたしと一緒に死んでって言ってるようなものだもん。せっかくスピラに戻ってこれたのに、せっかくキミの物語が始まったのに、わたし、終わらせたくないよ。キミがいないスピラなんて、わたしがいなくなるより嫌だよ。ブリッツ界のスターのキミがいるスピラをずっと見ていたい」
ユウナの背中に温もりが触れた。
「あのさ、前にも言ったけど、俺ひとりだけ生かされるユウナがいないスピラなんて嫌なんだけど」
ティーダは、優しく強くユウナを抱き締める。
「じゃあ、わたしと一緒に死んでくれる?」
「うん。ユウナの行くとこならどこでもついてく。ワッカとルールーは置いてく。キマリもリュックも置いてく。俺とユウナだけ」
「うん」
ユウナは頷き、腰に回るティーダの手に自分の手を重ねる。
「でも、ごめん。わたし……」
ユウナはティーダの手をぎゅっと握った。
「死人って言うんだろ?知ってた」
「え?」
「ユウナが気づいてない時から知ってよ」
「え、そうなの?」
「あのさぁ、ユウナって、俺のことバカにしてる時あるよな?前からひとこと言ってやらないとって思ってた」
「そ、そんなことないよ」
「うっそだぁ、怪しいなぁ。じゃあ、当ててみよっか」
「え?何を?」
「クルグムに召喚士の修行させてるのって、保険だろ。死人の召喚士が究極召喚でシンを倒せるかわかんないから。俺だって怪しいもんな。オヤジはユウナの親父さんの召喚獣になれたけど、一回消えちゃった俺じゃあユウナの召喚獣になれるかどうか、なれたところでシンを倒せるかどうかわかんない。どう?当たってる?」
「……当たりっす……」
得意げにへへんと笑うティーダにユウナは笑みをこぼす。
「けど、キミはもうなってるよ」
「え?」
「わたしの言うことを聞いてくれない召喚獣」
「マジッスか。いつの間に?」
「うーん、いつだろう」
ユウナははぐらかし、ティーダから離れて頭を下げた。
「勝手なことしてごめんなさい」
ユウナの長い髪が地面に届きそうになっている。
困ったな、謝られても召喚されてる自覚ないんだけど……。
「いいよ、それがユウナの物語なら。つうか、もともと俺の物語って召喚されることによって成立してるわけだし。うん、千年前の得体のしれない召喚士より、ユウナに召喚されてるほうが気分いいッス」
「あと、もうひとつ。別れてもキミなら迎えにきてくれるって自惚れていました。ごめんなさい」
再び頭を下げられる。
「なんだよ、それ。やっぱり、俺、振られ損ってこと?」
ユウナは顔を上げて否定した。
「キミといるとね、頼っちゃうんだ。三年前と同じ。シンはジェクトさんなのに、辛くないはずがないのに、それでもわたしはキミの後ろをついて行った。だから、今度こそわたしがシンを倒せればいいんだって、ひとりで力んでた。でも、いざクルグムを祈り子にしようと考えても、わたしの一番はキミで、それに、クルグムの大切なひとはきっとチュアミ。あの堅い殻を壊す究極召喚なんてできっこない。それにシンを倒すことばかり頭にあって、クルグムの人生のことなんて考えてなかった。キミに言われるまで気づかなかった。わたしはなんて未熟者なんだろうって痛感した。キミがいないと、わたしは本当にダメな召喚士。おまけに死人だし。死んでしまっているのに、自分の勝手で異界に還らないの。スピラには大好きな家族と友達と、大好きなキミがいるから……」
ユウナの頬に涙が伝う。
「幻光河で死人をたくさん見た時、クルグムは異界送りしようとしてた。なのに、わたしは、結局クルグムが送らなくてよかったって、心から思って……」
ユウナの肩から幻光がこぼれた。
「わかった。もういいよ、充分。今はダメだ。ユウナの未練、まだあるだろ?」
優しい指がユウナの涙を拭う。
「打倒シン!それが叶えられるまで、俺たち死んでも死にきれない、だろ?」
すぐそばで元気づけるティーダの優しい声音がユウナの心に響く。
「うん……」
ティーダの温もりをもっと感じたくなったユウナはティーダの左頬に触れた。
「ティーダ、お願い、わたしを召喚して……」
頬にあてられた手から幻光をティーダに融けさせる。
「わたしの全部を知ってるキミじゃないとだめなの」
ティーダの唇に触れるユウナの親指が熱い。ユウナはぴたりと自分に体を寄せ、熱っぽい眼差しで見つめている。
「えっと、俺が考えてることで合ってる?」
ユウナがうんと頷くとティーダはユウナの背中に手を回し、口づけた。久しぶりに触れる舌を優しく擽る。
「んっ、ダメ、もっと強くして、わたしのこと、確かめるみたいに」
言われて、深く口づけるとユウナの肩がびくりと揺れた。くぐもった声が聞こえだすとユウナの腰が揺れる。
「これくらいでいい?」
「うん、もっとして」
積極的なユウナの額に口づけ、にこりと笑う。
「じゃあ、ワッカにちょっと言ってくる。みんな心配して、あっちのほうから様子窺ってたから」
ティーダが物影に隠れていたワッカに話しに行くと、ルールー、クルグム、チュアミとともに街の宿へ帰って行った。ユウナのもとへ戻ろうとすると荷役の作業員がおり、ティーダはいい小遣いほどのギルを作業員に握らせて人払いをして戻った。
ユウナは両膝を横へ向けて座り、遠くで翼を羽ばたかせているスピラカモメを眺めていた。
うーん、確かに人払いしたけど、ルカみたいな人が多い街の野外ってマズいよなぁ。しかも大召喚士とそこそこ名の知れてるブリッツ選手だし……。
「おまたせ。なあ、宿へ戻ったほうがよくない?」
ティーダはユウナの隣に座った。
「ううん。きっとまだ人がいっぱいいるから、ここがいい」
「そっか。まあ、そうだよな。シンが出てきたり、ビサイド寺院にこもってた大召喚士が出てきたりじゃあ、また注目されるもんな」
「こんなわたしは嫌?」
「ん?」
「三年前とまた同じでしょう?わたしが注目されてると、キミ、悔しがってたよね」
ティーダは、ああと頷いた。
「あの頃は、まだザナルカンドが恋しかったから。たくさんの人に囲まれてるユウナを自分に重ねてた。ちょっと、街へ出たら歩けないほどだったからさ。ああ、ほんと違う世界だ~って。ま、今は大召喚士には負けるけど、スピラでもそこそこ有名人だし?」
「キミのファンに怒られちゃうね。ねえ、マルフィとは……」
「だから、友達だって。俺が好きなのはユウナだけだし。さっきみたいに欲しがられるのも、ユウナじゃなきゃ嫌だし、そもそもユウナにしか反応しない」
ティーダは胡坐を掻き、その上にユウナを向かい合わせで座らせた。
「膝、地面に突きっぱなしだと痛くなるから、立てて」
膝を立てられ、ブーツを丁寧に脱がされる。
「あの、でも……」
「あれぇ?誘っておいて恥ずかしがってる?」
「大丈夫。荷役の人にはバイト代出しといた。終わったら追加の約束してるから安心」
「終わったらって……」
生々しい話にユウナの顔が熱くなる。
「ん?欲しくないの?」
ユウナの耳に口づけ、囁く。
「濃いの欲しいんだろ?ちゃんとユウナの中にいっぱい出してあげる」
耳にかかる低い声と吐息にユウナは肩を竦ませる。
「二回くらいしとく?なんなら三回でもいいよ。したらしただけ、ユウナも俺も元気になると思うけど」
「気づいてたんだ……」
――ごめんね。わたしはもうキミを見ていないんだ――
ユウナの口からそんなことを聞く日が来るなんて考えもしなかった。だからマヌケな返答がこぼれた。
ユウナの意思を尊重したかったっていうのもあったんだ。自分に言い聞かせて納得したはずだったけど、ずっとモヤモヤしてたからのこのことビサイドに帰ってルールーに相談した。そしたら情けない男だと呆れられた。うん、もっともだ。
で、肝心のユウナはビサイドにいなかった。ユウナ、ワッカ、チュアミって子の幼馴染の送儀士クルグムの三人でどこかへ旅立ったらしい。
その理由は、俺たちが倒したはずのシンがスピラを徘徊し始めたことに間違いない。あの千年前の疫病神、シン。三年前も今も、あいつが俺とユウナの邪魔をする。必ずぶっ潰してやる。たとえ俺がまた消えてしまうことになっても、必ずぶっ潰す。
ったく、ユウナも水臭いよな。最後じゃなくてずっと一緒だって約束したのに、他の男に目移りしたからって俺から逃げられると思ってるし。まだまだッスね。俺のこともわかってないし、自分のこともわかってない。つうか、俺のこと振る時、手ががっくがくに震えてた。わっかりやすい嘘ついて、ほんと、バカだよな。
だから、スピラの人たちにシンを必ず倒すって宣言したユウナを掴まえて言ってやったんだ。
――ユウナ、俺を捨てるって言うんなら、俺のこと思いっきり殴って俺のこと大っ嫌いって言ってくれよ!――
情けないのが俺だって言うんならとことん情けなくなってやるさ。ワッカもルールーも呆れてた。クルグムとチュアミはぽっかーんてしてた。
ま、『情けない元彼作戦』は成功して、ユウナと話すチャンスは手に入れたんだ。どうにかなるだろ、つうかどうにかしないとな。
ティーダとユウナは、ルカスタジアムを囲むように設けられているルカ港の二番ポートにいた。大型の木箱が積み上げられているそこは死角が多く、手っ取り早く内談するには適当であった。ワッカ、ルールー、クルグム、チュアミ以外の者からはスピラの有名人ふたりがいることはわからない。
海を眺めたまま何も言わないユウナの背にティーダは声をかける。
「シンを倒すって、どうやって倒すの?」
いきなり確信を突くティーダに振り返ろうとしたが思いとどまり、ユウナは海を眺めたまま言う。
「究極召喚」
「でも、それってもうできないよな?俺たちが三年前にユウナレスカを倒しただろ?エボンの秘術ってやつでしか得られないんじゃないの?」
ユウナは首を横に振る。
「ユウナレスカからじゃなくても究極召喚は得られる」
「……え?」
「千年前、エボンが『究極召喚』として独占したから……。古来からの……本来の召喚は、召喚士が祈り子を作っていた」
最果てのザナルカンド遺跡でユウナレスカと会いまみた時、確かにユウナレスカはガードの中から祈り子となる者を選べと言っていた。
「ユウナが祈り子を作って、その召喚獣でシンを倒すってこと?」
「うん」
こちらに背を向けたままだが、ユウナの力強い頷きにティーダはその覚悟のほどを知る。
「誰を祈り子にするの?クルグム?」
「……」
「あいつ、まだ若いだろ?チュアミから聞いた。十八だって。で、チュアミは十七。ユウナ、知ってるよな?人生これからだっていうあいつらを巻き込むのか?」
若輩を気にかけるティーダにユウナは目を細めた。
キミは、いつの間にか大人になってたんだね。わたしが願わなくても、キミは自分で歩き出す。やっぱり、キミはただの夢じゃない。
「クルグムは送儀士じゃなくて召喚士になりたいって。シンが復活したでしょう?もしかしてと思ってビサイドの祈り子の部屋で祈ってみたの。祈り子像はないし、ヴェグナガンが開けた穴もそのままだけど祈ったら出てきてくれたの。クルグムはもう召喚士。シンが復活して寺院の祈り子も復活。だから、ルカに来る前にキーリカ寺院とジョゼ寺院にも行ってきた」
「ペース速いッスね」
小さく驚いて笑みをこぼすティーダにユウナは振り返って微笑む。
「うん。わたしよりも優秀」
ユウナの笑顔にティーダは安心したように笑みを返した。が、ユウナの顔は曇った。
「だから、言えない。究極召喚がどういうものか。一番信頼の置ける人を永遠に半死半生にするなんてこと、言えないの。キミも見たでしょう?クシュの最期」
「あ……」
千年もの間、ずっと愛し続けた恋人を死人として召喚していた。だが、その恋人はクシュとは別の女性との間に子供をもうけ、愛したのはその女性だと断言した。千年前の恋人であったクシュは初恋の思い出だったのだと。クシュの想いを踏み躙ったブライアにティーダは複雑な思いを抱いた。そして、クシュも召喚されることで存在していた。その召喚士もまたクシュを千年も愛し続けていた。誰が幸せで誰が幸せでないのかわからない恋の結末を目の当たりにした。
「え、でも、ユウナが究極召喚するんだよな?祈り子、作るんだろ?」
ユウナは、またティーダに背を向けた。
「ねえ、わたしが一番信頼している人が誰だか、キミは知ってるよね?」
俺ッスか。
「だったら、なんで振るんだよ」
「スピラにいないはずのシンを見て、とにかくキミに会わなくちゃ、会ってわたしと一緒にシンを倒してって言わなくちゃってすぐに思った。でも、顔を見たら言えなかった。だって、わたしと一緒に死んでって言ってるようなものだもん。せっかくスピラに戻ってこれたのに、せっかくキミの物語が始まったのに、わたし、終わらせたくないよ。キミがいないスピラなんて、わたしがいなくなるより嫌だよ。ブリッツ界のスターのキミがいるスピラをずっと見ていたい」
ユウナの背中に温もりが触れた。
「あのさ、前にも言ったけど、俺ひとりだけ生かされるユウナがいないスピラなんて嫌なんだけど」
ティーダは、優しく強くユウナを抱き締める。
「じゃあ、わたしと一緒に死んでくれる?」
「うん。ユウナの行くとこならどこでもついてく。ワッカとルールーは置いてく。キマリもリュックも置いてく。俺とユウナだけ」
「うん」
ユウナは頷き、腰に回るティーダの手に自分の手を重ねる。
「でも、ごめん。わたし……」
ユウナはティーダの手をぎゅっと握った。
「死人って言うんだろ?知ってた」
「え?」
「ユウナが気づいてない時から知ってよ」
「え、そうなの?」
「あのさぁ、ユウナって、俺のことバカにしてる時あるよな?前からひとこと言ってやらないとって思ってた」
「そ、そんなことないよ」
「うっそだぁ、怪しいなぁ。じゃあ、当ててみよっか」
「え?何を?」
「クルグムに召喚士の修行させてるのって、保険だろ。死人の召喚士が究極召喚でシンを倒せるかわかんないから。俺だって怪しいもんな。オヤジはユウナの親父さんの召喚獣になれたけど、一回消えちゃった俺じゃあユウナの召喚獣になれるかどうか、なれたところでシンを倒せるかどうかわかんない。どう?当たってる?」
「……当たりっす……」
得意げにへへんと笑うティーダにユウナは笑みをこぼす。
「けど、キミはもうなってるよ」
「え?」
「わたしの言うことを聞いてくれない召喚獣」
「マジッスか。いつの間に?」
「うーん、いつだろう」
ユウナははぐらかし、ティーダから離れて頭を下げた。
「勝手なことしてごめんなさい」
ユウナの長い髪が地面に届きそうになっている。
困ったな、謝られても召喚されてる自覚ないんだけど……。
「いいよ、それがユウナの物語なら。つうか、もともと俺の物語って召喚されることによって成立してるわけだし。うん、千年前の得体のしれない召喚士より、ユウナに召喚されてるほうが気分いいッス」
「あと、もうひとつ。別れてもキミなら迎えにきてくれるって自惚れていました。ごめんなさい」
再び頭を下げられる。
「なんだよ、それ。やっぱり、俺、振られ損ってこと?」
ユウナは顔を上げて否定した。
「キミといるとね、頼っちゃうんだ。三年前と同じ。シンはジェクトさんなのに、辛くないはずがないのに、それでもわたしはキミの後ろをついて行った。だから、今度こそわたしがシンを倒せればいいんだって、ひとりで力んでた。でも、いざクルグムを祈り子にしようと考えても、わたしの一番はキミで、それに、クルグムの大切なひとはきっとチュアミ。あの堅い殻を壊す究極召喚なんてできっこない。それにシンを倒すことばかり頭にあって、クルグムの人生のことなんて考えてなかった。キミに言われるまで気づかなかった。わたしはなんて未熟者なんだろうって痛感した。キミがいないと、わたしは本当にダメな召喚士。おまけに死人だし。死んでしまっているのに、自分の勝手で異界に還らないの。スピラには大好きな家族と友達と、大好きなキミがいるから……」
ユウナの頬に涙が伝う。
「幻光河で死人をたくさん見た時、クルグムは異界送りしようとしてた。なのに、わたしは、結局クルグムが送らなくてよかったって、心から思って……」
ユウナの肩から幻光がこぼれた。
「わかった。もういいよ、充分。今はダメだ。ユウナの未練、まだあるだろ?」
優しい指がユウナの涙を拭う。
「打倒シン!それが叶えられるまで、俺たち死んでも死にきれない、だろ?」
すぐそばで元気づけるティーダの優しい声音がユウナの心に響く。
「うん……」
ティーダの温もりをもっと感じたくなったユウナはティーダの左頬に触れた。
「ティーダ、お願い、わたしを召喚して……」
頬にあてられた手から幻光をティーダに融けさせる。
「わたしの全部を知ってるキミじゃないとだめなの」
ティーダの唇に触れるユウナの親指が熱い。ユウナはぴたりと自分に体を寄せ、熱っぽい眼差しで見つめている。
「えっと、俺が考えてることで合ってる?」
ユウナがうんと頷くとティーダはユウナの背中に手を回し、口づけた。久しぶりに触れる舌を優しく擽る。
「んっ、ダメ、もっと強くして、わたしのこと、確かめるみたいに」
言われて、深く口づけるとユウナの肩がびくりと揺れた。くぐもった声が聞こえだすとユウナの腰が揺れる。
「これくらいでいい?」
「うん、もっとして」
積極的なユウナの額に口づけ、にこりと笑う。
「じゃあ、ワッカにちょっと言ってくる。みんな心配して、あっちのほうから様子窺ってたから」
ティーダが物影に隠れていたワッカに話しに行くと、ルールー、クルグム、チュアミとともに街の宿へ帰って行った。ユウナのもとへ戻ろうとすると荷役の作業員がおり、ティーダはいい小遣いほどのギルを作業員に握らせて人払いをして戻った。
ユウナは両膝を横へ向けて座り、遠くで翼を羽ばたかせているスピラカモメを眺めていた。
うーん、確かに人払いしたけど、ルカみたいな人が多い街の野外ってマズいよなぁ。しかも大召喚士とそこそこ名の知れてるブリッツ選手だし……。
「おまたせ。なあ、宿へ戻ったほうがよくない?」
ティーダはユウナの隣に座った。
「ううん。きっとまだ人がいっぱいいるから、ここがいい」
「そっか。まあ、そうだよな。シンが出てきたり、ビサイド寺院にこもってた大召喚士が出てきたりじゃあ、また注目されるもんな」
「こんなわたしは嫌?」
「ん?」
「三年前とまた同じでしょう?わたしが注目されてると、キミ、悔しがってたよね」
ティーダは、ああと頷いた。
「あの頃は、まだザナルカンドが恋しかったから。たくさんの人に囲まれてるユウナを自分に重ねてた。ちょっと、街へ出たら歩けないほどだったからさ。ああ、ほんと違う世界だ~って。ま、今は大召喚士には負けるけど、スピラでもそこそこ有名人だし?」
「キミのファンに怒られちゃうね。ねえ、マルフィとは……」
「だから、友達だって。俺が好きなのはユウナだけだし。さっきみたいに欲しがられるのも、ユウナじゃなきゃ嫌だし、そもそもユウナにしか反応しない」
ティーダは胡坐を掻き、その上にユウナを向かい合わせで座らせた。
「膝、地面に突きっぱなしだと痛くなるから、立てて」
膝を立てられ、ブーツを丁寧に脱がされる。
「あの、でも……」
「あれぇ?誘っておいて恥ずかしがってる?」
「大丈夫。荷役の人にはバイト代出しといた。終わったら追加の約束してるから安心」
「終わったらって……」
生々しい話にユウナの顔が熱くなる。
「ん?欲しくないの?」
ユウナの耳に口づけ、囁く。
「濃いの欲しいんだろ?ちゃんとユウナの中にいっぱい出してあげる」
耳にかかる低い声と吐息にユウナは肩を竦ませる。
「二回くらいしとく?なんなら三回でもいいよ。したらしただけ、ユウナも俺も元気になると思うけど」
「気づいてたんだ……」
情けない伝説のガードと生き残った大召喚士
Pagination
- ≪ Back |
- Next