「うん。俺たちってさ、危ういけど、実はすごいよなって。考えたのは今だけど」
 いつだったかに耳にした似た言葉にユウナはくすりと笑う。
「心も体もはつらつっていうかさ。調子いいのはえっちしたからだって思ってたけど、さっきのユウナを確かめるようにキスしたあの感じとか、すでにユウナの召喚獣になってたっていうのも、そういうことなのかなって。だから、ユウナは俺から離れちゃダメだよ、んっ」
 熱い口づけにユウナの体が火照りだす。
「いっぱい愛してあげるから、俺のこともいっぱい愛して、ちゅっ、ん」
 口づけの合間の艶っぽい声音が舌に響く。伝わってくる愛しみに心が満たされる。
「ふぁ、ティー、ダぁ、んっ」
 背を駆ける快感が癖になる。緩んだユウナの口端から涎がこぼれると、気づいたティーダが舌を這わせて舐めとる。
「んっ、ユウナ、こぼしたらダメだよ、こぼすなら俺に飲ませて、ユウナの全部、俺にちょうだい」
「うん、全部、キミにあげる。わたしは、全部キミのものだから」
 ユウナは上の服の留め具をはずし、胸を晒した。白い肌がほんのりと上気し、胸の先は刺激を欲しそうに少し硬くなっている。ティーダは目の前のそれにしゃぶりついた。
「あんっ」
 上がった甘い声にティーダは思わず笑みをこぼす。
「ユウナ、大きな声はダメだよ。人は来ないかもしれないけど、聞かれてるかもしれない」
「え、でもっ、んんっ」
 ティーダは完全に突起となったそれを、子犬がミルクを飲むように舌を動かした。時折歯を立ててはぺろぺろと舐める。
「ふっ、んっ、んふっ」
 自分の指を噛みながらも声を洩らす。
「こら、指、噛まないの」
 ティーダはユウナが噛んでいた手を掴む。
「だって、声、出ちゃう……」
 眉を下げてしゅんとしたユウナがかわいらしい。
「じゃあ、俺の指、舐めて。あーん」
 ティーダに促されてユウナは素直に口を開いた。開かれたそこに右の人差し指と中指が差し込まれ、ユウナは口を窄める。
 うわ、やばいな。まだキスくらいしかまともにしてないのに、ユウナのスイッチもう入ってる。
 指を舐めるユウナの舌先がいやらしく蠢く。こちらも負けていられない。ティーダはもう一方の胸の頂に口づけ、口内でそれを弄び、左の指で刺激を待っている突起を転がした。二本の指を咥えたままくぐもった嬌声を洩らすユウナの腰が揺れている。
 なんだよこれ。ユウナ、飛ばし過ぎ。ちょっと触ってるだけなのに、なんでこんなに俺のこと欲しがってんの。
 服の下で分身が暴れている。早くユウナの熱くぬめったそこへ入りたいと痛いくらいに起き上がっている。
「ユウナ、指、放して」
 ティーダは一息つき、ユウナのスカートの中へ解放された指を差し込んだ。
「今穿いてるやつ、すごく濡れてる。ごめんな、先に脱がせとけばよかった」
と、下着の隙間から指を滑り込ませ、指全体で撫でる。卑猥な水音が小さく鳴っている。
「ん、大丈夫。宿に戻ったら替えがあるから」
「そっか。それなら……って、よくないよ、宿に戻るまでノーパン!?ダメダメ、そんなのユウナが許しても俺が許さない」
「ふふ、じゃあ、我慢するね」
「うん。あ、それか、俺の穿いとく?なんもないよりマシかも」
と、ユウナのそこへ二本の指をゆっくり押し進める。
「んっ、でも、ウエスト大きいからずり落ちちゃうと思っ、う、ぁっ」
「ここ、好き?」
 体をびくりびくりと揺らすそこを執拗に、しかし優しく指の腹で突く。
「うん、好き、あっ」
「そう。ユウナがさっき一生懸命しゃぶってた指がユウナの好きなここ、触ってるよ。気持ちいい?」
「ん、気持ちいい、ぁんっ、や、えっちだよ、ティーダぁ」
「ユウナのほうがえっちだよ。まだそんなに触ってないのに、えっちでかわいい声、出てる。腰も揺れてる」
「だって、あぁん、やぁ、ひさし、ぶりだから、んっ」
 腰を揺らしながらしがみつかれ、ティーダはにこりと笑って頷く。
「うん、気持ちよさそうだよ、すごく。涎いっぱい出てるもん。ああ、勿体ないなぁ。全部舐めとりたい」
と、ティーダはユウナの耳に舌を差し込みゆっくりと舐め上げる。首筋がぞくんとしたと思えばユウナは声にならない嬌声を上げ、達してしまった。
「え、あれ?ユウナ?」
 肩で息をするユウナはこくんと喉を上下させ、謝る。
「ごめんなさい、もう、いっちゃったの」
 快感の余韻があるのに、中に入ったままの指の腹が優しく撫で続けられている。またやってきそうな気配を感じながら、力なくティーダの肩に顔を寄せる。
「謝る必要ないって」
「ううん。キミと一緒にいきたかったの。なのに、わたしだけ先に……」
と、ユウナの手がティーダのズボンに伸ばされる。ユウナの指に取り出された分身の先からは蜜が流れ出ていた。ユウナは入ったままであったティーダの指を抜きさった。嫌な予感がしたティーダは先手を打つ。
「ユウナ、舐めるのなしな。やばいから」
「え?」
「さっきの指みたいに舐められたら、多分すぐいく。だからやめ、あっ、ちょっ」
 先に口づけられ、先走りを舐めとられる。久しぶりの感触に、ユウナの手の中で膨らみを増す。
「いってもいいよ」
と、ユウナの唇に半分包まれたところでユウナの肩を掴んだ。
「ダメだって。いくならユウナの中がいい。口もいいけど、ユウナの一番熱い奥がいい」
「ほら、キミもわたしと同じじゃない」
「え?」
「いくなら、一番深いところが、いいの……」
 急に恥ずかしくなったのか、ユウナはティーダから視線を逸らせた。思い返せば今日ほど自分を欲しがるユウナを見るのは初めてだった。
「ユウナ、そんなに俺とえっちしたかった?」
 頷くユウナの顔が赤い。
「キミが、わたしの一番奥にくるのが、すごく気持ちよくて、すごく幸せだって感じるの。だから、今すぐにでもわたしの奥まできて欲しいの」
 ユウナはティーダの膝の上に座り直して腰を浮かせた。濡れそぼったそこを自らの指で開く。
「いやらしいわたしは嫌い?」
 ほんの少しの躊躇いと震える声、切なげな表情が堪らない。体は我を忘れて腰を打ちつけたいと感じ、心はユウナへの愛情があふれ出る。意図せず目頭が熱くなったと思えば涙がすでにこぼれ落ちていた。自分でも泣くとは思っていなかったティーダは驚いて涙を手の甲で拭った。
「好きだよ、ユウナ。すごく好きだ」
 ティーダが言うと分身は根元までユウナの熱い粘膜に覆われてしまっていた。
「って、人が真剣に愛の告白してるのにっ、勝手に入れるなんて、んっ、ユウナ、ダメだ。そんなに熱くして、俺のことそんなにきゅうってしたら、ダメ、くっ」
 上擦った声で反抗されるが、ユウナのそこはティーダを締めつける。繋がったことで高ぶった感情と快感でユウナは眉を寄せた。
「キミも、ダメだよ、いつもより大きくて、すごく硬っ、あんっ、や、動いちゃダメっ」
「動いてないって、ユウナが締めつけるから、勝手に反応してるだけだって」
「そんな、あ、いや、そんなに硬いので奥っ、やぁ、ティーダ、も、いっちゃう」
「え、ちょっ、あっ、んっ」
 吸いつかれたまま蠢動するユウナの熱さが堪らない。なんとか耐えるティーダを余所にユウナは体を痙攣させた。
「また……ごめんね……」
 達したばかりで脱力しているユウナの頼りなさに愛おしさが込みあがる。
「キミと、こうしてるの、すごく幸せだから、どうしても感じすぎちゃう……」
「うん、何回でもいっていいよ」
 優しく笑うティーダに口づけられ、ユウナは口づけに応えながら腰を揺らした。が、うまく動けずにいた。唇が離れるとユウナは恥ずかしそうに言う。
「キスしながら、動くのって難しいね」
 照れるユウナにティーダは笑みをこぼした。
「俺が動くからいいって。つうか、そんなにいっぺんにユウナに攻められたら俺、すぐにいっちゃう。だから動かないで」
「でも……」
と、ユウナは足に力を入れて腰を浮かした。ティーダの先を咥えたまま腰を上下に揺らす。
「どう?」
 訊かれてティーダの眉根が寄る。
「いいよ、うん」
 呼吸を乱すティーダの表情を窺いながらユウナは腰を動かす。上下を繰り返した後、根元まで入っている状態で不意にユウナの腰の角度が変わり、ティーダの声が上がった。深く繋がったまま腰を揺らすと、また声が上がる。
「ユウナ、それダメ」
「じゃあ……」
と、ユウナの腰が浮かされる。再び先の部分だけを擦られ、ティーダはユウナの細い腰を両手で掴んだ。ゆっくりとユウナの腰を沈めて蜜があふれているそこへ右手を伸ばした。指に蜜を塗りつけ、襞を探る。結合したところより上にある小さな窪みを中指の腹で撫でまわす。
「や、そこ、はぁっ、ふぁ」
 ユウナの切なげな溜息が出る。
「おしっこ出そう?いいよ、出しても」
「そんなの、いや、あぁっ」
 分身にぐっと力が入り、ユウナの奥が突き上げられる。
「あ、ティーダ、んっ」
 ああ、すごくいやらしい。いやらしいのに、もっと苛めて欲しいなんて、どうして思っちゃうの?こんな、浅ましいの、嫌なのに。大召喚士もエボナーの導師も全部、剥がされてただのわたしになっちゃったら、こんなに恥ずかしいことされるのが、嬉しいなんて、どうして思っちゃうの?気持ちいいって覚えさせられたから、嫌だと思っても嬉しいの? 
「勝手に動いたらダメだよ、ユウナ。俺、さっきすごくやばかったんだから。もうしない?」
 ティーダの中指が更に上へと滑った。硬くなっている小さな突起を撫でられ、ユウナの肩が揺れる。
「んっ、やっ、あぁっ」
「嫌?困ったな……」
と、ティーダの左手がユウナの後ろへと伸びた。揉みほぐすように撫でる指にユウナの意識が集中する。
「ダメ、入れないでっ、ぁんっ」
 後ろの窪みに入りそうになった指は、押し入ろうとするだけでまだ入らない。
「ん、大丈夫、入れない。でも、欲しそう。前、すごく熱いよ、ユウナ」
 ティーダは溜息をつく。
「あ、だって、んんっ」
 窪みの周りを蠢く指に、ユウナの意識が再び集中した。
 お尻がいいだなんて、はしたなくてみっともないのに、でも期待してる。ティーダにめちゃくちゃにされるの、期待しちゃう。
「や、ダメ、声、止まらなくなっちゃう」
「うん、けど……」
 ゆっくりと中指を侵入させると、ユウナの悦ぶ声が小さく上がり続ける。押し進むのが止まると息も絶え絶えに抗議した。
「入れちゃ、ダメって、言った、んっ、のにっ、あぁっ」
 前の小さな突起を優しく撫でられ、ユウナの腰ががくがくと揺れる。
「やぁ、てぃーらぁ、んんんっ、らめっ、おかしく、なっ、ちゃ、はぁっ」
「ごめん、けど、ユウナの全部、知ってるの俺だけだろ?」
「ん、れも、あぁ、こんなっ、ふぁあっ」
「だい、じょうぶ、俺、ちゃんとユウナ召喚する、からっ、っく、熱いっ」
 蠢動する熱い粘膜の内壁に擦られる快感に思考が溶かされる。分身に集まる熱い血が先端からこぼれそうになるのを感じて我に返った。ティーダは両手を離してユウナの腰を掴む。
 危ない、いくとこだった。感じ狂ってるユウナに出したいけど、それじゃあ、俺の頭も麻痺してて、出したって感じがぼんやりしちゃうし、やっぱり正気のユウナに出したほうがユウナを征服してるって感じするもんな。
「ユウナ、大丈夫?」
 呆然としているユウナの頬を撫でると、ユウナはゆっくりとティーダの目を見た。
「ごめん。久しぶりなのに、飛ばし過ぎた。それに、こんなところなのに、ほんとごめんな」
 ユウナの背中を優しく擦るティーダの手の平が温かい。
「ん、大丈夫。あっ、ん、ふふっ、また大きくなってるね」
 わたしの好きな人がキミでよかった。爽やかな新入りガードくんが、えっちの時に豹変してあんなふうに支配するなんて想像もしなかったけど、ちゃんと気遣ってくれる。こんなに優しくて、わたしのことを思ってくれる人なんてキミ以外にいない。
「うん、もう限界。いっていい?」
「うん」
 キミに会えてよかった。わたしに恋を教えてくれただけじゃなくて、愛することも、愛されることも、いっぱい教えてくれた。わたしはもう、迷わない。キミがこうしてわたしを愛してくれる限り、絶対に負けたりしない。三年前、父さんたちと同じ道を選ばなかったわたしたちは正しかった。わたしは、生き残った大召喚士。おまえが生き残ったせいでシンが復活したなんて後ろ指さされても、負けはしない。わたしは必ずやり遂げてみせる。千年もの間、断ち切れなかったスピラの死の螺旋を必ずこの手で断ち切ってみせる。永遠なんてありはしないのだから。
情けない伝説のガードと生き残った大召喚士
Text by mimiko.
2014/01/27

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