近藤勲生誕記念。近妙えろです。
「黒猫チャンとボク」(2010/12/15更新)は近藤さんのオカズ妄想だったけれど、晴れて結婚した近妙で、妻が夫のため健気にひと肌脱いじゃってるやつです。
ティーンズラブ系だったりレディコミ系だったり男性向け系だったりします。
近藤さんがomankoとか言ってたり、お妙さんがochinchinとかseishiとか言いつつよがりまくってたりするのでご注意を。

黒猫チャンとボク2コスプレ遊戯

 妻が誕生日のプレゼントは何がいいかと訊ねてきたので俺は答えた。
「何もいらないですよ。妙と一緒に過ごせたら、それだけでいいです」
 して欲しいことなんてこれと言ってない。気の利く妻はいつもよくしてくれている。欲しいものなんてすでに手に入れている。不浄なものまで愛してしまういい女を手にしたら、他に欲しいものなんて出てこない。だが、妻は言う。それではいつもと同じで記念にならない、なんでもいいから言ってくれと。なので、先日うっかり妻に見つかってしまった独身時代のお宝秘蔵ビデオが入った段ボール箱を指差した。やきもちやきの妻によってDVDソフトを取り出され、再生に耐えられるか耐えられないかの微妙な傷をつけられてはケースへと戻されていった。各ソフトにまつわる思い出告白までさせられたがな。これ以上、傷つけられたくなければ白状しなさいと眉を吊り上げる様はまるで般若のようだったが、俺を愛するが故の嫉妬ならばかわいらしいものだ。
「……アレがどうかしましたか」
 段ボール箱に視線をやってむすっとした妻は、口を尖らせた。
「一番、妙に似てた女優のソフトが、一番、ひっかき傷が酷かった。あれじゃあ思い出が成仏しきれねェ。妙の怨念がんじがらめで現世にとどまり怨霊と化しちまう。妙が妙に似た女優の代わりをやってください」
 目を丸くした妻は、への字口で眉間に皺を寄せた。
「なんで私が」
「いつもと同じじゃ記念になりません。なんでもいいから言ってください」
 つい先ほど言われたことをそっくりそのまま言った。ぐうの根も出なくなった妻は片眉を引き攣らせたが、その顔がまたかわいかった。
***
 短い毛が生え揃う外耳は黒く、耳介は鮮やかなピンク色。猫耳カチューシャを装着し、いつものように髪を後ろへまとめあげた妻は、衝立越しにその髪を揺らした。着替え終えたらしく、仕上げに鈴つきのチョーカーを首に結ぶ。
 入浴を済ませ、寝間着を着た俺は敷布団に胡坐を掻き、妻が来るのを待った。
 肌が透ける黒シースルーのベビードールに、黒いストッキング。黒レースのガーターベルトには小さなリボンと鈴があしらわれている。腰脇には黒く細い蝶々結びがあり、一見普通の下着に見えるそれは膝を開けば下着を脱ぐことなく愛撫なり挿入なり可能である完全な大人の下着だ。要するに、ぱっかりするとぱっくりである。
 衝立から一歩踏み出した妻だったが、それ以上は布団に近寄ってこない。恥ずかしがるであろう妻のために気を利かせて灯りは行燈だけにしてみたが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしいらしい。用意したものを妻に渡した時は、下着や小物を見ただけで顔を真っ赤にしていた。おそらく、今もあんな真っ赤な顔をしているのだろう。
 静けさが広がる部屋に、妻の首と両足にある鈴が小さく鳴った。細く黒い足がぎこちなく畳に擦れる音がする。気の毒になって声をかけた。
「妙……」
「は、はひっ!」
 驚き、裏返る声がすると俺は息を吐き出した。案の定だ。緊張しすぎている。
「すみません。やっぱりいつも通りにしましょう。そんなに固くなってたら無理です」
「む、無理じゃないです。だ、大丈夫」
と、はあはあと肩で息をする。いや、だめだろう。これから動悸激しくなるようなことするのに、すでに動悸激しくなってんじゃないか。
「言いましたよね。俺は、妙と一緒に過ごせたらそれだけでいいって」
 鈴はちりりんと鳴った。鈴が鳴ると知っていたら顔など上げなかった。遅かった。切なげな顔をした妻は胡坐を掻く俺の前で両膝を布団へと突いた。
「私もです」
と、俺の右手を取って左頬に触れさせた。
「でも、今日は特別なんです。あなたが生まれてきてくれた日なんです」
 胸を突く声に目頭が熱くなる。大事に想われているのだと実感し、心まで熱くなる。
「あなたが生まれてきてくれなければ、今、私はこんな辱めを受けなかったかもしれない。けれど、あなたがいなかったかもしれない現在(いま)なんて、考えるのもいやです。こんなに好きなのに、そんなのいや……」
 俺は妻を抱き寄せた。熱かった胸が、妻の想いで穏やかに温まっていく。
「最期までちゃんと責任取ってください」
「はい、ちゃんと責任取ります」
 耳元で小さく言うと、腕の中で妻がびくりと動いた。もぞっと控えめに動いては止まる。
「妙?」
 耳元で訊ねると小さく声が上がった。
「やっ、んっ」
 まだ何もしていないというのに、よさげな声だった。
「あの……妙……?」
 もう一度訊ねると、声を我慢する妻の両手に背中の着物をぎゅっと掴まれた。
「ダメ……」
と、しなった声で言い、口で息をする。
「紐みたいなこの下着、食い込んでるんです。だから、勲さんにちょっと息吹きかけられたりするだけでも私……。それに、これから、あんないやらしいことするんでしょう……?」
「あんな?というと……?」
「『黒猫チャンとボク』のケース裏にあった写真みたいなこと……」
と、妻は俺の首に吸いついた。思わず目を点にした。
「え?」
 首に口づけの跡をつけて唇をずらしては、また吸いつく。
「ちゅっ……私に似た女優さんの真似をしろと言ったでしょう?」
「あ、はい……」
 つまり、これから俺がボクで、君が黒猫チャンで『黒猫チャンとボク』を再現するとォォォ!?いやいやいやいや!そんなんダメだろ!!猫じゃらしみたいなオモチャを妙に使えるわけねーじゃん!!そもそもそんなオモチャ持ってねーよ!!用意もしてねーよ!!あのォ、妙チャン?なんか誤解してるよね?
 気を取り直して首に口づける妻を窺う。
「あの、そのかっこだけで……」
と、まで言って我に返った。
 しまった。コレはしまったヤツだよ。その格好でも十分な羞恥を晒させているに、その気というか、覚悟を決めて俺の前に出てきてくれたというのに、俺が断るようなことしちゃいかん。愛する妻にこれ以上の恥辱を塗りたくるようなことはすべきじゃない。ある種、興奮してもだ。夫たる者、妻を護るは然るべき。俺は愛する妻の気持ちに応えるのみ。
 妻の肩を抱いていた手を撫で下ろす。布地を感じさせないほどの薄い黒地に白い肌が浮かぶ。綺麗に反る背中から背骨を通って腰へ落ち着く。名を呼ぶと、妻は俺の首から顔を上げた。
「さっき、何か言いかけましたよね?」
「ああ……」
と、妻の額に口づける。
「こんな豪勢なプレゼントもらえて幸せだなァって言おうとしただけです」
 誤魔化すと大きな瞳がこちらを見上げた。眉を微かに寄せて疑っている。とぼけて小首を傾げると、妻は口を一文字に結んだ。両頬がぷっくりと膨れる。
「もう、本当ですよ」
と、胡坐を掻く右膝に左手を置き、俺の唇に人差し指を押しつけた。
「ここまで私が頑張ってるんだから、勲さんも頑張ってくださいね」
 にこりと微笑まれる。やんわりプレッシャーをかけてくる妻に目を丸くした。
 あれ?ひょっとして始めからわかってた?そのかっこするだけでお宝秘蔵の無念が晴れるってわかってた?
「妙、わかってたの?」
「私がご主人様のことをわからないとでも思ってた?」
 え、ご主人様って……。
「あれ?こんな感じじゃないんですか?」
「あ、いや……」
 口籠ると痺れを切らせた妻は俺から離れた。鈴を鳴らせて部屋の隅にある段ボール箱の元へ行き、発端となったソフトを取り出すと床の間のテレビ前へ行く。いやな予感しかしない。
「え!観んの?!やめとこうよ!思っている以上にアレかもソレかもしんないよ!?てか、傷がついてるから再生できないだろうし、プレーヤーだめになったらどーすんの?!修理代かかっちゃうよッ?!
 止めるのも聞かずに妻はプレイヤーにソフトを挿入した。テレビのチャンネルが合わされ、タイトルが流れて画面が沈黙すると妻は振り返った。鈴を鳴らせてこちらに戻るその背後には、何度も観たシーンが映し出される。
 肩並べて一緒に観んのね。俺がお妙さんを想って千摺りしたネタをその本人と観んのね。
「あ、アダルトビデオにもドラマがあるんですね」
 俺の横に正座し、にこやかにテレビを眺める妻に愛想笑いする。
「ええ、一応、設定とかドラマ仕立てになってますね……」
 ……て、どんな拷問んんん?!悪夢かコレ!!生き地獄かコレ!!俺、今日、誕生日ィィィ!!何この血祭り始まりそうなお囃子は!!もう幻聴まで聞こえてくる始末だよ!!俺なんかを生贄にしても神様怒っちまうぞ?!ゴリラなんて喰えっかってさ!!歳食ってまたひとつおっさんになったゴリラ野郎なぞ贄になんねーよほんとッ!!
 猫じゃらしのようなオモチャで飼い主に遊ばれ始めた黒猫を妻は笑顔で見守っている。俺は、その横顔の下に視線をやった。
 ああ、クソ。折角、黒の透け透けがピンクの乳首をより一層綺麗に映えさせているというのに。腰なんて細く締まってて、ガーターベルトの黒いフリフリも、ストッキング止めてる太腿の細いベルトも、すごくいいのに。いつも黒い下着なんて着けないから余計に。いや、いつものもいいんだよ。ピンクとか、白とか、すっげェかわいいし。てか、妙ならなんでもかわいいけれども。
 黒猫コスプレはもう見納めになるのだと、隣に座る妻を凝視した。すると妻はこちらを向く。
「ご主人ニャンの精ニャン、欲しいニャン」
 目を見開いた。黒猫に扮する女優の台詞を詠唱され、ステータス異常、死の宣告にかかる。見開きすぎた眼球に血が走っているのをありありと感じる。即死は免れたが死の宣告は辛い。何かいい異常回復はあるだろうか。いやに落ち着いている隠れボスの声にびくびくしながら視線を妻の顔へと上げた。
「こういうの、お好きなんですね」
 横髪でその表情は窺えない。
「い、いや、妙に似てるってだけで選んだんで、俺は至って普通のが好み……あの、やっぱ怒ってますよね?調子乗った俺が悪かったです。すみませんでした」
 頭を完全に下げるとそこは自分の股間だった。トランクスの下はすっかりガチガチだが、そんな己が恨めしい。そこへ妻の白い手が伸ばされた。
「私以外の人にこんなになるなんて許しません」
と、擦られる。胡坐の膝が跳ねそうになった。
「いや、これは妙のいやらしいかっこを見たからだからね」
「本当かしら」
 下の袋に伸びた手の平で優しく撫で上げられ、ぞくりとする。下着を押し上げるそれをきゅっと掴まれ、腰が揺れた。
「ほっ、ホントですって」
 股間から手が離れたかと思いきや、妻は俺の正面に向かい合う。着物の裾に手を潜り込ませ、下着の上から擦りだした。
「マジでホントです。あの、だから、俺にさせてください。折角、そんなかっこしてくれてるんだから、妙にいろいろしたい……」
 ベビードールの上から両胸の頂を指で弾いた。
「あっ」
 中腰になっていた妻の体が揺れる。指の腹で硬くなっている先を転がすと、鈴の音と共に甘く鳴く。
「ぁんっ」
 両胸の指を除けようと、俺のものから手を離して俺の両手を掴む。
「薄い生地で素肌を撫でられて、敏感になってたんですか?もういい声が出てる」
「やっ、勲さん、やめてください」
と、腰を揺らす。両肩に手を置かれ、妻の鼻が俺の鼻にかすった。
「やめませんよ。妙、乳首されるの好きでしょう?」
 唇の先を妻のそれへとかすめると妻の舌先が俺の唇に触れた。俺の両手首を掴んでいた手が両肩へと移動した。唇からわずかに覗かせた舌は愛撫を欲しがり、俺の唇に寄った。
「んっ、はぁん」
 切なげな声だった。右手は胸の先から放さず、左手を脇へとくぐらせた。背中を撫で、腰まで来ると下着を摘まんで上へと引き上げる。
「ひゃぁんっ!」
 驚いた妻はへたり座り、顔を上に向けて体を硬くした。俺の肩に載っている両手に力が入る。摘まんだ下着をくいくいと引っ張ると、その度に腰が震えた。
「はぁぁん、やぁあん、やめぇ、もっと食い込んじゃうぅ」
 涙を浮かべてかわいらしく抗議する妻の目元に口づける。少し気を緩めた妻は、肩を掴む手の力を抜いたが、下着を軽く引くと薄く開いた唇を戦慄かせた。そこに舌を挿入する。唇を合わせて妻の舌を掬って根元から先へと舐め上げる。窄めた唇で舌先を優しく啄むと妻の舌が引っ込みそうになり、唇で捕らえた。
「ふぅあっ、んっ、んっ」
 くぐもった切なげな声に、これ以上の食い込みと勃ち上がった胸先への愛撫から解放してやる。ゆっくり優しく、じっくり口づけてから唇を離す。瞳を潤ませた黒猫は、俺の顔を見るなり細い首にある鈴を鳴らせ、くたりとその額を俺の左肩へ寄せた。床の間のテレビには、たまに映像が途切れるビデオが映し出されている。アダルトビデオの多くは男がすぐにでも昇天できるようにと刺激的に作られている。ビデオの中の女優は確かに妻に似ているし、視覚的にも聴覚的にも気分を高ぶらせる。婚前、何度、妻を想ってひとり慰めていたことか数え知れない。あの頃の自分が今の状況を目の当たりにしたらどうなることだろう。たった口づけひとつだというのに、嗅覚的にも味覚的にも高ぶって仕方ない。しかし、その気は高ぶれど、感情的にはとても穏やかで満たされている。
 ありがとう。これほど幸せな誕生日は初めてだよ、妙。
 俺は妻の両脇から真ん中へと柔らかな胸を寄せた。無理に掴まず、指は添えるだけ。そして、手の平で軽く押し上げる。できた谷間にちゅっと口づけ、左の鎖骨にも口づける。次に首へ吸いついて顔を上げた。欲しそうな表情の妻に微笑む。
「あの、勲さん……」
「勲ニャン」
 戸惑っていた妻の瞳が俺の目を見て動きを止めた。俺は、もう一度言う。
「勲ニャンって呼んでくれたら、舌なり乳首なり吸ってあげますよ」
 しばらく固まっていた妻だったが、中途半端に放っておかれるのが嫌だったらしく、口を開いた。
「い……勲ニャン……」
と、恥ずかしそうに視線を落とす。
「……なんて呼ぶの、今日だけなんですからね……」
 とてもかわいらしいデレ加減に思わずにやける。
「はい」
と、返事をしたものの、笑いが込みあがってくる。
「ちょっ、ちょっと、何吹き出しそうになってるんですか!私がこんなに頑張ってるのにっ」
「すみません。すごくかわいくて……」
 妻の額に口づけ、続ける。
「妙がすごくかわいくて……『黒猫チャンとボク』観ながらひとりで抜いてた時の俺が、今の妙を目の当たりにしたら挿れる前にいっちまいそうだなって……おかしくなって……」
と、口づける。唾液が混ざり合うように最初から深くしてやると、妻の口端から涎がこぼれ落ちた。唇を離すと透明の糸が引いて切れる。耳に口づけ、囁いた。
「あのお妙さんが、俺を勲ニャンと呼ぶくらい俺を好きで、俺のためだけにこんな恥ずかしいかっこして、俺にもっと辱められるのを待ってるだなんて考えただけですぐにいっちまう……」
 俺の息がかかった妻は肩を竦ませた。俺は妻に逃げられまいと耳に舌を差し込む。
「ひぁぁんっ」
 背を反らす妻を抱き、細い腕に触れて擦ると腰が浮いて沈んだ。
 欲しがっている。囁いて抱き締めただけで俺を感じている。だが、まだだ。着物の下の分身は、これだけでは満足しない。もっと俺に反応する妻を見たい。物足りなくなって、もっと俺を欲しがる妻を見たい。俺を与えたら卑猥な言葉でよがる妻を見たい。快感の最高潮、孕みたい本能で俺を喰う妻の膣で達したい。あの味を知り、覚えてしまった俺は、もう見るだけでは満足しない。
「もう欲しくなってるんですか?いやらしい腰使いしてますよ」
 耳の凸凹を舌先でなぞる。体を揺らす妻の左の胸を包んで押し上げてから放した。重力で下がる刺激にぴくんとする。
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